1966/01/01 『日本経済新聞』(日本経済新聞社)掲載
火星では、お正月は1年8か月ごとにやってきますが、さみしいお正月です。一年中冬で、花も咲かず畑もできない火星には、おじいさんとこどもとロボットしかいなかったのです。
火星第一回移民団としてやってきたヒゲオヤジは、孫とロボットたちとともにせめてお正月らし...
人魚族の最後の生き残りである少年トリトンが、海の支配者ポセイドン一族と闘う海洋冒険SFマンガです。トリトンは、海の支配者であるポセイドン一族に、皆殺しにされた人魚族の最後の生き残りでした。人間に育てられたトリトンは、やがて海へ帰り、イルカのルカーたちに助けられながら成長して、もうひとりだけ生き残っていた人魚のピピ子...
自分以外の人間は皆、「赤の他人」なのではないか…? そんな疑問を持った少年を主人公にした、サスペンスSF短編です。少年アキラは両親の素振りに疑惑を覚えた。彼らは本当は赤の他人ではないか、と。疑惑は次々に湧いて膨らむ。自分の一生は筋書きのある芝居ではないか、自分はどこかから観客に見られている劇中人物ではないか…と。...
通り名悪右衛門は、誰も本名では呼ばぬ荒くれ武士。和泉の国の知事に命ぜられ、キツネたちを殺しまくるが、愛妻おくずに化けたメスギツネと一緒に暮らし始める。大学者安倍晴明の出生にまつわる「葛の葉」伝説手塚版。...
谷川警部と木戸博士に投獄された凶悪犯罪者ジャックの健が脱獄、復讐を開始した。まず警部を殺害し整形手術で彼になりすます。一方木戸博士は、自らが発明した、良心を揺さぶる音を発するマシンで健の企みに対抗する。...
昔々。谷底で温泉を見つけたキコリ利助は、欲と儲け心を起こし、それを掘り下げた。だが、作業のさなかに急死する。現代。同じ場で鉱石をめぐる欲が愚かな暴走を呼び、悲劇が繰り返され、利助の死の謎が明らかとなる。...
お父さんがロボット研究者のつぎ夫は、お父さんの影響で「鉄腕アトム」のファン。拾った子猫がアトムに似ていたので、「アトム」と名づけて飼っていましたが、一緒に自動車事故にあって、子猫のアトムは死んでしまいます。ところが、自動車に乗っていたカップルは、新婚旅行中の宇宙人カップルでした。彼らは轢いてしまった二人を「もとどお...
2017年のある春の日、アトムは海で、大爆発に巻き込まれます。そこでアトムは、昆虫に似た宇宙人の女・スカラと出会います。スカラは住んでいた星で結婚生活に飽き、宇宙船で地球にやってきたのでした。スカラを爆発から救ったアトムが、家に帰ろうと町に出てみると、なんと時代がさかのぼって、50年前の1969年にきてしまっていま...
1951/04-1952/03 「少年」(光文社)連載地球人と宇宙人の共存と対立をテーマとしたSFマンガで、アトムが初めて登場した作品です。未来の地球……。ある日そこへもうひとつの地球から、大移民団がやってきました。そのもうひとつの地球には、日本もアメリカもあり、この地球人とまったく同じ顔をした人々がいたのです。し...
1998年、成層圏マンモス旅客機・ルナパーク2号は、ニューヨークから東京へ向かっていました。その船の中には、ルナパーク一号の事故で両親を失った西谷イサミという少年が、ペットの賢いウサギ、ミミと一緒に乗っていました。旅客機に同乗していたサリバン氏の娘のカラーに、両親の敵、と突っかかるイサミでしたが、カーラとサリバン氏...
愛を知らずに育った少年が、愛を求めてさまざまな時代をさすらうSF青春マンガです。不良少年・近石昭吾は、母親のふしだらな性癖から、人を愛することを激しく軽蔑していました。警察からその昭吾を託された医師・榎は、昭吾に電撃療法を与えることを試みました。そのショックによって、昭吾はしだいに夢の世界へと入っていき、そこで愛の...
古傘の妖怪・雨ふり小僧と少年の友情を描いた感動のファンタジーです。山奥の分教場に通うモウ太は、町の本校で、田舎者と馬鹿にされいじめられていました。そんなある日、モウ太は、橋の下で古傘の妖怪と出会います。雨ふり小僧と名乗ったその妖怪は、モウ太の願いを3つかなえる替わりに、モウ太のブーツが欲しいとせがみます。そしてその...
1956/08 「おもしろブック」付録(集英社) 掲載
戦争中、とある南の島の最前線での出来事。まさに今夜、最後の突撃を覚悟した小隊の兵士たちは、仲良くなった現地の動物たちに別れを告げます。「おれたちはこんやしぬんだぞ」と言い聞かせてもなついてしまって離れない動物たちを、ある一人の兵士が敵の弾の届かないところに...
美しいものを妬む、人間の深い心の闇を鋭く描いたSF犯罪サスペンスです。黒人青年ジェームズ・ブロックは、刑務所で、謎の老人から生物の体を透明にする光線の秘密を聞き、出所後にその光線を浴びました。しかしそのF光線は不完全だったため、ブロックは半透明の不気味な体となってしまったのです。 以来、彼はアラバスターと名乗り、美...
戦争で両親を失った二人の少年、マサやんとムギやんは大の親友。ところがひょんなことから二人は離れ離れになり、それぞれまったく正反対の人生を歩みだします。マサやんは正義に燃える新聞記者に、ムギやんは殺しも厭わないやくざ者に。二人を再び引き合わせるのは、不運にも一つの殺人事件でした。政治家・菅沼氏が何者かに事故に見せかけ...
『偉大なるゼオ』は、現代に突然出現した百万年前の巨大ロボットと、それに関わった人間達が織り成すSFドラマです。登山中に霧に囲まれ、洞穴に避難した村上兄弟は、氷漬けになった巨大な怪物を発見します。氷の中から掘り出された怪物は東京の街中へ運ばれますが、突然目を覚まして暴れ始めました。「ゼオ」と叫びながら破壊を続ける怪物...
終戦直後、田中カズオ(十三歳)、キミコ(十七歳)、テツ(六歳)は、浮浪児収容施設から脱走した。彼らは不思議な老人の導きで、四十年後の1985年へ行く。そして思いも寄らぬ人間に変貌した未来の自分たちと出会う。...
とある晩、美少女リイコの寝室に忍び込み、彼女をさらった怪物の正体は一万年前の猿人。花丸博士が発明した時間機が連れて来たのだ。リイコの兄ケン一は、時間機で博士と千年前や千年後の世界へ行き、冒険を繰り広げる。...
受験勉強のためにとまった旅館には、座敷わらしが住みついていた! 少年と座敷わらしとの友情を描いたファンタジー短編です。新婚旅行先の旅館が火事になった時、新郎は荷物には目もくれず、宿の古畳を必死に運び出した。その古い宿は彼が高校受験の時に泊まった所であり、畳はその時心をふれ合った妖怪座敷わらしが棲家としていたものだっ...
1955/10/10 「小学生朝日新聞別冊 読みものとまん画 8号」(朝日新聞社)掲載
地球と人工衛星を自由に行き来できる宇宙列車がある時代、子供のお土産を探していた紳士は、露天で磁石を売っていた少年から磁石を一つ買います。ところが紳士はお釣りを受け取り損ねてしまい、少年は紳士を追いかけて、間違って宇宙列車に乗っ...
天才的な昆虫採集家・醍醐剣策が遭遇する、昆虫にまつわる事件を描くミステリ仕立ての連作短編です。
小学校の青年教師に依頼され、年一回祭りの夜だけ山じゅうに灯るキツネ火の正体を調べに、学術調査団がお光り村を訪れた。村長ら迷信深い村人は調査を嫌うが、村長の娘で青年の教え子のおせんはその謎を解こうとする。...
宇宙救助センターの光子ロケットパイロット、石井一郎は、アルファ・ケンタウリ星方向から発信される微弱なSOSの宇宙電波を受信。救助に出発する。だが、彼が超光速で急行したことが、思いも寄らぬ事態を引き起こす。...
己の逮捕を予感したガリレオは、ヒツジのメルに研究記録をパリへ運ばせた。メルは命懸けで使命を果たす(第1話)。199X年、火星の領土権を争い、ほぼ同時に到達した日本隊とカタロニア隊は殺し合う(第2話)。...
『海の姉弟』は、戦争がもたらした悲劇と、環境破壊への警告を大きなテーマとして力強く打ち出した短編作品です。比佐子と良平は、小さな漁村に2人きりで暮らす姉弟。この物語は、両親のいない2人が、生計をたてるためにオニヒトデを捕獲しているシーンからはじまります。海中の幻想的な風景や、ヒトデの捕獲という特殊な設定は、この作品...
1955/04 『少年』(光文社)にて初出。手塚治虫の少年時代の思い出を綴った1ページマンガ。小学五年生のころ、友達と作った秘密組織・うめぼし陰謀団について。
1946/07/20-10/20 「少国民新聞大阪版」(現・毎日小学生新聞)連載
1950/01/15 「新春別冊号 冒険紙芝居」 掲載この「黄金都市」、発表は1950年で、同年には「ファウスト」や「漫画大学」、ちょっと遅れて「ジャングル大帝」の連載が始まるなど、プロデビューした手塚治虫の曙光期…はいくぶんか過ぎたにしろ、まだ空気もさわやかな午前中早めというあたりの作品と言えるでしょう。改めてこ...
地獄谷近くのホテル「観光荘」に突然やってきた謎の男。男は新聞記者の鳳俊介を名乗り、黄金のトランクを下げていました。よほどの金持ちか? それとも…? 怪しいその男は泊まった晩、部屋で、例のトランクを残したまま、忽然と姿を消してしまいます。びっくりした関係者が警察に電話をしようとしたところ、遺留品の黄金のトランクは悪人...
日米開戦の年に旧制五陵中学に入学した三人が友情を結び「凸凹三羽烏」と名乗る。高千穂日出男は性格重厚な柔道の強者。佐佐木小二郎は一本気な剣の名人。猿飛佐助は性格飄逸な手品使い。三人を時代の暗雲が次々に襲う。...
佐渡の小作人ひょう六は大の踊り好き。だが島の暗君の前で本人を風刺する舞いを演じ、踊りを禁じられる。殿様は彼から視力や最愛の女おけさをも奪う。それでもひょう六は踊る。いなくなったはずのおけさとともに…。...
青山博士の薬で知能を昂進された世界の赤ん坊たちが、自らの意志で強い手段に訴え、世界平和が実現された。成長後彼らはその監視機関「世界こども連盟」を結成。博士の息子・青山オズマを隊長とする「世界こども連盟」が世界中で起こる数々の事件を解決する!...
平安時代、都に出没する金髪碧眼の少年、鬼丸。人々に鬼と恐れられた彼は実は、ローマから流れ着いた父と日本人の母から生まれた子どもだった。時の権力者藤原良範に親子共に捕らわれ、生死も不明のまま生き別れとなる。牢獄の過酷な暮らしにたくましく育った鬼丸は、やがて牢をやぶって親を捜す旅に出る。...
1952/01 「こどもブック」新春増刊号(新生閣)掲載
平和なジャングルに、白人のハンターたちがやってきた。動物たちはハンターを驚かすには、人間の怖がる「おばけ」というものにお願いするのがよい、と、「おばけ」らしき動物を探す。
「ジャングル大帝」の世界観を髣髴させる子供向け小品。...
山奥にあるタヌキの小学校に、人間の男の子が一人入学してくることになりました。男の子の名前は三五郎。お寺のおしょうさんの孫です。おしょうさんは山のタヌキたちと仲が良いようですが、タヌキの子どもの中には三五郎を怖がったり、追い出そうと考えているものがいるようです。さて、そんなタヌキ村の中で、三五郎はどんな生活を送ること...
時代は安土桃山時代。秀吉の小田原攻めのころ、農家の息子・佐助は戸沢先生の忍術の学校に通いながら、両親の手伝いをして暮らしていました。ところが戦に巻き込まれ、両親を殺されてしまいます。友達のおサイちゃんもまた、おねえさんを殺されてしまいます。戦を起こす侍にしかえしをしてやろうと、佐助は三好清海がまとめる秘密結社に加盟...
1953/04-11 「少年画報」(少年画報社) 連載エドモン・ロスタン原作の「シラノ・ド・ベルジュラック」を痛快にマンガ化した作品。剣豪にして詩人、音楽家、多才な怪傑・シラノ・ド・ベルジュラック。巨大な鼻がトレードマークだが、幼友達でパリ一の美女・ロクサーヌに恋をした途端、この鼻がコンプレックスに。一方ロクサーヌ...
1947/10/05 同盟出版社 発行
ヒゲオヤジが開発した、透明人間になれる光線「Q-Q-光線」を付け狙う、怪人コロンコ博士! 博士に光線銃を奪われたヒゲオヤジとケン一君は、博士のアジトに取り返しに行くと、そこには様々な罠がいっぱい仕掛けられていた。...
1952/08/15 「少年クラブ」増刊号(集英社) 掲載ロック、大助の二少年は、記録劇映画の主役のピンチヒッター。撮影地とテーマは「太陽出る」など「七つの秘密」があるバナナ島だ。二人はその謎に挑んで、次々に解いて行く!『ロック冒険記』のコンビが活躍する姉妹編。...
火星からやってきた男と、地球人たちの衝突を描いたSF短編です。チルチルとミチルという貧しい兄弟は、ある日、行きだおれていた謎の男を助け、金のタネをもらいました。実は、そのハリールと名のる男は火星人で、地球へ水をもらいにやってきたのです。しかし、地球人は会議ばかりしていてなかなか話が進まず、さらに、マルピギー博士とい...
航海中のブートン博士とケン一くんは、暴風雨に巻き込まれ、その隙に悪人にさらわれてしまいます。さらわれた先はポッポ博士と名乗る科学者の実験場。地球の気象を自由に操る機械を開発し、地上の混乱をたくらむポッポ博士は、自分の研究をブートン博士に手伝わせようとします。脱走を試みるブートン博士とケン一くん、それを助ける心優しい...
1960/01/15 「中学コース 臨時増刊」(学習研究社) 掲載
火星にやってきた地球のロケットから、地球人が降り立ちました。気がかりなのは、火星人のこと。どんな獰猛な人々なのかわからない。ロケットの乗組員たちは武装をして出かけますが、歩いているうちにだんだん、火星人に対する恐ろしい妄想が膨らんできます。荒野を...
化石島をおとずれた3人の旅行者が、その夜に見た夢の世界を描いたオムニバス・ストーリーです。新聞記者のロック、作詞家の谷間コダマ、漫画家の手塚の3人が化石島にやってきました。その島には、人間の姿に似たたくさんの奇怪な岩があり、それを見物した晩、3人は、それぞれ岩から連想した不思議な夢を見ます。ロックはシャーロック・ホ...
1952/02 「冒険王」付録(秋田書店) 掲載氷山の中から一万年前の化石人間が蘇生した。花丸博士発明の「時間機」で一度は過去へ帰されるが、時間機からは恐竜たちが現れ町を破壊。それと戦うため化石人間は現代ヘ呼び戻される。『一千年后の世界』のリメイク。...
氷山の氷の中から現代によみがえった、化石人間ブガボガとマンモスのプーラが大暴れする短編『化石人間』(1952年)の続編です。花丸博士のもとで生活を始めたブガボガは、アークズ首相から動物園の管理をまかされました。その動物園には、奇妙な動物が次々と連れてこられましたが、実はそれは爆弾じかけのロボットだったのです。側近の...
1955/10-1956/06 「おもしろブック」(集英社) 連載
幕末、先進的な思想の持ち主の学者・大宮鉄斎の弟子・少年風之進は、父譲りの剣の達人。外国人のルウゲニーと親交を持っていたことをとがめられ、大宮は捕えられてしまう。危うく共に捕えられそうになった風之進は師の決死の助けで一人のがれ、長州の伊藤博文を訪ねる...
手塚治虫がマンガ家として生きてきた半生を、フィクションをまじえて描いた半自伝的な短編マンガです。1945年9月、大阪の闇市で、手塚治虫はホームレスそっくりのマンガの神様と出会いました。マンガの神様は、手塚治虫にとりついてマンガをブームにすると言い出します。それからしばらくして、日本に空前のマンガブームがおとずれまし...
1950/12/15 「漫画と讀物」臨時増刊 オール傑作読切野球漫画特集(新生閣) 掲載学芸会で男役を演ずるカノコは、舞台衣裳用に兄の着物を強引に借りた。が、それは応援団長である兄の制服で、当日は野球の試合日。兄の友人たちが学芸会場に押しかけ、切羽詰まった彼らはカノコを兄に仕立ててしまう。...
1974/09/30 「少年キング」(少年画報社) 掲載第2次世界大戦末の日本で、漫画に打ち込む中学生だった手塚治虫自身の姿を描いた、自伝的作品です。手塚漫画の中には、「戦争体験」をテーマにした多くの作品があります。その代表的な作品は、第2次大戦下の日本とドイツを舞台にした『アドルフに告ぐ』ですが、今回ご紹介する短...
終戦直後、大寒鉄郎少年が盗んだイモを感激に涙して食べていた時代。彼は新聞社勤めの美人河原和子と知り合い、その推薦で自作のマンガが新聞掲載される。和子とファーストキスをした鉄郎は、彼女の家へ招かれるが…。...
なんにでもなる魔法のガムを使って、少年と少女がさまざまな冒険をする、幼年向けマンガです。ある日、パンチとピンコの兄妹のところにガムの神さまがあらわれ、なんでも作れる魔法のガムをくれました。ふたりは自分たちの好きなものを作ろうと、ガムをふくらましましたが、なかなかうまくいきません。そこで神さまは弟子のガムガムをよびよ...
1970/04/10-11/06 「少年キング」(少年画報社) 連載新宿西口に反戦フォークソングが響き若者たちと機動隊が衝突を繰り返していた時代。両親のいない兄弟の兄は機動隊員で弟思いの好漢だが、弟は彼に反発していた。そんな心優しい江崎兄弟が、ついに敵味方となって…。...
列車事故で亡くなった母が産み落とした由美は、昏睡状態のままで発育し続けた。十七歳の時に、幼い頃から彼女を見守ってきた少年雄一のキスによって覚醒。わずか五日間で十七年分もの信じがたい成長を遂げるのだが…。...
気弱ないじめられっ子カンパチが、「どんな力でも出せる」お皿に水を入れ、頭に乗せれば大変身。優しいカッパのカッパコちゃんが貸してくれるのだ。だがカンパチは、次第に「お皿なしでも出来る」という自信を付ける。...
西洋のおとぎ話風の雰囲気で描かれた、剣と魔法のファンタジーです。ダリヤ大公の領地に、動物たちが平和に暮らす奇蹟の森がありました。ところがダリヤ大公が、そこを切り開きはじめました。森の女神は、それを止めさせるため、1匹の小リスを、魔法で隣国のブライアローズ姫に変身させ、ダリヤ大公の元へ送りこみました。そして本物のブラ...
地球最後の日をテーマに描かれた、手塚治虫の初期SFを代表する長編マンガです。たびかさなる核実験の影響で、人類の知らないところでひそかに新人類フウムーンが誕生していました。山田野博士は、その危険を世界中に警告しますが、誰も耳をかさず、とうとうスター国とウラン連邦が戦争を始めてしまいます。ところが、ちょうどそのころ、地...
1949/12 『ひかりのくに一年』(昭和出版株式会社) 掲載
秋も深まるおやまには、落ち葉や栗がたくさん落ちています。りすのぎっこちゃん、ねずみのまっこちゃんは、「おやまのおそうじしましょ」と、落ち葉掃除を始めます。そこにカンガルーさんがやってきたので、「てつだってよ」と、おなかのふくろでおちばを運んでもらう...
アマゾン奥地でピューマに育てられた「山猫少年」は、ブラジル滞在中の普通野刑事に引き取られて「牙人」と命名され、日本で暮らすことに。牙人は野生動物の能力を用い事件を解決する。普通野の娘並子は彼を愛し始める。...
アメリカの西部開拓時代を思わせる、火星の開拓時代を舞台としたウエスタン調の異色SF活劇です。ある未来。人類は火星へ移住を始めていました。しかしそこにはすでに、先住民族である火星人が暮らしていたのです。人類は火星人を迫害し、人類と火星人は憎みあっていました。そんなおり、ヘデン市のはずれで農場を営んでいた星野一家に、地...
体を縮小する薬で小さくなったケン一とおじさんが、人間の体内を冒険する物語です。ケン一のおじさんが発明した薬Z・X(ツエレンエキス)を注射して体の縮んだふたりは、ある少年の体内へ探検に向かいました。ふたりが肺に着くと、そこでは結核菌たちが、肺に穴を開ける大工事の真っ最中でした。結核菌たちは、人間語を教えてもらうために...
1948/05/25 「密林の少年王」(新生閣) 掲載
ピープル博士の素晴らしい発明品を奪おうと企む悪者を発見したQチャンは、悪者を尾行しアジトに忍び込むが、あべこべにつかまってしまう。悪人の裏をかいてうまくアジトを逃げ出したQチャンは悪者達の企みを博士に報告した。ところが悪者は今度は博士の娘・P子を連れ去って人...
1953/04-1954/02 「おもしろブック」(集英社) 連載アラスカの奥地で苦労しながら暮らしていた日本人少年・ケンジは、大氷河の訪れで街を放棄した人々に見捨てられ、アメリカのアンダーソン製造会社に引き取られた。いっぽうケンジが森の中で助けた狼のブウは、大氷河を溶かす兵器の影響で、金色に光狼に生まれ変わり、怪...
「ぐうたらを絵に描いたような」偶太郎は幸福駅行きの切符と間違えて不幸駅行きを買い、級友が作った模型の円盤を本物と思い込むドジ中学生。そんな彼が精神を集中し「競争のない」異次元宇宙の社会へ行ってみると…。...
マアチャンの野球帽に対し、このぐっちゃんのトレードマークはベレー。美女ミッチイ演ずるお母さん、のんびりやのお父さん、下宿の美術学生らと愉快な活躍を繰り広げる、ほのぼのムードも懐かしい四コママンガ。...
人間そっくりに変身する人形を地球に送りこみ、密かに地球侵略をしようと企む宇宙人と戦う少年の活躍を描いた地球侵略テーマのSFです。中学生の宇津木哲男、通称テッチンは、意志が弱く自己主張を持たない平凡な少年でした。その哲男が、学校の帰り道で女の子が殺されているのを発見! ところが警察に知らせに行っている間に女の子の姿は...
アフリカの原始林に白い発光物体が降下した。 某国が派遣した調査員ハム・エッグは、現地でハチに刺され掌が異常に肥大。発光物と関連する生物兵器とにらんだ彼は、そのハチを盗み、病因を研究する日本人医師と対立した。...
北米大陸の東西両岸をつなぐ要衝となるはずの黒い峡谷は、過去十二回も山越えの試みが失敗している難所。だが十三度目にあえて挑む隊長ランブルの一行に十四歳のチャニイ・チャックらが加わった。正調西部劇マンガ。...
1961/04-10 「かがくのきょうしつ初級2」(学習研究社)連載
アリの子どものくろちょろは、卵の雨よけのための葉っぱと間違えて、蛾に乗って遠くにいってしまいます。弟の生まれる卵と一緒に、お家に帰るためにくろちょろは大冒険をします。とっくりばちのおばさんや、おおありじごくの赤ちゃんに出会ったり、悪者のかまき...
村の駐在所の息子雄作少年は、浜辺で幼い女の子ネリと出会い仲良くなる。だが彼女には恐ろしい秘密があった。クモを「好き」と言えばクモが、トカゲを「好き」と言えばトカゲが、彼女と一体化し吸収されてしまうのだ。...
1948/11/20 単行本(不二書房)日本の有名な昔話「竹取物語」の設定を、現代に置き換えて描いたSFファンタジーです。ある村にロケットが落下しました。三日月博士ら、科学者たちがそれを持ち去ったあと、村のおじいさんが、そこで卵から生まれた赤ん坊を見つけます。赤ん坊はサヨコと名付けられ、おじいさんとおばあさんに育て...
奇人の科学者ケイバーと知り合った主人公は、彼が発明した引力遮断物質ケイバーリットを用いた球体に乗り込み、ともに月へ向かう。そこは奇怪な月人の住む世界だった。原作はH・G・ウェルズの『月世界最初の人間』。...
少年探偵ケン一が、数々の謎やトリックをあばいて事件を解決する探偵マンガです。ケン一は、全国に26もの支社をもつ少年秘密探偵結社の探偵長です。そしていつもケン一と行動を共にしているのが、九官鳥のドングリです。ドングリは、いちど聞いた人の声は録音機以上の正確さで再生することができ、高い場所、狭い場所にも入りこめ、野鳥た...
アメリカ西部の小さな町を舞台にした、恋あり、ガン・アクションありの痛快西部劇マンガです。ニューメキシコとアリゾナの境にある小さな田舎町。悪徳警官ハム・エッグは、この町で町長と手を組んで、町を支配しようとたくらんでいました。しかし、ハム・エッグがその望みをかなえるためには、邪魔な存在がありました。それは、インディアン...
1911年8月、カリフォルニア州に幻のインディアン、ヤヒ族の大男イシが現れた。彼を調査するカリフォルニア大学人類博物館のトーマス・ウォータマンは原始人と呼んで冷たく扱う。だが、イシは優しい知恵者だった。...
1969/08/31 「週刊少年キング」(少年画報社) 掲載アフリカの砂漠にあったワダン・ワダンは他の文明と隔絶して栄えた古代都市。第二次大戦中、連合軍とドイツ軍の兵士らが、民間人の日本少年に捕らわれ、遺跡の土を掘らされる。少年はそこを調査した学者の遺児だった。...
「科学の教室3年」(学研) 1962/04-07
冬ごもり中に生まれたこぐまのブブは、やせっぽちで小さな末っ子です。珍しいものに出会うたびに、森のことならなんでも知っているおかあさんにいろんなことを教えてもらいながら、兄弟たちと楽しく暮らしています。
全四回、見開き2ページの児童向けマンガ。熊の母子を実際の動...
1963/08 『別冊漫画サンデー』(実業之日本社) 掲載
ある最高に暑い朝は、三平にとっては最高にいかさない日だった。ボーナスは使いはたし、向かいのマンションに住む思い人にはどうやら男の訪問客があったようだ。出勤途中に犬にかまれるし、満員のバスで12回も他人に足を踏まれるしまつ。その後もたびたび不運・不幸が重な...
1969/08/03 「週刊少年キング」(少年画報社) 掲載AWCテレビ『世界残酷ショー』のディレクター井袋五郎は、全身にトラのようなイレズミをし、獣と魂を交換するというトラ人間を求めてボルネオの奥地へ渡る。だがそこで遭遇したのは、現生人類とは別種の一族だった。...
学校一の乱暴者にしてヤクザの大親分の息子・バンカラこと明石はひどい暴君。学生は誰一人として頭が上がりません。試合を控えたラグビー部を集めて目の前に真剣を突き立て、「負けたら承知せんぞ、腹切れよ」などとすごむ始末。軟弱な生徒を見つけたら服をひっぺがすなどのひどい仕打ちを加えます。腕力で皆の上に君臨していたゴッドファー...
1954/08 「おもしろブック」付録(集英社) 連載 豊臣家滅亡前夜、後藤又兵衛は、仕官話のたびに高禄を要求し、悪評が立っていた。音に聞こえた豊臣方の豪傑も、主家を去って浪々の身となり欲に目がくらんだか? 彼に興味を抱く徳川方の武士森勝重はその真情を探る。...
古代中国で製造された青銅の巨人をめぐって展開する古代史SFアクションです。予知夢を見る少年・珍鬼は、中国・安陽の遺跡から夢に見た巨大な燈台鬼を発掘しました。それは3000年前、はじめて中国を統一した殷(いん)王朝が守護神として造った魔神で、念力で自由に動かせる恐るべき破壊ロボットだったのです。珍鬼は、神通力をもつ少...
父母の離婚で心を暗くしていた山村の少年は、ある日子カモシカがつり橋の丸太にはさまれて動けなくなるのを見た。少年は彼を「ころすけ」と名づけて橋までエサを運び、フンを掃除し雨の日にはビニールをかけて世話する。...
ある村が、ミグルシャ国の原子力潜水艦の海兵隊によって占領された。学校の先生から、3人の少年は、山向こうの飛行場に手紙を届けるように頼まれる。小学校を脱走した3人は、海兵隊の執拗な追撃をかわし山頂を越えようとするのだが、謀略放送に心を動かされ、死の恐怖に脅えるヨッチン、チンチクの二人と絶交し捨て去った一人の少年は、「...
怪奇、サスペンス、ミステリーなどの連作短編シリーズです。 自分の進路に迷っていた少年が、八角形の館に行くと、もういちど別の人生がやり直せるという、第2話「八角形の館」や、それぞれに罪を抱えた3人の男女が、どこからともなく聞えてくる鈴の音に、自分の罪を責められて苦しむという、第8話「鈴が鳴った」など。 ハッピ...
「サボテン君」は、昭和26年から、雑誌「少年画報」に連載された作品で、手塚作品における西部劇ならびに少年漫画の代表作の一つです。ちょうどその頃は手塚治虫が大阪から東京へ仕事場を移し、漫画の仕事に本格的に取り組みはじめた時期で、その勢いがそのまま主人公のサボテン君に乗り移っているかのような、楽しくほがらかな作品に仕上...
「少年画報」1952年9月号の付録として描かれた作品。
西部一のガンマン・サボテンくんの番外編エピソード。ドンゴロスの街では不可解な鉄道事故が相次いでおり、ワシントンの高官も問題視し、勇敢な男に原因を調査させたいと考えていた。そこで白羽の矢が立ったのが、家で平和に暮らしていたサボテンくんだったが、デコーン氏とともに...
中国の運搬人チェンは仕事の途中で男たちに襲われている若い娘を救った。彼女はアーリイと言い、人間離れして野性的な不思議な娘だった。トラックで彼女を送ったチェンは、かの野人たちの住む古代遺跡跡に到着した。...
ケン一とヒゲオヤジが小さくなって人間の体内へ入り、結核菌と戦うSFです。カビのはえたパンを食べたケン一とヒゲオヤジのふたりは、急に体が縮みだしました。そして塵(ちり)に乗って漂ううち、結核を病んだ少年の鼻から、少年の体内へ入りこんでしまいます。するとそこでは、結核菌が白血球と戦争をしていました。一度は結核菌にとらえ...
1970年代のある夜、SF大会に出席するために名古屋を訪れていた手塚治虫の前に、謎の巨大で毛むくじゃらな怪物が現れます。命からがら怪物から逃げた先、一軒家に住む命光一という青年は、実は変幻自在の怪物「デカンダー」と戦う、サンダーという怪人だったのです。命光一は、以前は公害で体を蝕まれ、世をはかなんでいた飯田光一とい...
1958/09/15 「冒険王」 夏休み大増刊(秋田書店) 掲載戦争中、幽霊が出没するというジェット基地に、真相解明のため軍事探偵間(はざま)が派遣された。だが基地の隊員たちは、間の問いかけに口を閉ざす。隊長は彼の調査を押さえにかかり、記録書類を焼却しようとした。...
変身ヒーローの魅力は、世をしのぶ仮の姿にあり、と思うのです。スーパーマンが普段は平凡な新聞記者・クラークとして生活しているように、いざというとき以外、本当に強いところを見せないのがカッコいい。普段の姿がちょっと頼りなくても、変身すると強い、というギャップが良いのです。しかし、もし、スーパーマンからスーパーマンの部分...
ネコ型宇宙人による地球調査の目的は高度に合理化された自分たちの世界が失った「愛」のサンプル収集。地球人を捕獲し実験動物化する調査隊だが、隊員のシャミー1000は、高校生四村を調べるうち、愛に目覚め始める。...
ケープタウン発シンガポール行きの旅客機内で飛行中にクモの巣が発見され、猛毒グモが現れた。クモの巣は機内に広がり、旅客たちのパニックは拡大する。人々のエゴがむき出しとなり、ついにはその中で殺人が起きる。...
人間に育てられた白いライオンの子・レオの成長する姿を通して、自然と人間の関わりを描いた長編マンガです。アフリカ、赤道直下のジャングル地帯。そこにジャングルの王・白いライオンのパンジャがいました。しかしパンジャはハンターに殺され、その王女は、動物園へ送られる途中の船の中で、王子を産み落します。王女はその子をレオと名づ...
1965/12 「サントリー天国12」(サントリー)掲載
サントリーのPR誌「サントリー天国」に掲載されたお酒をテーマにした大人向けショートショート漫画です。
ヒゲオヤジを主人公に、お酒やカクテルをテーマにしたくすりと笑える作品。
「人間ども集まれ!」や「上を下へのジレッタ」のような大人漫画のタッチで描かれていま...
水爆実験が行われる南の島。取り残された動物たちは島を脱出し、いかだに乗って海を漂います。航海の途中で沈没船にあい、そこで出会った日本人・タロは動物の言葉がわかる少年。タロをリーダーに、同じく船でであった個性豊かな動物たちとチームを組んで、漂流や無人島での生活で起こるさまざまな苦難や危機を乗り越えていきます。「15少...
白領コンゴの東域に映画の撮影にやってきたノルマル映画会社のアフリカ撮影隊一行。現地人の村に滞在しながら飛行機を使ってジャングルを撮影している最中、一行は奇妙な塔がフィルムに映りこんでいることを発見します。何かのネタになるのでは、と塔の捜索に行ったブク・ブック氏は、それきり行方不明になってしまいました。ブク・ブック氏...
1953/01/15 「少年クラブ」 新年増刊号(講談社) 掲載誕生日のスピーチ中、衆人環視の中で王子が撃たれた。現場は教会の時計塔。疑わしいのは金持ちグロッキーだが、アリバイがあった。現地に滞在中のロック、大助の二少年が、全市民を証人に仕立てた大トリックを見破る。...
1949/10/1-不明 「冒険紙芝居」 連載手塚作品には「スターシステム」という仕掛けがあります。キャラクターを映画スターに見立て、いろいろな作品に登場させる仕掛けなのですが、今回はその中でも人気のある少年スター「ロック」の作品を取り上げてみました。もともとはシャーロック・ホームズのもじりの名前どおり、“犯人”と...
ふしぎな運命を背負った双児の兄弟が、敵と味方にわかれて戦うSF戦記です。軍国主義の国・ミグルシャ王国で、秘密警察に殺されたポスク博士には、双児の子どもがいました。博士の死後、その子どものうちのひとりは、女王に拾われてマルスという名の王子になりました。そしてもうひとりは、奴隷として地下工場へ送られ、日本人の伴俊作が、...
マンガ家のロック少年が、新世界ルルーで手に入れた、時間を止める能力を使い、不思議な活躍をするファンタジーです。科学研究所の所長、ドン・ナ・モンデスは、コンチック・ショオ公爵の罠にはまり、タイムカプセルの中に閉じ込められ、生き埋めにされてしまいました。しかし、異次元の新世界ルルー人に助けられ、20年後にプリン伯爵と名...
幕末の京都、父一人子一人の貧乏武士の家に手負いの男が逃げ込みます。事情は分からないながらも武士の情けでかくまった父は、追手の土佐藩士に切り殺されてしまいました。
下手人の男・庄内半蔵を、息子――深草丘十郎は「父の仇」とし、剣の腕を磨き、いつか仇討ちを果たすため、「新選組」に入隊します。
入隊試験の際に知り合っ...
宝島の地図をめぐる冒険活劇です。死んだ父親が残した宝島の地図を見つけたピート少年は、父親の親友の船長とともに、宝探しの航海に出ます。ところが船は海賊ボアールに襲われて、ふたりはつかまり、さらに海賊船が嵐にあったため、ふたりは漂流して南海の孤島にたどりつきます。するとそこは、父親の地図にあった宝島だったのです。一難去...
ホラー映画のような大仰な始まり方もまた迫力がありますが、なぜか怪談というのはさりげなく語られれば語られるほど怖いものです。また、本や映画よりも、人の口から素朴に語られたもののほうが、怖さも倍増します。怪談は語りととても相性がいいのです。この作品の手本となった中国清代の怪談集『聊斎志異』、また、日本の『耳袋』なども聞...
江戸時代末期の日本で育った未来人の少年が、奇想天外な発明品を作って悪人と戦うSF活劇です。時間機械で未来からやって来た加賀美博士夫妻は、時間機械の事故により、江戸時代に赤ん坊を置き去りにしてしまいました。その赤ん坊は、女スリのコンニャクお伝に拾われ、駒助と名づけられて育ちます。それから数年後、元気な少年に成長した駒...
スリラーファンの親子が、数々の難事件に立ち向かう探偵活劇です。医者のスリル博士と息子のケン太、そしてケン太の愛犬・ジップが、次々と事件に巻きこまれ、それを、みごとなチームワークで解決していきます。ヒンズー国の殿下暗殺を企んで、秘書官のお腹の中に時限爆弾が隠される話、少女猛獣使いが、毒で狂ったライオンに襲われる話、仮...
豆ノ木中学のクラス委員健二が重傷を負わされた。犯人は校内の不良グループのボス三人の中のひとりか? 健二の妹美幸は、事件解決のため学生コロンボと呼ばれる名探偵、大食いの巨漢ずんべらこと図星べら坊を呼んだ。...
終戦を迎えたとはいえ、まだ戦争の記憶も新しかったであろう1954年の10月に発表されたこの作品には、戦時下にある未来の日本が描かれています。戦闘機に乗っていた兄の正太を亡くした一ノ谷良一は、自らも航空兵学校を卒業、空軍に入ります。兄を撃墜した優秀な敵機「アンタレス」を撃って兄の敵を討とうと志す良一は、丹下という隻腕...
空襲が激しさを増す第二時大戦末に、チョウのゼフィルスの採集に熱中する少年がいた。彼は採集中に農家から作物泥棒と間違われ、憤りを感じて真犯人を捕まえる。それは何故か彼の心を苛立たせる、よそ者の少年だった。...
1955/06『一年ブック』(秀文社) 掲載
毎晩やってきては麦畑を荒らす悪い馬を主人公イワン少年が捕まえると、馬は許してもらう代わりに三頭の馬をプレゼントする、といいます。黒い馬が二頭に、人間の言葉を話すこうまが一頭。イワンはこうまに連れられてお城に向かい、王様に会って王宮の馬小屋の番人になります。
ところが...
「0次元の丘」は、輪廻転生を題材にしたSF作品です。小学生の山岡利男少年は、名指揮者ベルヌがふきこんだレコード「トゥオネラの白鳥」を聴くたびに涙を流していました。このレコードを聴くと、なぜか大きな木と白い壁のある景色が目に浮かび、その場所こそが自分の故郷だ…と言うのです。利男の兄が、このふしぎな現象について調べてみ...
シッポのある人類・0マン族と、人間との対立を描いた長編SFです。インドの奥地で日本人に拾われた赤ん坊は、リッキーと名付けられ、東京で育てられました。リッキーには生まれながらに大きなシッポがありました。実はリッキーは、力も知能も人間を越えた、リスに近い0マンという生物だったのです。実の両親に会ったリッキーは、0マンは...
1955/01-06 「冒険王」(秋田書店)連載
初期SFの代表作である「ロスト・ワールド」(1948年)のリメイク版。
理学者・邪我汰良平が何者かに殺された。左の入れ目に隠した宝石が盗まれている。石は友人の敷島博士から預かったものらしい。敷島は、秘密の研究所で、動物たちに人間のような知能を与える実験をしている天才...
「旋風Z」は、1957年から58年にかけて『少年クラブ』に連載された、手塚治虫お得意のSFヒーローものです。日本の科学者・鷹群博士の発明品は、いまや世界中にあふれていました。しかし、心の歪んだ科学者・蛇沼博士は、鷹群博士の優秀な頭脳を憎み、科学兵器を使った決闘を申し込みます。そして、鷹群博士と妻は殺され、一人残され...
「ハロー・マンガ」(育英出版) 1947 第五輯掲載
タカに狙われているちいさなヘビの坊やを助ける親切なゾウさんの四コマ漫画です。
酒井七馬(『新寶島』の原作者としても手塚治虫とかかわりの深い人物です)が主幹を勤め、育英出版が発行していた子供向けの雑誌「ハロー・マンガ」に掲載されました。...
代議士勝買収が奪った子を追い、インドから泳いで来た母トラは日本の小島で力尽きたが、その魂は死なず。遺児トラのシロボシは、島の姉弟アイノ、ハジム、ネコのジロチョーや大勢の動物らとともに勝の悪だくみと戦う。...
花丸博士はピラミッドに潜む陰謀団を探りにエジプトへ赴いた。首領の大空魔王は機械の体を持つ怪人で、南極の氷を溶かし日本を南極化しようと企んでいた。博士はロボット犬ポピイや少年リューちゃんとともに戦う。...
大洪水によって文明が海底に沈んでしまうという旧約聖書のノアの箱船伝説を、近未来の日本に置き換えて描いたSF短編です。鯛二少年は、軍人である兄・鮫男の保管していた原子力要塞の設計図を処分しようとして毒を盛られ、脳に異常をきたして病院に入れられていました。やがて、北極海上に建設中の原子力要塞が大爆発を起こし、間もなく日...
メキシコの農場主・フェルナンド・ゴメスは、開拓の途中で、オスのジャガーを殺してしまいます。ゴメスを夫の敵として付け狙うメスのジャガーにはバギという子供がいました。ついに敵を討ち取った晩、バギの母はゴメスの部下たちに撃ち殺されてしまいます。ゴメスの下げていたロザリオをバギに残して…。広大な農場の跡継ぎ選びは、ゴメス一...
かつて悪人だった男が、恐ろしい終末兵器の実験をやめさせるために命を賭ける、戦争を鋭く風刺したヒューマンSFです。コスモポリタン国の科学者・ナーゼンコップ博士は、15年の歳月をかけて新兵器・空気爆弾=空爆を完成させました。空爆とは、地上の空気が次々と連鎖反応を起こして爆発するという恐ろしい兵器です。コスモポリタン国は...
最新鋭のロボットタンカー・おさかべ丸。最新鋭の電子頭脳“KO”が組み込まれ、船員がいなくても自動的に運行が可能、という最新鋭のその船の試乗式には、造船会社や石油会社の社長とその家族、また新聞記者など、要人が大勢乗り込みました。彼ら乗客と、船長の北岡、それにロボット技師の少年哲夫を乗せた船は、しかし、のっとりをたくら...
今回ご紹介する『ダスト8』は、人間の死について、「生命の石」という架空の物質をキーに描いたオムニバス短編風の物語です。「死」の物語、ということで、亡くなった人をお迎えする日本独特のこの季節の伝統行事「お盆」にちなんでみました。周防灘上空を飛行中の旅客機が、故障により墜落。ところが、墜落した島は地図にもレーダーにも映...
乗組員が謎の消失を遂げた船にひとり残された赤ん坊は、親切な漁師に引き取られて七郎と名付けられた。成長した七郎は異国で出会った少年佐々木小次郎とヨット「たつまき号」で旅に出るが、謎の海底基地に捕らわれる。...
1982/06/04 「週刊少年チャンピオン」(秋田書店) 掲載ある日、ある時、ある都会。七色いんこと別れ別れとなったタマサブローは、ゴミだめの中で発見され、野犬収容所に放り込まれた。引き取り手がいなければ薬殺される運命の哀れな犬たちとともに暮らすうち、盲目の犬を助けたことから、盲導犬のみこみがある、と運よく命拾い...
『ダリとの再会』は、機械と人間の心のふれあいを描いた短編作品です。「ダリ」と聞くと、芸術家のダリを最初に思い浮かべる方も多いと思いますが、実は全く関係ありません。暴走族のボス・ウルフは、バイクで信号無視をした際に、トラックと衝突してしまいます。同乗していた恋人は死亡、ウルフ本人も入院しますが、その間に暴走族は解散し...
キヨシ少年をはじめとした七名の探検隊員が、小惑星メヅーサを破壊するため、宇宙へと飛び出した。しかし、出発前に隊員達がうった注射の中に、一人分だけ誤って毒薬が混じっていた事が発覚。しかもその毒薬に侵された人間は、気が狂って他の人間を襲うかもしれないというのだ。七人の隊員は、自分自身を含めた全ての人間に対して疑いを抱い...
大衆作家・林不忘の生んだ剣豪キャラクター・丹下左膳を、手塚治虫流にアレンジした時代劇マンガです。ふとしたことからみなし児のチョビ安が手に入れたこけ猿の壷……。それは、柳生家に伝わる百万両の黄金のありかが記された宝の壷でした。そのつぼをめぐる騒動の中で、片目片腕の剣士・丹下左膳は、チョビ安と知り合い、父親代わりになる...
「ハロー・マンガ」(育英出版) 1947 第七・八輯掲載
名探偵のブンチャン、虫メガネを片手に、ピンコちゃんのなくしものを探します。タイトルのコマを含めると8コマの構成で、2回の連載作品です。
酒井七馬(『新寶島』の原作者としても手塚治虫とかかわりの深い人物です)が主幹を勤め、育英出版が発行していた子供向けの雑...
パイロットの息子・荒波ドン太郎は、列車での旅の途中、他の乗客や両親ともどもウラメシア国の軍部にとらわれてしまいました。スパイ組織「人間細菌団」の一味を探すために、列車の乗客をみな捕らえ、惨殺しようとするウラメシア軍。ドン太郎は間一髪、軍の拘束から逃れて母と一緒に逃亡することに。逃亡中に出会った人間細菌団の一員の男か...
世界戦争の危機から逃れるために建造された巨大な地下都市と、そこにからむ陰謀を描いた、反戦テーマのSF短編です。ある日、小さな田舎町で大工事が始まりました。核戦争にそなえて、高野博士の指揮のもとで地下都市が建造されることになったのです。村に住む英二と英三の兄弟は、村の少年が工事のトラックにはねられて死んだことがきっか...
チッポくんは、ネズミを食べられない、心の優しい子ネコです。しかしそれは、ネコの世界では「おちこぼれ」を意味します。ネコはネズミを追っかけるもの、捕まえるもの、そして食べるもの…それが常識なのです。当然チッポくんは、家族や友達から叱られ、笑われ、変わり者扱いされます。それでもネズミの味方をやめないチッポくんは、すっか...
地上征服をたくらむ地底国人と少年科学者ジョンたちの戦いを描いたSFマンガです。少年科学者のジョンは、飛行機事故で死んだ父親の遺言を守って、安全で高速な「地底貫通列車」を発明しました。ある日ジョンは、人間なみの知能をもつウサギの耳男(みみお)と出会い、ふたりは完成したばかりのロケット列車で地底へと向かいました。しかし...
1951/01/10 単行本(東光堂)チックとタックの働くホテルには、美人のメイド、シンデレラは支配人の娘に苛められていた。シンデレラとチックとタックは、アラブの裕福そうなお客が忘れていった魔法のランプを届けようと、バグダッドに向かいます。ランプは実はコンコロム姫の持ち物。間違えてホテルの水差しを持っていってしまっ...
報知新聞(報知新聞社) 1977年2月27日 掲載
会社が倒産し、失業したある紳士が会社の屋上から飛び降り自殺をしようとしたまさにその時、会社に祭られていたお稲荷さんから奇妙な男が飛び出てきた。「お前の娘をスターにしてやるから、それでお金を儲けるといい」という。
どうも男は神様らしい。ところが紳士の娘・ノン子にス...
さるかに合戦の真相
1956/10 「おもしろブック」付録(集英社) 掲載
皆さんがよく知っている「さるかに合戦」――サルが蟹の親子の大切にしている柿の木から柿を盗み、抗議する蟹に青い実を投げつけて殺してしまったため、蟹の子どもに頼まれてやってきた助っ人3人…うすとハチと栗にさんざんな目にあわされる、というあの物...
京都の名刹にかわいくて小生意気でイタズラ好きの小僧さんあり。師はこれまた禅味溢れる素敵な和尚さん。買出し列車やDDT、TV時代以前のラジオドラマと、発表当時の時代色も期せずして盛り込まれた四コママンガ。...
クラス委員長保勢(ほせ)は秀才の好男子で女子たちの憧れ。軽目(かるめ)は他の中学を追われ転校して来た女番長で、男子を子分に従えている。軽目は保勢に反発するが、二人とも家ではもうひとつの顔を持っていた…。...
革命前夜の帝政ロシアの町、ペテルブルグに住む貧しい少年ラスコルニコフは、高利貸しのおばあさんを殺して金品を奪ってしまいます。事件を捜査するポルフィーリイ判事は、すぐにラスコルニコフを疑いました。ラスコルニコフは、「人は天才と普通の人に分けられ、天才はたとえ人を殺しても、罪にならず、世の中を建て直すためなら良い」とい...
東京へ向かう船へ密航していたふしぎな少女・ジュジュ。南と北とに分かれた国からきた、という少女は、アメリカ軍の機密文書を盗んだことから指名手配され、たまたまそのとき港にいたカメラマン・四谷を巻き込んで、奇妙な潜伏生活を始めますが…。ラストのどんでん返しが鮮烈なSF短編。...
1952/01 「こどもブック」(集英社) 掲載海辺で釣りするキツネのデーコちんとタヌキのポコちんは、大きな箱を釣り上げた。中にいたのはウサギの王女様。謀反人に捕まり捨てられたのだ。謀反人トラの大臣ダンゴウは剣の名人。それでもコンビは戦いを挑む!...
時代はおよそ1500年前、ローマ人最高とうたわれた剣士・アキレタスは、遣唐使のお供として中国の唐に来ていた日本人・タケルの強さを噂に聞き、一度あって腕を確かめたい、とシルク・ロードで東を目指します。一方、隊商の護衛を任されたタケルは一路西へと苦難の道を行きます。東西二人の勇士が何千里もの距離を越えて出会い、競い合う...
21世紀の未来を舞台に、10万馬力のロボット少年・アトムが活躍するSFヒーローマンガです。2003年4月7日、科学省長官・天馬博士は、交通事故で死んだひとり息子・飛雄(とびお)にそっくりのロボットを、科学省の総力を結集して作りあげました。天馬博士はそのロボットを息子のように愛しましたが、やがて成長しないことに腹を立...
太鼓の達人の青年とヒノキの精の民話調ラブストーリーです。手塚治虫は「音楽」を題材にした作品を数多く残していますが、今回おすすめする「てんてけマーチ」も、そんな「音楽もの」の一つです。三兵は、和太鼓の名手だった祖父から、後を継いで太鼓打ちになるよう命じられます。お国のために兵隊になろうと思っていた三兵は、最初は逃げて...
悪人一家・ドースン家の三兄弟は、父の遺言の宝を争って探しまわります。父の所有する荒地のどこかに、それは埋まっているらしいのですが…。西部劇短編です。『ドースン一家の記録』は、本格的な少年向け西部劇であり、同時にストーリーの中にさまざまな教訓を含んだ寓話的な作品でもあります。先祖代々悪人という、悪名高きドースン一家の...
1970/09 「COM」(虫プロ商事) 掲載手塚治虫をはじめ、何人もの有名漫画家が住んだアパート、トキワ荘を描いた作品です。少々マンガに詳しい方はもちろん、あまり興味がないという人でも、「トキワ荘」の名前ぐらいは聞いたことがあるのではないでしょうか。手塚治虫をはじめ、若き日の藤子不二雄、石ノ森章太郎、赤塚不二夫、...
廃品寸前だった安物飛行機るんちゃんは、優しい子どものかずちゃんに手入れされリフレッシュ。そのピンチを逃れ、かずちゃんの家のイヌ小屋を改造したおうちに住む。そしてかずちゃんを乗せて南極までも飛んで行く。...
1953/01/10 「おもしろブック 臨時増刊 新年漫画読物号」(集英社) 掲載
とある西洋の国の城が、今にも敵に攻め落とされそうだった。領主の王子は、宝の箱を家来の一人に守らせたが、家来と共に討ち死にする。家来の男は幽霊となって死後も宝の箱の番を続けているうちに、何年もの時が流れ、城は再び戦乱に巻き込まれる。...
体の48箇所を魔物に奪われた百鬼丸が、魔物退治の旅を続ける怪奇マンガです。戦国武将に仕える醍醐景光は、天下を取るという野望をかなえるために、生まれて来るわが子の体を、48匹の魔物に与えてしまいました。そうして生まれた子供は、体の48ヵ所の部分が足りず、川に流され捨てられてしまいました。時は流れ、戦(いくさ)の世を旅...
中学校の教師・どろんこ先生はB中の名物教師です。気さくで気性はまっすぐ、でも勉強は苦手でかつてはけんかの達人だったという型破りな先生が引き起こす学園ドラマを、短編のオムニバスで描く読みきり連作。...
1959/01-06 「少年クラブ」(講談社) 連載トビの巣中学校の新入生木下藤吉郎は、同級生で剣の得意な織田信長、柔道の強い少女淀君と友情を結んだ。出版の道を志した藤吉郎は、零細な松下書房で働き、才覚を発揮する。『太閤記』のパロディで描く少年立志編。...
現代の日本へやってきた吸血鬼ドラキュラが巻き起こす騒動を描いたドタバタコメディです。東京都練馬区の住宅街の一角にある古い洋館に、ドラキュラ伯爵がトランシルヴァニアから移り住んできました。愛らしい中学生の娘のチョコラと、顔つきは怖いけれど心優しい使用人のイゴールも一緒です。ドラキュラ伯爵は、美しき処女の血を求めて夜な...
1954/06 「漫画少年」(学童社) 掲載戦争で討ち取った男に頼まれ、その家族に男の戦死を伝えに言った侍は、つい情けから男の家族と仲良くなり…。戦争のむなしさを描いた時代劇短編です。この作品は『漫画少年』の1954年6月号に掲載されました。 吉川英治や林不忘などの描く時代劇小説のような物語を、手塚治虫らしいシンプ...
代役専門の天才役者にして泥棒という異色のキャラクターを主人公にした犯罪活劇です。七色いんこは、代役専門の天才役者で実は泥棒です。観客から盗みを働くのを劇場と劇団が見逃すことを条件に、どんな代役でも引き受けて見事に演じのけるのです。そんな彼に恋心を抱きつつも、彼を捕えようとしつこく追い回すのが、女刑事の千里万里子でし...
ある日、朝起きたら、自分の部屋以外の空間が跡形もなく消えていた! 想像を絶する異常事態に巻き込まれた少年は…。恐怖SF短編です。ある朝目覚めると三郎少年は自室ごと何もない虚空に浮かんでいた。その世界にも翌日は大地と星が、翌々日は海が現れる。…そして七日目、三郎は自分のいた世界がすでに消去され、今は万物が再創造中であ...
水爆戦争後の未来を舞台に、地球侵略を企む宇宙人と戦う7人の戦士たちの物語です。大島一郎博士は、水爆戦争が起こることを知って、富士の樹海の地下に、自分の発明品を隠し、息子・七郎を冷凍睡眠させました。それから100年後、目覚めた七郎が見たのは、ジャングルになった地上と、そこに生息するミュータントの怪物だったのです。七郎...
2つのギャング組織が縄張りあらそいを繰り広げる、X年後の都会。殺し屋に命を狙われているギャングの親分デッド・デキシイは、ある博士に自分の替え玉ロボットを作らせます。息子を拷問にかけられ、仕方なくデキシイに従ったかのように見えたこの博士ですが、実は息子共々ある秘密を持っていたのです…巧妙な伏線と、少しゾッとするオチが...
主人公の少年、北村市郎ことイッチは、ある夜、奇妙な大勢の人影を目撃する。「こんな時間にデモ行進かな?」不思議に思ったイッチが近づいてみると、なんとその人影には実体がない! ユーレイだ!無我夢中で逃げる途中で知り合った本田記者に、イッチは目撃体験を語ります。「そういった話は記事にはならないよ」という本田記者はしかし、...
1961/4/1 「別冊少年サンデー 春季号」(小学館) 掲載
「人間のせんぞは人間である」「いや、サルである」…ある科学サロンで激論が交わされています。「人間である」と言う老博士に抵抗しようと、「サルである」と主張する若手のアダム博士は、タイムマシンで前世紀に行って、確かに人間のせんぞがサルであることを証明する...
小学生も、役人も、歌手も、毎日同じ生活を繰り返すすべてがマンネリの町。その住民数人を呼び出したロケットのパイロットは、意外な事実を告げる。そこが地球上ではなく、異星に作られた「人間牧場」であると言う。...
庄助沼の「ぬし」は生き残りの恐竜だった!?「ぬし」と浪人侍の心の交流を描いた時代劇SF短編です。「ぬし」は江戸時代のはじめを舞台にした、ちょっと変わった動物ものです。関が原の戦いから十年、天下をとった徳川家康がいよいよ大坂城をねらい、諸大名もぴりぴり、落ち着かない日々を過ごしていた時勢、慌しく駆けていく早馬を尻目に...
5億年前の月を舞台に、地球侵略を企む宇宙人と超能力者との戦いを描いたSF活劇です。1968年の夏、世界中で青い月が観測されました。そんなある日、中条タクは、突然父の仕事の関係で親子ともども、北緯1度13分東経102度5分の地点に行くことになりました。そこにはタクたち親子のほかにも、フランス人のルイ・ブードルとイギリ...
勉強もケンカもすべてダメなバカ一こと一太郎少年は、美少女トモコに何かに打ち込むよう励まされ、催眠術の修練を始めた。学校や町の人間を操リ始めたバカ一だが、彼をも術で操ろうとする、より強力な存在があった。...
『走れ!クロノス』は、SFでありながら、少年と馬の心の交流をかいた「おとぎ話」のようでもあります。地球に不時着した宇宙人がミスで引き起こした火山の噴火により、父以外の家族を失い、自分自身も足が不自由になった少年・至(いたる)。罪の意識を感じた宇宙人の一人は、至の子馬に知能強化剤を食べさせます。「クロノス」と名づけら...
航行中の気象観測船に、突然発光する奇妙な化け物が襲いかかった! その海域はかつて、バチス号という原子力潜水艦が沈没した場所。この事件は、バチス号となにか関係が…? サスペンスタッチのSFドラマです。...
スランプに悩む野球選手のもとに、科学者が現れて、ある薬を託した。スランプを脱することができるというその薬とは? SFタッチのミステリー短編です。かつてのヤクルトアトムズ(現スワローズ)や、現在でもおなじみの西武ライオンズに、マスコットとしてキャラクターが採用され、野球界との結び付きも意外と深い手塚治虫ですが、いわゆ...
八丁池にすむ狐のゴロ。実は人間にも同じゴロという少年がおり、二人はひょんなことから親友になった。ところが、八丁池を切り開こう、というオトナが現れて…『八丁池のゴロ』は、「ゴロ」という同じ名前を持った、キツネと少年の交流を描いた心温まる作品です。手塚作品には『ジャングル大帝』をはじめ、『フライングベン』『勇者ダン』『...
昨今は民話もあまり聞かれなくなり、子どもたちのファンタジックなものへの欲求不満は、ひたすらアニメや漫画、あるいはゲームなどによって解消されているようですが、アニメやゲームも、人間が作ったものであるかぎり、民話や神話、言い伝えなどからアイディアを得ているものが案外多いようで、民話の影響力を切に感じるのですが、この『ハ...
なにをやってもぱっとしない少年のもとに、あるひ不思議な男の子が訪れて…田舎の中学校を舞台にした民話風短編です。東北の田舎町に住む優柔不断な少年工一(くいち)は、山道の石地蔵に親切にして感謝され、不思議な鼻たれ小僧「浄土」を遣わされる。工一の願いを何でも叶える、浄土の不思議な力は学校や町に途方もない異変を起こす。...
北国で前科もちの荒くれたちが漁師として働く「海坊主小屋」に、新入りピス健が現れた。小屋近くで花を育てる彼を、ケンカで人を殺す凶暴な留は「娘(あま)っ子」と呼んで嘲笑する。だがピス健は凄まじい猛者だった。...
この物語はインドの古い詩『ラーマーヤナ』という物語からアレンジされています。猿の神・ハヌマンとラーマが、悪魔に攫われた王女を助ける、という典型的な神話物語をマンガにしています。「ラーマーヤナ」といえば、「マハーバーラタ」とともにインドの古典叙事詩として、とても有名ですので、歴史の授業などで名前を聞いた事がある方も多...
それを抱えた定男少年は空を飛び、自在に遊泳も出来た。それは彼の兄が宇宙空間で拾い持ち帰った羽状の物体。この騒動は、大コンツェルン総帥の「コマイヌさん」による圧制的支配から人々を解放するきっかけとなった。...
「弁慶」は、月間の少年マンガ雑誌界で別冊フロクのブームがおこった時代に、その中の1冊として描き下ろされた、平安時代末期の歴史物です。手塚治虫は弁慶にまつわるストーリーについて「架空の話をでっちあげるほかにないのです」「むちゃくちゃに遊んでやりました」といっていますが、比叡山の延暦寺を追い出された弁慶が、通行人から1...
1979/01/01 「毎日小学生新聞」 掲載秘密結社ネコバーバの首領が、パンサーの正気を奪い、時限装置で細菌を撒布するカプセルをくくりつけた。本来賢いパンサーの心を取り戻そうとするのは世話をした少年ジロー。彼はハーモニカでパンサーが好きな曲を吹く。...
オオカミに変身する少年・トッペイを主人公にした異色の怪奇作品です。ある日、トッペイと名のる少年が、アニメーション製作会社・虫プロにあらわれ、手塚治虫社長に頼みこんで入社することになりました。トッペイは、実はオオカミに変身するバンパイヤの一族で、行方不明の父を探すために上京してきたのでした。けれども、その秘密を悪人・...
悪魔の申し子・ロックが、奇獣ウェコを利用して、再び悪魔の計画を遂行するという怪奇犯罪ドラマです。死んだと思っていた悪魔の少年・間久部緑郎、通称ロックは、実は生きていました。そのロックが、台湾の奥地でウェコという動物を手に入れ、日本へ舞い戻ってきたのです。ウェコとは、動物の血を吸って生きるネコのような姿の動物で、自分...
町から町へ、愛馬ストームに乗って悪を倒す光は、二挺拳銃の快男児。浮浪児ペン公は、父を投獄した彼に復讐を企てるが、つけ狙って旅するうちに、やがて二人は固い絆で結ばれ名コンビとなる。痛快無国籍アクション!...
時は幕末。ロメリア国の黒船ドラゴン号の来航は、攘夷派の火に油を注ぐ結果となった。そのさなか、商家に働きながらあるじの妨害にめげず学び続ける学問好きの発明少年栗助は、ドラゴン号でかの国に渡ろうとするが…。...
ナチス・ドイツの秘密兵器「ビッグX」によって鋼鉄の体を持った少年が、悪と戦う巨大ヒーロー・アクションです。第2次世界大戦中、ドイツに呼ばれた朝雲博士は、ヒトラーから新兵器ビッグXの研究に協力を求められました。しかし、ビッグXの完成を恐れた朝雲博士は、共同研究者のエンゲル博士と共に、わざと研究を遅らせます。そしてドイ...
昭和十八年、××島の人食岬では強力な戦車「シバの女王」が敵の要塞を守備。日本軍はこれを攻めあぐねていた。非情な部隊長は、人望のある五ツ木少尉に弱卒ばかりを預けて指揮させ、おとりの捨て駒にしようと企む。...
クラスメイトの梅ン田は、どこか変なやつだ。いつもボーっとしていて、そのくせやけに大食らい。ある日、ひょんなことから梅ン田の秘密を知ってしまった僕は…。SF風味のホラー短編です。「宇宙人を殺したことがある」と言う少年は、中学の同級生梅ン田のことから語り始めた。そいつは放尿中に失神し百メートルを十秒で泳ぐヘンな奴。そう...
独り者の人形師・ゼペットじいさんはある夜、木彫りの男の子の人形を彫り上げます。名前はピノキオ。その日は願い星が高く輝く夜で、ゼペットは星に、「どんな子供でもいいから、子供がほしい」と祈ります。
人が良く、日ごろからいろいろな人を幸せにしてきたゼペットに、星の妖精は願いを聞き入れ、木彫りの人形のピノキオに命を与えま...
ある殺人を追って少年保安官が訪れた町には、悪魔の拳銃「デビル・ジョスレー」の噂がささやかれていた。少年向け西部劇短編です。険しい岩はだもむき出しの谷あいの小川に、誰かが直接顔をつけて水を飲んでいます。ところがこの男、いつまでたっても、顔を上げる気配がありません。そこでぐっとカメラがより、水を飲んでいる男の背中をアッ...
手塚治虫のライフワーク『火の鳥』の第12部で、実質的な最終話となった作品です。西暦663年、白村江(はくすきのえ、現・韓国中世部の川=錦江のこと)の戦いで唐・新羅連合軍に惨敗した倭・百済軍は敗走を重ねていました。百済王一族の兵士・ハリマは、唐軍に捕らえられ、生きながらに顔の皮をはがれ、狼の皮を被せられてしまいました...
手塚治虫のライフワーク『火の鳥』の第11部です。15世紀末の日本。残忍な領主・八儀家正の娘に生まれた左近介は、男として育てられました。ある嵐の夜、左近介は従者の可平とともに、蓬莱寺の八百比丘尼という尼を殺しに出かけます。その理由は、重い病にかかっている父が、どんな病でも癒すと評判の八百比丘尼に治療を頼んだからでした...
手塚治虫のライフワーク『火の鳥』の、「ヤマト編」に続いて雑誌「COM」に発表された第4作目です。西暦2577年、ペテルギウス第3惑星ザルツから地球へ向かって出発した宇宙船が、宇宙塵に衝突して故障してしまいました。そして人工冬眠から目ざめた4人の隊員たちが見たのは、見張り役の牧村隊員のミイラでした。隊員たちは各自、ひ...
手塚治虫のライフワーク『火の鳥』の第10部です。視聴率競争に追われるテレビプロデューサーの青居は、番組の人気回復のために、クローン人間をつくってハンターに殺させるという企画を考えて、アンデス山中のクローン研究所を訪れました。そこで青居は、研究員の猿田とともに、クローン人間の秘密を知るインカの精霊の子孫鳥と出会いまし...
手塚治虫のライフワーク『火の鳥』の、雑誌「COM」に連載された第7作目です。猟師のズクは、海岸の松の木に掛けられた美しい布を見つけ、それを売って金を得ようとします。すると女の声がして、その布は自分のものなので返して欲しいと言いました。ズクが素性をただすと、女はおときと名乗り、遠い空の上の国から旅をしてきたと答えまし...
手塚治虫のライフワーク『火の鳥』の、雑誌「COM」に連載された第6作目です。2483年。交通事故で死んだレオナは、ニールセン博士の再生手術で生き返りました。それは死人を復活させる実験の第1号だったのです。しかしその後遺症が残り、レオナは人間がみにくい無機物に見えるようになってしまいました。そんなある日、レオナは事務...
手塚治虫のライフワーク『火の鳥』の、雑誌「COM」に連載されたシリーズの第5作です。舞台は奈良時代と呼ばれた8世紀の日本。隻眼隻腕の盗賊・我王は、命を助けられた高僧・良弁上人と諸国を巡るうちに、病や死に苦しむ人々の姿に出会い、眠っていた彫刻家としての才能を開花させました。一方、若き日の我王に利き腕を傷つけられた仏師...
手塚治虫のライフワーク『火の鳥』の、掲載誌を「COM」から「マンガ少年」に移して再開した第1弾です。恋人のジョージと少女ロミが無人の惑星エデン17で、ふたりだけの新生活を始めた矢先、ジョージは事故で死んでしまいました。しかし、そのときロミはジョージの子どもをみごもっていました。ロミはその子どもと自分だけで星を守る決...
手塚治虫のライフワーク『火の鳥』の第2部です。西暦3404年、地球は死にかかっており、人類は深い地下に都市国家を建造して、そこに住んでいました。メガロポリス・ヤマトの2級宇宙戦士・山之辺マサトは、宇宙生物ムーピーの変身した娘タマミを隠していたために、当局から追われることになります。マサトとタマミは、メガロポリス・レ...
日本人が歴史を持ちはじめた時代を舞台とした、手塚治虫のライフワーク『火の鳥』の第3部です。4世紀ごろの日本。ヤマトの国の王子オグナは、父の命令で、九州のクマソ征伐に出発しました。しかしオグナには、実はもうひとつ別の目的があったのです。それは、父の死によって殉死のいけにえとなる人々を救うために、不老不死になる火の鳥の...
手塚治虫のライフワーク『火の鳥』の第9部です。平安時代の終わりごろ(12世紀末)マタギの弁太は、さらわれた許嫁のおぶうを追って、京の都に出てきました。弁太は、そこで牛若という少年に出会い、家来になりました。一方、おぶうは時の権力者・平清盛に仕えていました。平清盛は、永遠の命を求めて火の鳥を探していましたが、結局死ん...
1954/07-1955/05 「漫画少年」(学童社) 連載手塚治虫のライフワーク『火の鳥』の、未完となった幻の第1作です。2世紀後半の神話時代の日本。溶岩の火事から火の鳥の卵を救った少年イザ・ナギは、お礼に火の鳥の生き血をもらいます。火の鳥の血を飲んで、3000年の生命をもったイザ・ナギと妹のイザ・ナミは、火の鳥...
人間の生と死をテーマに描かれた、壮大な叙事詩『火の鳥』シリーズのプロローグです。まだ日本という名前がどこにもなかったころ……火の山のふもとの村にナギという少年がいました。ある日、村へ流れついたグズリという医者が、ナギの姉ヒナクと結婚します。しかしグズリは、実はヤマタイ国の女王・ヒミコのスパイだったのです。その夜、猿...
人魚のピピが、海ガメのガボや、機械だけの島の王子で自動車のエンジリンらと共に、さまざまな冒険をするファンタジーです。近い将来、地上が人間であふれかえることを予測したリーマン博士は、人間を人魚に改造する研究をしていました。そしてその実験台に、生まれたばかりの自分の息子を使い、息子を人魚にしてしまったのです。博士は、息...
同時に故郷に戻った少年たち、犬岡ケン太と猿沢良一は、海底トンネル工事会社と運送会社の跡取り息子。二社は利害の対立から敵対しており、そのさなかにケン太の父は殺される。だが少年たちは互いに心を通わせ合う。...
新聞少年が見た「幽霊」が握る秘密とは…?摩天楼が立ち並ぶ大都会を舞台にした、少年向けミステリー短編です。古典的なSF作品を現在読むと、科学技術の発達具合からの違和感を覚える事があります。アトムのような高度なロボットが活躍するような未来的な世界に、当然のように黒電話が出てくる、なんていうのがそれです。もっとも、その違...
山でキャンプをしていた鉄男と昭男の兄弟は、謎の少年・ピロンと出会います。ピロンは実はふたご座・カストル星の王子。大臣のバレスのクーデターにより国を追われて、地球人に姿を変えて、亡命してきていたのでした。ピロンを亡き者にしようと、次々と襲い掛かってくるバレス大臣の刺客「黒星」。鉄男と昭男、それにピロンのお供のロボット...
名前のとおりイキがいい、はつらつっ子が主役のホームコメディ。ツルピカの坊主頭の彼こそ、実はヒョウタンツギよりヒゲオヤジよりキャリアの長い、最古の手塚キャラクター。お兄さん役で手塚治虫自身も出演している。...
1958/06 「五年の学習」(学習研究社) 掲載
『昆虫記』で有名なアンリー・ファーブル先生が、子供たちに楽しくタマコロガシの生態を教えてくれる教育漫画です。
先生でもあり、虫の研究者でもあるファーブル先生、子供たちを牧場に招きます。「わしのみせたいものはこれじゃよ」と言って指し示したのはなんと牛のふん! 汚...
ゲーテの戯曲「ファウスト」を、当時の幻想的なアニメーション風のタッチでマンガ化した作品です。悪魔メフィストは、自分の力に自信を持ち、天使を下界へ落としてしまうなど、乱暴ばかりはたらいていました。そこで神さまは、メフィストに、学者のファウストを地獄へひっぱりこんでみろと命じます。しかし神さまはその一方で、下界に落ちた...
アニメーション映画作りに夢と情熱を傾ける若者の姿を描いた青春マンガです。マンガ映画(アニメーション)を作る夢を持って都会に出てきた夢想家の少年・宮本武蔵は、マンガ映画会社を訪れました。しかしベテランのマンガ映画作家・壇末磨から、「絵の動きが死んでいる」と一喝されてしまいます。そんな中、宮本武蔵は、佐々木小次郎という...
1954/01/15 「少年クラブ」 新年増刊(講談社) 掲載明日廃車の身を嘆く老朽乗用車32年型は、銀行強盗に乗り込まれたが、ドアの不調がケガの功名となり彼らは逮捕される。その時少年探偵長ロックに励まされ、32年型は、ギャングが人質にした子どもらの救出に向かう。...
ふとしたきっかけで時間を止める力を持ってしまった少年の、奇妙な体験の数々を描いたSFサスペンスです。町内のワンパク小僧グループ、アンパカ組に属するサブタンこと大西三郎は、ごく普通の少年でした。サブタンは、アンパカ組の代表にされそうになり、それを断ると、罰として工事中の暗い地下道をひとりで通り抜けることになってしまい...
飛行機から落ちて死んだ少年が、幽霊となって世界中をめぐるファンタジーです。ケン一少年と叔父のヒゲオヤジが世界一周の旅に出かけました。ところが、飛行機に乗り遅れたケン一は、方向舵にしがみついていたため、海へ落ちて死んでしまいます。ところが、天国の帳簿によると、ケン一はここで死ぬ筈ではありませんでした。そこで、すぐに自...
なんでもマイコンで予測ができる空前のマイコンブームの日本。ヨタノスケは仲の良い友達のいぶと、相性が最悪だ、と予測され…。SF風味のラブ・コメディです。「ふたりでリンゲル・ロックを」とは、何ともストーリーの想像しづらいタイトルですが、その内容はSFコメディとでも言うべき、楽しい作品です。マイコンで簡単に未来の予測がで...
1960/8/15 「中学一年コース 臨時増刊 第二8月号」(学習研究社)掲載
戦争中のある国の荒れ果てた教会に、ピアノとバイオリンが打ち捨ててありました。斥候にやって来た日本兵がピアノを見つけ、弾いているとそこに敵兵がやってきます。実は敵兵の青年も音楽学校を目指していたのに、徴兵で行けなくなってしまったバイオ...
1979/01/01-02/04 「週刊少年サンデー」(小学館) 連載『ジャングル大帝』をはじめ、手塚漫画にはしばしば、人間と自由に意思疎通を取れる動物が出てきます。レオのように自由に言葉が話せなくとも、『ブラック・ジャック』のシャチのトリトンや、『鉄腕アトム』ではヒゲオヤジの愛犬、ペロなど、有名作品だけをざっと見...
テレビ局に住みついた妖怪が巻き起こす騒動を描いた、コメディタッチの怪奇マンガです。根沖トロ子は、ドジでノロマなテレビタレントです。番組に出るたびに騒ぎを起こし、番組をメチャメチャにする疫病神(やくびょうがみ)なのです。ところが東西テレビでは、なぜかそんなトロ子の機嫌をとってまで彼女を使おうとするのです。三流雑誌の記...
独自の解釈で描かれた、手塚治虫版ブッダ伝です。シッダルタは、ヒマラヤ山脈のふもとカピラヴァストウで、シャカ族の王・スッドーダナの長男として生まれました。けれども、生後7日目に母マーヤと死にわかれ、叔母のパジャーパティに育てられました。その後、16歳でヤショダラと結婚し、一子ラーフラをもうけますが、人生の根底にひそむ...
架空の世界を舞台にした、少女戦士・エミヤの剣と魔法の物語です。いつの事か、どこの場所なのか、強国グロマン国がククリット国を攻め支配しました。そして、平和を維持するための人質として、互いの第3王子と第3王女を交換したのです。こうしてグロマン人の第3王女・プライム・ローズは、ククリット人の貴族にエミヤという名であずけら...
ローマの地下洞「カタコンベ」の中で、野良犬の子犬たちが飲んだ特殊な薬…これが、目にも見えないスピードで地を駆け、空飛ぶ鳥をも落とすジャンプ力や、ライオンをかみ殺すパワーを持った3匹のスーパー犬を生み出した秘密でした。この3匹のスーパー犬が、シルクロードに隠された財宝の地図を持つ少年・タダシを守って、時には悪の組織と...
無免許の天才外科医ブラック・ジャックが活躍する医学ドラマです。ブラック・ジャックは、天才的な外科手術の技術を持ち、死の危機にさらされた重症の患者を、いつも奇跡的に助けます。しかしその代価として、いつも莫大な代金を請求するのです。そのため、医学界では、その存在すらも否定されています。人里離れた荒野の診療所に、自ら命を...
ある月夜、ジロ少年の家に、両手に二つトランクを下げた謎の老人が上がりこんできます。天候を自在に操る男は「悪魔」と名乗り、ジロにトランクをひとつ託して、消えてしまいます。トランクの中には「ブルンガ」という生き物が入っていて、それは「どんな動物にしたいか」を願って一晩トランクの中に閉じ込めておくと、何でも好きな形の動物...
江戸時代(1603〜1867)末期の日本で、荒れ地の開墾に生涯をささげた武士の一生を描いた、長編時代劇です。江戸時代末期。足伏(あぶせ)藩の領地には、足伏が原と呼ばれる広大な荒れ地がありました。安政三(1856)年夏、家臣の須田紋左(すだもんざ)は、藩主に、この原始境・足伏が原(あぶせがはら)の開墾を申し出ます。し...
原作はシェイクスピア。舞台は現代のベニス。海運業者アントニオは、友人バッサニオのため悪徳商人シャイロックに借金して返済不能となり契約で胸の肉を切られる羽目に。だが法廷では彼の危機をバッサニオの恋人が救う。...
日本の少年剣士が、1枚の宝の地図をめぐって、世界中をかけめぐる冒険マンガです。1876年、江戸幕府の使者・嵐タコの助が、日米通商のための密書をもって、ワシントンへ向かっていました。ところが、乗っていた船がカリブ海で海賊に襲われ、転覆してしまいました。命からがらボートで脱出したタコの助と数人の乗客は、ボートの上で、英...
1960/04-09 「小学四年生」(小学館) 連載シルクハットに長いマントの怪しい男二人組みが、霧ふかい夜、子供を捜してさまよっています。いかにもあやしいこの二人、実は悪人ではなく、見所のある子供をさがして、助手に抜擢しようという科学博士とその助手のゴロ。二人にスカウトされた兄妹、ミノルとマリモは、博士の実験室で...
超能力を持つ石猿の孫悟空が、三蔵法師とともに、魔物を退治しながらインドへの冒険の旅をする、手塚版「西遊記」です。2000年もの昔、中国の奥地にある華果山(かかざん)の山頂の石から、1ぴきの黄金色をしたサルが生まれました。このサルは、かしこく勇敢で、やがて仙人の弟子となって魔法をおぼえました。しかし彼は、天国の王の前...
池の底に住んでいたあぶくの子どもぽっかちは、女性科学技師の手で、絶対に壊れない体に改造され、飛行能力を与えられた。ぽっかちは技師の弟はやと少年を乗せて、南洋の島へ、日本アルプスへ飛び、冒険を繰り広げる。...
1952/01/10 「おもしろブック」 増刊 痛快読物と漫画号(集英社) 掲載西部を行く幌馬車隊に、花を愛する内気なジニーとガムシャラな元気者トニーの二少年がいた。二人のはざまで美少女マーガの心は揺れ、思わせ振りな態度を示す。インデアン襲撃の危機が去った時、彼女が選んだのは…。...
ライオンのレオ、リスのチャップを従える野生児ボンゴは動物たちと大の仲良し。月の沈む山にある秘宝「金の弓」を求める旅に出て七つの難所を乗り越える。だが最後に待ち受けていたのは、その弓を守る月の化身だった。...
誰の心にもひそんでいる憎悪の気持ちを、幻影の馬に託して描いたスリラーマンガです。おとなしい内向的な中学生・男谷哲は、自分が思いを寄せる水島礼子先生に、暴力教師鬼頭が求婚している事を知り、鬼頭を激しく憎みました。するとどこかから巨大な馬が現れ、翌日、鬼頭先生は死んでしまいました。男谷哲には、その馬がボンバだと、すぐに...
小学校入学前のマアチャンを主人公にした、新聞連載の4コマ漫画です。陽気でやんちゃなマアチャンと、友だちのトンチャンがくりひろげる騒動を描いています。マアチャンは、お父さんからアイウエオを習うより、進駐軍の米兵からABCを習いたがるといったテーマの話が何度も出てくるなど、終戦直後という時代を濃厚に反映しています。...
地球の創造主アースによって造られたロケット人間マグマ大使と、地球侵略をたくらむ宇宙人ゴアとの戦いを描いたSF活劇です。新聞記者村上厚の一家が、ある朝目覚めると、家の外は恐竜が歩き回る2億年前の世界になっていました。それは、実はゴアと名乗る宇宙人が、自分の力を示すために彼らを過去へとタイムスリップさせたのでした。ゴア...
突然地球に落ちてきたなぞの隕石を組み立てると、巨大なロボットが出来上がった。理性を持たないロボット・ガロンに東京は大混乱に。ロボットものSFロマンの傑作です。
1952/01 「少年クラブ」新年増刊号(講談社) 掲載八百四十階の摩天楼=アンパイア・スカイビルに次々と異変が。地下に怪盗が出現。某国は強引に買収を迫り、支配人には謎の脅迫文が届く。屋根裏に住む少年、摩天楼小僧はその謎を探るが、黒幕に捕らわれ絶体絶命に!...
山登りを趣味とする青年、間ケンは、遭難者を救出するため、ベテランクライマー佐佐木とともに多羅魔岳の難所「牛の舌」へ向かった。山登りのスリルを体感できるシリアスドラマです。スポーツものはあまり描かなかった手塚治虫の、珍しい山岳スポーツマンガです。とはいえ、純粋に山登りをスポーツとして描くのではなく、主人公に救命という...
科学対魔法の対決を描いた物語です。悪魔大王が100年間の地獄旅行から帰ってみると、人間の世界はすっかり科学文明が進み、悪魔や魔法を信じる人はいなくなっていました。悪魔大王は、人間に魔法の恐ろしさを見せつけるために、ヒゲタ博士に科学と魔法の対決試合を申し込みました。ヒゲタ博士と、甥のケン一、姪のハナ子の3人は、火星人...
1953/10-1954/12 「冒険王」(秋田書店)連載
奴隷解放前のアメリカ南部で、奴隷の子・トムは意地悪な主人のもとを逃げ出して、お尋ね者のレモン・キッドの稼ぎの大金を、ひょんなことから手に入れた。奴隷や貧しい人たちをひそかに救ううちに、いつしか「豆大統領」と呼ばれるようになる。若き日のエイブラハム・リンカー...
漫画大学の校長兼用務員のナンデモカンデモ博士が、豊富な作例をあげながら、マンガの描き方を講義するマンガ入門マンガです。マンガを描くのに必要な道具の紹介に始まって、人間の動作や行動、歩いた後の砂ぼこりの表現の仕方など。さらには、動物画の練習、誇張のしかた、擬人法、吹きだしの描き方から、主人公の作り方、台詞の勉強。果て...
1956/05-1957/03 「中学初級コース」(学習研究社) 連載「漫画生物学」は手塚治虫流の学習漫画で、生命力のふしぎや、生命の起源、本能、適応能力、人体の仕組みなどを、「漫画大学」と同じくナンデモカンデモ博士の講義という形で描いた作品です。この作品の面白いところは、自然界のしくみを説明するために、講義中に独...
3本の中編マンガと23本の4コママンガを作例として紹介しながら、楽しみながらマンガの描きかたがわかる作品です。漫画大学の入試風景に始まって、校長による用具の説明等があり、その使い方から最初の物語に入ります。最初のお話は、『拳銃天使』にも登場したモンスターが悪役を演じる、南北戦争時代のアメリカが舞台の西部劇。次は、貧...
ナンデモカンデモ博士による天文学講義。ビッグバンが、星の一生が、太陽系の惑星たちの特色が、天の川の巨星が、白色矮星が、マジメでいて面白おかしい擬人化と手塚スター多数出演によるドラマ仕立てで解説される。...
人類絶滅をたくらむ昆虫軍団と、それを阻止すべく立ち上がった3人の昆虫人間の戦いを描いた、SFパニック活劇です。昆虫から進化した高等生物ギドロンは、アメリカのアリゾナ砂漠の地下深くに巨大帝国を築き、公害をまき散らす人類から、地球を奪い取るべく侵略計画を進めていました。そのギドロンに奴隷として使われていたミクロイドのヤ...
学校で居残りをしていたロッペイの前に、現れた少年デルタ。二人は歴史のテストの回答を確かめるため、タイムマシンで過去に向かう…。パラレルワールドを描いたSF短編です。
深夜の街を走るタクシードライバーが出会う奇妙な客たちの姿を描いたサスペンスドラマです。「夜はいろいろな顔を持っている。その顔をひとつひとつのぞいていく男がいる。その名をミッドナイト」そんなプロローグの言葉で始まるこの物語は、主人公・ミッドナイトの出会う奇妙な客たちの姿を、毎回、1話完結形式で読ませてくれます。ミッド...
三つ目族の子孫で不思議な力を持つ少年・写楽保介が、古代史にまつわる難事件に立ち向かう、ミステリータッチのSFです。中学2年生の写楽保介は、いつも額に大きなバンソウコウを貼っている、まるで幼い子どものように純真な少年です。ところが、ひとたびバンソウコウがはがれると、その下から第三の目があらわれて、たちまち、恐ろしい超...
幼いころからの無二の親友だった、須波光二と大郷錠は、ともに銀河総合アカデミーの試験を控える学生でした。一見、とても仲のよい二人でしたが、大郷はひそかに須波の頭脳に嫉妬していました。そしてまた、恋人・由利アンヌの心が、須波に向いていることにも苛立ちをおぼえるのでした。そんなところに、大郷をそそのかす謎の男が現れます。...
1958/01 「冒険王」新年増刊号(秋田書店) 掲載宇宙探検から帰還した三人は、未来の光景が見えるようになっていた。その能力を用いて、ひとりは予言者となったが、陰謀団のボスとなったもうひとりに殺される。残るひとりロック少年は、警察に協力し、ボスと対決する。...
1953/02 「冒険王」 付録 傑作漫画ブック(秋田書店) 掲載千吉少年は母親に弁当を作って貰えない。母は流行の宗教「新田の神さま」に入信、神殿となった民家で儀式の踊りに没頭中だからだ。その家が白蟻のため倒壊寸前と知った千吉の担任の教師は、教祖に危険を警告したが…。...
太陽黒点の影響で地球上にまきおこる騒動を描いた近未来SFです。19XX年、太陽に異常な大黒点が発生しました。そのころ、秘密結社レッド党は人造細胞を研究中のロートン博士に、人造人間を造らせました。博士は、レッド党が人造人間を悪だくみに利用しようとしていることを知り、ひそかに、そのミッチイと名づけた人造人間をつれて逃げ...
「幸福の鳥」を逃がしてしまった真珠姫は、魔女の弟と結婚をしなくては、国を不幸にする、と脅されます。その「幸福の鳥」は森に逃げ、狩人にしとめられてしまいます。その肉を食べてしまった二人の兄弟は、森に捨てられ、山賊に拾われます。山賊は彼らを自分の息子同然に育て、やがて二人は立派な若者に。「山賊で終わらせるのは惜しい」と...
少年時代の手塚少年は、蛇神社の神様、と名乗る青年と出会った。作者自らの少年時代をモデルにした、ファンタジックな民話風短編作品です。この「モンモン山が泣いてるよ」は、手塚治虫の故郷への想いが色濃く出ている、非常にノスタルジックな短編作品です。昭和11年の秋。小学4年生のシゲル(手塚治虫がモデル)は、チビで弱虫のため学...
暴れん坊の少年・ヤケッパチと、ヤケッパチの体から飛び出したエクトプラズムの少女マリアが巻き起こす騒動を描いた、奇想天外な性教育学園マンガです。暴れん坊の少年・ヤケッパチこと焼野矢八(やけのやはち)が、可愛い女の子を出産してしまいました。女の子の名前はマリアといって性格はヤケッパチそっくりです。それもそのはずで、実は...
転校生は半分人間・半分馬 やじうま族のやじのうまたろうくん。珍しい出来事があると、ついやじうましに行ってしまう小学生。お父さんもお母さんもやじうま族で、珍しいことに目がない。うまたろうにはやじうま癖の他にも、嘘を言うと本当のことになるというやっかいな能力があり、この能力が大騒動を巻き起こす!...
知的障害者の少年ヤジローの兄タロは、動物の知能を向上させる研究をしていた。彼の実験用ネズミをヤジローは逃してヤジと名付けた。自由を得たヤジの知能は凄まじく発達する。化学の本を読んで爆薬を作るほどに…。...
手塚治虫の動物マンガには、『ジャングル大帝』のようなファンタジックなものから『動物つれづれ草』のようにリアルなものまでさまざま、取り揃えられているのですが、この『山太郎かえる』は、ちょうどファンタジーとリアルの真ん中ぐらいに落ち着く、小説でいったら『ごんぎつね』や椋鳩十の短編などを彷彿とさせる作品です。事故と山狩り...
作品の上半分は宮沢賢治作『やまなし』のマンガ化(舞台劇風)。下半分は、戦時下に農村で同作品を上演する演出家後藤と息子たちの物語。敵機の機銃掃射で上演は延期され、時局に適せずとの当局通達により禁止となる。...
「山の彼方の空紅く」は、冒頭からいきなり民家に爆弾が飛び込んでくる場面が登場するショッキングな作品です。たった一つの家族が自衛隊を相手に、これまで大切に守ってきた山を守り抜こうと、小さな家に立てこもっています。山のふもとに作られた軍事基地のため、彼らは国に立ち退きを命じられているのでした。その日の朝は、ついに自衛隊...
アイヌの少年とトラを主人公とした異色の冒険物語です。アイヌの子のコタンは、動物園行きの列車から逃げ出したトラのダンと仲良くなり、地下にある巨大な遺跡を発見しました。コタンは、そこで謎の老人ウポポと出会い、ウポポから、宝のありかをしめす3つの鍵の話を聞かされます。しかしウポポは、悪人・黄赤黒に撃たれ、3つのうちの1つ...
当時はまだ秘境だったインドネシアの奥地に、人類とは別の尻尾のある人類がいた、という設定で描かれた、犯罪ドラマ仕立てのSFです。フランク・アラン園長が経営するニューヨークの動物園に、動物の言葉を話せるピギイという少年が働いていました。そのピギイは、園長がジャワの奴隷市で買ってきた少年でした。ピギイは、ジャワから来た尾...
普通の高校生が、未熟な精神のまま突然おそろしい超能力を身につけたとしたら——『ユフラテの樹』は、そんな学園SFの佳作です。生物研究会のレポートを作りに恵法場島へやってきた、大矢、鎌、シイ子の高校生3人組は、島に生えていたユフラテの樹の果実を食べ、超能力を身につける事になります。大矢は知能が高くなり、鎌は念力、シイ子...
手塚漫画の魅力というと、かわいい絵にそぐわない深いテーマとか、どんなにカッコいいヒーローも秘めた悩みを持っているリアリティとか、人によってさまざまに挙げられると思いますが、その共通項の一つに、作品の持つ多重性が挙げられると思います。この『夜明け城』には、そんな手塚漫画の魅力が、ある究極の形として凝縮されています。ア...
四谷怪談を元にしながら、それをほのぼのとしたラブ・ストーリーに描き変えた快作短編です。最近はあんまり聞きませんが、昔は四谷怪談というと、映画化しようとするとたたりが起きるだの、みだりに扱うと良くないことがあるだのといろいろな噂があったものです。だから、映画やテレビ、舞台などで四谷怪談を扱うときは皆、お岩さんの怒りを...
1985/07/31 「週刊少年マガジン」(講談社) 掲載「夜よさよなら」は、少年とサボテンとの心の交流を描いた佳作です。「夜」とは、メキシコ語で「ノーチェス(夜)」と呼ばれたサボテンにちなみます。メキシコに住むいわゆる日系2世の少年、タブロは、馬で散歩中、崖から落ちて足を折ってしまいます。あたりは荒野で、人っ子ひ...
○○国は世界の反対を押し切り日本アルプスで新型爆弾42・GAMIの実験を強行、全世界が予想外の放射能に包まれ文明は破滅状態となった。五年後、その惨禍を逃れた金星の日本基地から草津隊長一行が地球へ戻った。...
白昼の町中で紳士が「殺される」と叫び急死した。凶器は一種の放射線で、同様の殺人は続いて発生。この怪事件は、何十年も歳を取らず、火星で生命の秘密を解明したと言う、ドリアン・グレイ博士の研究と関係があった。...
地球の玄関宇宙空港には日々ロケットがひしめきあい、さまざまな形態と生態の宇宙人が往来していた。空港長鳴門の息子の宇宙警察官はギャングの宇宙トカゲを追跡中、反撃され殉職。彼の弟うしおはその仇討ちを誓う。...
シカゴで親友由志と店を経営する伴俊作は、ギャングのロビンソンに由志を殺され日本に戻る。二十年後、探偵となった彼は由志の息子三吾と対決。三吾はパリ暗黒街の大物で、彼もロビンソンも怪生物緑の猫が操っていた。...
山村の少年大垣龍太は、地震災害で父を亡くし号泣した。成長した彼は、父の「敵討ち」のため大学の地震研究者となって東京から帰郷。地震の頻発に悩む村で、それを百発百中で予知する老婆お千に的中の秘密を尋ねる。...
南極のレッドベア国領からブルジョイ国領への亡命者が絶えなかった。国境守備隊長ロゴスは彼らを非情にも射殺するが、実はその国境を動かす自然の猛威が人々の命を脅かしており、地質研究者大垣龍太は危険を警告した。...
昭和二十年、目に移植された人造角膜の力で人の心の真偽を見抜けるようになった幼いアー坊は、その能力を特高警察に利用され「複眼魔人」と呼ばれた。十年後、自らの力を呪い人間を憎む複眼魔人は人々を恐怖に陥れる。...
ロケット「白骨」の船長は、政府がくじ引きで指名した子どもを月の裏側へ運んでは捨てていた。 目的は人口の調節。泣き叫ぶ母から子を奪い去る彼は、人々から恨まれていた。そんな彼の愛息ジミーに、死のくじが当たる。...
西部の町に、元南軍兵士のダッドレイが帰郷した。隠してはいるが、今や彼は、おたずね者の強盗ダッド・ザ・シャイロだった。正体を知った父フライデイは保安官として彼を捕らえ、弟ジミーは泣きながら兄をなじった。...
1971/03/22 「週刊少年ジャンプ」(集英社) 掲載四級調査官ユーケイは宇宙最高の殺し屋。地球から遠い荒涼の星を訪れ「魔女の館」にひとり住む老婆に銃を向けた。だが彼女との対決は、ユーケイの意外な過去をあぶり出す…。食人鬼女伝説『安達が原』SFバージョン。...
1971/04/26 「週刊少年ジャンプ」(集英社) 掲載稲垣伸二少年の故郷は「白縫」の出る沖中。帰省した彼は、土地の顔役となった兄が、海を汚す埋め立て、空港開発を進めていることを憤る。不思議な童女の出現が兄をひどく苛立たせて、二人は決定的な対立へと向かう。...
ブタのノンコをペットに飼う少年平田吾助は、巴御前博士の手術で体内に原爆を埋め込まれた。スイッチのデベソを押せば大爆発する彼に日本国総理は身柄保護を申し出、アメリカ、ソ連、中国のスパイは彼を争って奪い合う。...
1971/06/21 「週刊少年ジャンプ」(集英社) 掲載幼い頃から兄浩一に劣等感を抱くヒトシは、不思議な力を秘めていた。兄弟が中学生となったのち、ガールフレンドみゆきをめぐる確執から、ヒトシは感情と能力を爆発させる。そして教室は三人だけの地獄の密室と化した。...
戦国時代、切腹寸前の身を悪魔の娘スダマに魂を売ることで救われた武士一塁半里は、その契約により美男子不破臼人に変身。みちのくの地で富と権力を手中に収めるが…。ゲーテの古典『ファウスト』の二度目のマンガ化。...
1971/11/22 「週刊少年ジャンプ」(集英社) 掲載ムサは千二百歳のクスノキのてっぺんで生まれた。生後すぐ父に捨てられたが、下の枝に引っかかり、クスノキの声に励まされてひとり生き延び成長。母兄弟との再会を経て、猟師の息子久(きゅう)と苛酷な闘いを展開する。...
1971/12/27 「週刊少年ジャンプ」(集英社) 掲載舞台は古代ヨーロッパ。リディアの猛将ニキアスは、物資徴発に寄ったゴール人の村から美女ヘラを連行。その侵略の余波で村は焼き払われた。ヘラの弟サランは守護神オーディンに復讐を祈る。すると恐ろしいことが…。...
未来のニューヨークのルンペン二人組スズキ・カツドンとダスティン・ホフマンは宇宙を漂流する羽目となり生き別れに。カツドンはトカゲ型宇宙人に拾われそのすすめで猛特訓を受け宇宙英雄=ムーンウルフとなるが…。...
1972/02/14 「週刊少年ジャンプ」(集英社) 掲載父のいない井上義人少年の母は、股旅物『むら雲長五郎』を演ずる大衆劇団の座長市村洋子。旅回りのため東京の義人と離れて暮らしていたが、自分の芝居の影響と寂しさから不良化する義人を案じ、劇団の解散を決意する。...
1972/03/20-1972/06/19 「週刊少年ジャンプ」(集英社) 掲載連載時は各話にタイトルがつけられた4回連続のシリーズだった。1972/03/20「マンションOBA」1972/04/17「春らんまんの花の色」1972/05/15「耳鴉」1972/06/19「でんでこでん」新開地住宅建設のためムサシ野を...
1972/07/17 「週刊少年ジャンプ」(集英社) 掲載汎地球防衛警察同盟の決死隊員、潮と味島は、二百人の宇宙人を倒した後、車両の爆発のため、砂漠を徒歩で帰還する羽目となる。五人の宇宙人を捕虜に連れて。その長く苦しい行程で、宇宙人たちは意外な能力と「心」を示す。...
アラブ連邦の巨大ダム建設工事に妨害者が出没、関係者の命を奪う。それは人語を話す牝ヒョウのミューズ。現場で発見されたアゾスス王の神殿を守る魔獣だ。日本人少年永野正の愛犬ドンは、この大敵と死闘を展開する。...
1973/01/22 「週刊少年ジャンプ」(集英社) 掲載火星開拓士たちは機械のボディへ脳髄を移植しサイボーグ化されていた。肉体は電子頭脳を入れて保存。だが開拓士大和路明は自らの肉体に脱走され、彼を追って地球へ。急激な環境の変化は肉体を一週間で損壊するのだ。...
1973/02/19 「週刊少年ジャンプ」(集英社) 掲載江戸から私塾奇動館へ教師として赴任した中浜好太郎は、おかしな採用試験に落第、生徒となる。そこは不良、なまけ者と呼ばれた子どもたちが、好き勝手にエレキテルやからくり人形を研究する、世にも奇妙な学校だった。...
1959/09/15 「X」 第3号(鈴木出版) 掲載事実は『記憶』より奇なり!?落盤事故によって父親を亡くした少年が、父親を助けたという男を問い詰める。男の話はやけにリアリティにかけていて…。実験的な手法を用いたサスペンス短編です。...
「らびちゃん」は、手塚治虫お得意の動物ファンタジーものです。幼年向けということで、一回のエピソードが見開き2ページという短さながら、手塚治虫の色彩感覚がフルカラーで味わえる、贅沢な連載でした(残念ながらTezukaOsamu@Bookではモノクロでの配信です)。余談ながら、手塚治虫の妹・美奈子さんと夫人の悦子さんは...
謎の中学生・天草鉄太郎が、国際的な陰謀に立ち向かう冒険活劇です。映画「流星王子」でエキストラをつとめる、中学生・天草鉄太郎には謎がありました。「流星王子」に主演する落ち目のスター・桂(かつら)龍太郎は、そんな鉄太郎に興味を抱きます。一方、鉄太郎は、暴力中学に通う典雄少年と友だちになり、不良番長を更生させるなどするう...
「流線型事件」は、ウサギのホップがオーナーの「ホップ社」とオオカミのウルフゾオンが社長の「ウルフゾオン社」という、2つの自動車会社の競争を描いた作品です。前半は、ホップ社が1000台の大量注文を受注した事を発端とした、会社同士の争いがメイン。とはいえ、粗製濫造で評判の悪いウルフゾオン社は、卑怯な手を使ってホップ社の...
ドイツの作曲家・ルードゥイヒ・ヴァン・ベートーヴェンの半生を描いた伝記マンガです。ドイツのボンで生まれたベートーヴェンは、音楽家の父ヨハンの期待と教育を受けて早くから楽才を発揮し、6歳のときの演奏は新聞記事になるほどでした。しかし、そんな彼を見たクロイツシュタイン公爵の息子・フランツは、ベートーヴェンの耳を棒でなぐ...
孤独な高校生の少年が、ポスターの中の少女に恋をして、悩み、傷つきながら成長して描いた青春ドラマです手塚治虫が「自信作」と太鼓判を押すだけあって、この「るんは風の中」は短編でありながら、様々な魅力が備わった、不思議な作品になっています。主人公・豊田明が通学路のガード下で見つけた美少女・るんは、ポスターでした。明はるん...
お尋ね者のジャックと、ロボットの一家の心の交流を描いたSF短編です。宇宙へ逃走したおたずね者光線銃ジャックが帰って来た。だがその間に地表は放射能に汚染されて荒廃、大都市東京は地下へ潜っていた。ジャックは地上で放射能測定係のロボットの家族にかくまわれ、その優しさにふれる。...
「ジャングル大帝」のレオを主人公に、ケン一、コンガ、ココやトミーなどのキャラクターはそのままに、子供向けにリライトされたもうひとつのレオの物語です。一話ずつの読みきりで、作品の内容もほのぼのした、子供むけの優しい内容となっています。...
1953/05 「冒険王」付録(秋田書店) 掲載お尋ね者メロン・キッドが年の暮れ押し迫ったドッジ・シティに現れた。積年の仇、ジャック・ベッドを追ってきたのだ。ドッジ・シティは一触即発の雰囲気に包まれる。町のシェリフ、レモンはなにやらメロン・キッドと因縁のある様子。「何も言わずに日没までに町を出てくれ」というレモンを...
太古の昔、地球からちぎれて独立したママンゴ星には、少しの電圧で大きなエネルギーを出す石がある! 石を偶然に発見した敷島鵬翼博士は、動物たちに理性を与える研究を秘密に進める傍ら、ママンゴ星がもっとも地球に接近する4月4日、ママンゴ星に上陸する計画を立てていた。一方ホールス、アフィル、カタメらの陰謀団は、この石を付け狙...
太古の地球そのままの星・ママンゴ星へと旅立った少年博士の健一たちがくりひろげる冒険物語です。太古の地球からちぎれ、宇宙の彼方へと飛び去ったママンゴ星が、500万年ぶりに地球に大接近してきました。ある夜、私立探偵の伴俊作ことヒゲオヤジは殺人事件に出くわし、事件のカギをにぎる少年博士の敷島健一と出会います。敷島博士は、...
地球に急接近したディモン星で、ロック少年がくりひろげる冒険を描いたSF活劇です。19XX年、ディモン博士は、太陽をはさんで地球と同じ軌道を回っていた惑星ディモンを発見しました。ディモンの公転はだんだん遅くなって地球に近づき、地球に大暴風雨を起こしたあと、地球の第2の衛星となりました。ディモン博士の息子のロックは、探...
「何でも願いをかなえてあげる」——一度でいいからそんな気前のいいことを言ってくれる魔法使いか神様が目の前に現れたらいいなあ、と思った事がある人、「ロップくん」をオススメします。 ロップくんは、外見はかわいらしい少年型ですが、何でも作ることができるすごいロボットです。海に沈んでいるところを六ぺいくんに助けられ、以来六...
エゾオオカミの三兄弟ロロ、ルル、リリは剥製にされた母を追うが、二匹は途中で命尽きる。残るロロは母が展示される北海道物産展とともに日本を南下。そんな彼の心をくみとったのはデパート荒らし風通しのベンだった。...
都会の片隅でたくましく生きる犬たちの日常を、哀愁あふれるタッチでつづった児童まんがです。大きな工場のある町の片すみ。生まれたばかりのワンサは、母親から引き離され、10円で売られました。けれども、母親をしたって途中で逃げだし、ワンサはのら犬になったのです。ワンサは、工場の片隅で煤煙にやられて死ぬまぎわの小鳥と出会い、...
東京湾のあき洲に犬たちと暮らす野性の少年通称ワンダーは、己が命を平和に捧げた大科学者南部博士の遺児漢太郎だった。中学に入学した漢太郎は、運動、頭脳ともに天才的能力を発揮。原爆工場建設を企む政治悪と戦う。...
地球の調査にやってきた3人の宇宙人と、地球人の少年真一が、さまざまな悪と戦うSF活劇です。196X年、地球では水爆実験が続けられ、戦争が絶えませんでした。遠い宇宙の銀河連盟に集まる優れた生物たちは、野蛮な地球を救うか、反陽子爆弾で消してしまうかを評決するため、地球に3人の調査員を派遣しました。W3(ワンダースリー)...
コルチンスク農場を訪れたロックベルト・トランシルバート男爵は、銀の十字架から作った弾丸を携える人狼(ウェアウルフ)ハンター。農場で働く少年ヨハンは彼にある疑いを抱くが、男爵は誇り高く戦い続け、命を落す。...
1948/07/30 単行本(東光堂)ガス燈灯る町の領主の息子ピーターは、瓜二つの男にすり替わられ獄中の身に。父は死去し〝ピーター〟が領主となるが、暴君への変貌が妹ローラを嘆かせる。この鬼領主に戦いを挑むのが、覆面の怪傑二十のトビィだった。...
200XX年、ケニヤの自然保護区に住む野生動物らの正体は、実は人間だった。人間失格の烙印を押された者たちが変態させられたのだ。監視員のザムザもライオンにされた娘エレーナに同情したばかりに虫に変えられる。...
十八年前アフリカのジャングル奥地で消息を絶った探検家ハミルトンの娘ローラは、おじのフランクとともに現地へ赴いた。そこは野生児が樹上を飛び回り、巨大なカブトムシがサイを空中へさらう摩訶不思議な世界だった。...
ビルが溶け人が黒焦げになる「地球の最後」を繰り返し夢に見る夏休み中の少年久(きゅう)の身辺に奇妙な事が続いていた。ツノの生える病気が流行中と言い久が町に出ることを禁ずる両親は、恐ろしい事実を隠していた。...
互いに張り合う鳥たちのボス、ゴーズとガバ・ガバは「聖なる広場」へ通っていた。その砂を浴びると、彼らは異様な変貌を重ね強大化するのだ。だが小さなヒワが、その場所の恐ろしい秘密を知ってゴーズに戦いを挑む。...
太平洋戦争末期、ベトナムで撃墜された雨月大将は、土地の恋人たちブルウ、ニヤンの仲人となるが、二人は人間ではなかった。ほどなくそこへ日本軍が押し寄せる。大将は二人の土地を戦場にはさせまいと自軍に刀を向けた。...
1951/10 「こどもブック」掲載西部を旅するキツネのデーコちんとタヌキのポコちんは、カウボーイの仕事を得た。その牧場を襲った馬泥棒のイヌたちを追跡して反撃にあうが、めげずに戦い続けたガッツが幸運を呼んで逆転勝利。敵の捕獲に成功する。...
1988/01 「コミックトム」(潮出版社) 掲載「ルードウィヒ・B 絵ッセイ」と銘打ったカット付エッセイ。ベートーベンの住んでいたパスクワラッティ男爵邸を訪れた際のエピソードを、ベートーベンの逸話とともに紹介している。...
凸卍(でこまんじ)のあだ名は「べんけい」。巨漢ゆえ恐れられる中学生だが、彼は家では密かに乙女チックな世界に浸るナイーブ少年。小柄な牛若に決闘を挑まれたのち、二人で美少女を悪人の手から救い出し、成長を遂げる。...
監督の泰賀博士率いる子ども野球チーム、タイガースが珍妙な国々を冒険する物語。舞台となるのは、魔法博士がせこいトリックで政治を牛耳ろうとする魔法国や、科学党と自然党が互いに極端な主張を争うスター国など。...
時は戦時下。誠二と元太郎は美少女由紀を争う絵描き。由紀は誠二を愛し、怒った元太郎は彼女を絞殺する。誠二は反軍的姿勢ゆえに特高警察に捕まり、両眼を潰されるが、なお絵を描き続ける。〝由紀〟の手助けを得て…。...
暗殺者たちがホテルの守衛室を襲った。目的は警戒厳重な上の階に宿泊中の世界的原子科学者ロービイを、時限爆弾で建物ごと吹き飛ばすこと。守衛父子の父は病に伏し、息子は少年だったが、二人は抵抗をあきらめない。...
女が男より大きく強く賢く、倍も稼ぐ時代。妻のむごい扱いに涙する夫が、女を惹きつける薬の実験台になった。男はしきりに放屁するようになり、そのガスの香りが女を魅了。それを嗅いだ女の大群に追い駆け回される。...
怪事件発生! 探偵ケン一少年は迅速に現場へ。そしてスピーディーな推理で物語は急展開。見開き2ページのラストのコマで見事に解決される。でも時にはお茶目にドジを踏んだり、ダジャレで遊んだりすることも。...
1965/01/03 「サンデー毎日」(毎日新聞社) 掲載命の危機をヒゲオヤジに救われた兵野丹吾(ひょうのたんご)博士は、己の意に反し何者かに体を操られていた。彼の謎を追うビッグXはアトムと対決することに…。手塚ヒーローオールスターキャストで描くパロディ編。...
ボンゴはピューマのギロ、リスのチャップを従え動物と暮らすアマゾンの野生児。炎上する「鉄の鳥」から少女ミリーを助けたことから、インカの秘宝をめぐる争いに巻き込まれ、サボテン人や恐竜の棲む秘境を探険する。...
くも屋敷と呼ばれる家へやってきた数人の男女。彼らはそこで無数のくもが、芸術のような美しい巣を張っているのを見る。 その屋敷の主人・戸隠(とがくれ)は、戦時中にくもに命を救われたため、くもを愛していたが、10年前に突然行方不明となっており、以来、屋敷にはくもだけが住んでいたのである。 だが、その戸隠の失踪には理由があ...
小学生ルビオは、一億年前月に住んでいた生物から不思議なヘルメットを贈られその力で宇宙戦士ルビとなった。目的は地球に襲い来る超生物ゾンダの打倒。ルビはパートナーのリコとともにゾンダを探す宇宙への旅に出る。...
ジャングルの王子レオは、乱暴者のライオンブブとボクシングで対決。名誉を懸けた雪辱戦をヒョウのルバーに挑むワッシ族の勇者を助け、三つの魔力をもつ怪物ヘビで、ライヤの家族を食い殺したヒドラと死闘を展開する。...
海の冒険児トリトンは、孤児となっていた人魚の赤ん坊ピピを拾った。海の悪者ポセイドンは、配下の怪獣に次々とトリトンを襲わせる。トリトンは白いイルカのルカーにまたがり、オリハルコンの剣を振るって迎え撃つ。...
1972/04-09 『小学四年生』 連載1966年に終了したテレビアニメ『鉄腕アトム』の最終回の「その後」を描いた物語。 地球を救うために太陽につっこんだアトムだったが、鉄のかけらに癒着して宇宙空間を漂っていたら、高度な科学技術を持つ三つ目の宇宙人・ルルル星人のロケットに拾われ、より高性能なロボットとして生きかえ...
時空をこえて存在する超生命体・火の鳥を狂言回しに、過去と未来を交互に描きながら、テーマである「生と死」「輪廻転生」という哲学的な問題を深くえぐる、手塚治虫の代表作にしてライフワークとなった作品です。そこには手塚治虫の歴史観から、遠い未来への予測的な視点のみならず、宇宙とは何か、といったスケールの大きな問への挑戦を...
1970/01/21 「少年チャンピオン」(秋田書店)に「ザ・クレーター」の第12話目として掲載された。近頃のオクチンはツキまくってる。テストは満点、剣道の選抜中学対抗試合では優勝、そのうえ、学校中の憧れの的、クミちゃんが恋人になった。番長の井戸井は手下のダメゴローをスパイに、オクチンの身辺を探ってみると、オクチン...
1970/03/04 「少年チャンピオン」(秋田書店)に「ザ・クレーター」の第15話目として掲載された。「生まれつきの落第生だ!」と決め付けられ、つっぱっていたオクチンのもとに、見知らぬ男が突然訪ねてきた。どろぼうを名乗る男は、オクチンに用があってきた、という。「未来を盗んでみないか?」といって、男が差し出した眼鏡...
1969/12/17 「少年チャンピオン」(秋田書店)に「ザ・クレーター」の第10話目として掲載された。中学生のオクチンは、校内で「なんでもひきうけ屋」稼業に精を出していた。けんかの請負から宿題まで、請け負っては50円や100円をもらっている。オクチンには、30万円を貯める目標があるのだ。そこに奇妙な小男が現れて、...
SFやサスペンスを中心とした短編マンガのシリーズで、各話ごとに統一した主人公というものはなく、テーマも時代設定もまったく異なる作品群で構成されています。 樹齢1200年の巨大なクスノキで、たくましく生きるムサという名前のモモンガの一生を描いた「モモンガのムサ」(第9話)や、ゲーテの「ファウスト」に材を取った、...
各話完結の短編形式で、SF的なアイデアを自由に展開した連作シリーズです。 金星探検から戻った探検隊が見たものは、荒廃した地球だった(「来るべき人類」)。 さまざまな宇宙人たちの人生が交差する宇宙空港で少年が凶悪犯に立ち向かう(「宇宙空港」)。 こうした、さまざまな時代のさまざまな設定のなかで、手塚治虫のS...
1970/04/01 「少年チャンピオン」(秋田書店)に「ザ・クレーター」の第17話目・最終話として掲載された。ウイリアム・フロスト・ウイリーは、月のアルフォンズス火口(クレーター)に立っていた。そもそも彼は、月の調査のためにアポロ18号に搭乗した宇宙飛行士だった。月に到着して三日目、彼は遭難し、クレーターの底に取...
1969/11/05 「少年チャンピオン」(秋田書店)に「ザ・クレーター」の第7話目として掲載された。重井沢避暑地に凶悪な脱獄囚三名が付近に逃げ込んだらしい。ある別荘では三人の男が押し入り、住人の年寄と子どもを人質に立てこもった。男たちは網走刑務所から逃げ出してきた、と言う。手塚治虫は隣の別荘でカンヅメになり、原稿...
1945 習作
戦時下の日本、マンガのキャラクター達も一般市民として、銃後を守る生活を送っています。ある朝、フクチャンはアメリカに戦闘機で攻め入って、ニューヨークの街を爆撃する夢をみました。爆弾の雨の下には、アメリカン・コミックの人気キャラクターたちが…。
ラジオで正確な防空情報を聞きたいノンキナトウサン、救...
1969/11/19 「少年チャンピオン」(秋田書店)に「ザ・クレーター」の第8話目として掲載された。 月光園という旅館に泊まり合わせた3人の客。岩風呂でくつろぐひと時に、かすかに聞こえる鈴の音を恐れて飛び出した。彼らはなぜ、鈴の音を怖がるのだろう? 三者三様、「鈴の音」にはじつは深い因縁があり…。 人間の「良心の...
1969/10/15 「少年チャンピオン」(秋田書店)に「ザ・クレーター」の第6話目として掲載された。黒人と白人の人口が半々になった近未来のニューヨークでは、ギャングの帝王・「双頭の蛇」が暗躍していた。土木労働組合の委員長・ギレットが惨殺され、刑事のバンキーは小さな薬局の主人・キケロを疑っていた。キケロこそは黒人を...
1962/8/15 「中学一年コース 夏休み臨時増刊」(学習研究社) 掲載
手塚治虫は、ある人物についての取材で、とある田舎の小さな中学校にやってきました。
その学校の校長室には、奇妙な絵が額つきで壁に飾られています。古ぼけた画用紙に描かれた、太陽が西から登っている絵なのです。校長先生に話を聞くと、その絵こそは「...
1969/10/01 「少年チャンピオン」(秋田書店)に「ザ・クレーター」の第5話目として掲載された。架空のある「未来」。航空部隊・ダイモン戦闘隊の三等空曹オクノ・リュウイチは敵基地につっこみ、司令塔を爆破、壮烈な戦死をとげた…ことになっていた。実際は目標間近に逃げ、無人島に不時着、生き延びたのである。ところが玉砕...
けちでわがままなフーラー博士や、いつもわるだくみをしているギス伯爵が引き起こす迷惑な事件はアトムが解決! アトムそっくりのライバルロボット・アトラスやウランちゃんも登場する、ほのぼの楽しい子供向け「鉄腕アトム」シリーズ。...
1976/04 「月刊少年ジャンプ」(集英社) 掲載「月刊少年ジャンプ」で「永遠の名作シリーズ」として描き下ろしされた読切作品。ジェット機で荒野を調査中のお茶の水博士とアトムたち。先日、大地震が起こって、すっかり地形が変わってしまった地帯だが、もともと荒野でもあり、だれも問題にはしていなかった。ところが、この地帯で...
手塚治虫の代表作『鉄腕アトム』はいかにして生まれたか? 雑誌『少年』からの「科学空想マンガ」の注文から生まれた「アトム大使」。初期は苦戦をしていたこの作品が、編集者のアイディアで「鉄腕アトム」に生まれ変わった。当時、画期的だったSFマンガ誕生の顛末を描いたエッセイマンガ。...
1967/06/05 『サンケイ新聞』にて初出。1967年にカナダ・モントリオールで行われた万国博覧会をキャラクターたちと共に見聞するレポート記事。シナリオ風の本文とともに、カットが8点掲載された。...
1969/09/10 「少年チャンピオン」(秋田書店)に「ザ・クレーター」の第3話目として掲載された。在日米軍の依頼で、極秘の研究に取り組んでいるR大学の科学者・佐藤栄作は、深夜の大学で岡田四郎という奇妙な学生と出会う。彼と同じく、深夜まで勉学に取り組んでいるらしいのだが、今どきの学生にも似合わない丸刈り、ふるめか...
1970/01/07 「少年チャンピオン」(秋田書店)に「ザ・クレーター」の第11話目として掲載された。長曽我部家の双子の妹姫・伏見姫は美しいが残忍な心の持ち主、一方の姉の巴姫は、醜いながら心優しい娘であった。土佐の豪族の息子・本條忠道をめぐる争いから、巴姫は実の夫に切り殺されてしまう。 さて、現代。その巴姫の怨念...
1982/02/26 「週刊少年チャンピオン」(秋田書店)にて初出。手塚治虫が訪れたフランス・アングレーム国際漫画祭の漫画レポート。「(1982年)1月29日から31日までフランスのアングレームで国際漫画祭が開かれました。七色いんこは手塚治虫先生にくっついてこっそりもぐりこみました。これはそのレポートです!!」とあ...
1978/01/01 「サンケイ新聞」(産経新聞社) 掲載マッドサイエンティストが作った超性能爆弾・ヒステリア。どこか一か所でもさわると爆発し、地球を破壊するほどの威力がある、というそれを、アメリカのロイス三世、ソ連のロボノフ、日本のアトムの三人のロボットが、「宇宙のどこか」に捨てに行くことになった。 爆弾を抱えた...
1969/08/27 「少年チャンピオン」(秋田書店)に「ザ・クレーター」の第2話目として掲載された。マンガ家・熊 隆一は5年前、奇妙な老婆に出会った。目の前にひらかれた道のどちらにすすむべきか思いあぐねていた隆一に、老婆は「もし今選んだ道に疑問をもったら、八角形の館においで。運命を変えることができるよ」と教えてく...
1947/07/15 有文堂 発行
グット博士が発明したベコベア光線銃がバット博士に奪われた! ジムはグット博士の娘・メリイとともに光線銃を取り返しに、バット博士のアジトに忍び込む!...
1971/11 「COM」(虫プロ商事)にて初出。手塚治虫のライフワークとなった「火の鳥」の執筆哲学を「休憩」のタイトルでエッセイ風に語った作品。
あきおちゃんが山で出会ったロケットには、ほしのくにから来たぴろんちゃんとロボットのミロが乗っていた。二人はすぐにおともだちになる。1960/09 『幼稚園』(小学館) 掲載「ピロンの秘密」(『小学四年生』版)の幼年向けバージョン。1960/10の実写冒険活劇「ピロンの秘密」テレビ放送に合わせ、ひと月先駆けて始まった...
1969/09/17 「少年チャンピオン」(秋田書店)に「ザ・クレーター」の第4話目として掲載された。「ぼく」と友達の酒井一夫はお互いレーサーとしてよきライバルだった。同じ部屋に住むほどの仲が良い二人だったが、「ぼく」が恋人としてマネキン人形の「ユカリ」を部屋に持ち込んだことから、対立が始まる。酒井はやがて、「ユカ...
1969/08/10 「少年チャンピオン」(秋田書店)に「ザ・クレーター」の第1話目として掲載された。シカゴのスラム街で暮らすナンシー。その友達のジムは、トラックで事故に遭ってから、時折ひどい頭痛に襲われて倒れるようになった。ふと気が付くと、日本人のエリート青年・隆一と意識が入れ替わっている。隆一はやがてシカゴ大学...
1970/02/04 「少年チャンピオン」(秋田書店)に「ザ・クレーター」の第13話目として掲載された。富士山・御殿場のハイウエイの途中にある「ブルンネン」という喫茶店には、みどりという美少女がいた。P中学陸上部の猛烈なシゴキでランニング中に倒れたオクチンは、ブルンネンの主人に助けられ、みどりの「秘密」を知ってしま...
月面探査中の宇宙飛行士がみつけた赤い石は、怪物ゾンダの生み出したものだった。ゾンダはこの石を宇宙にばらまき、不審に思って触った生きものを食べてしまう、と言う性質をもっている。宇宙飛行士が赤い石を地球に持って帰ったことで、地球はゾンダに狙われることになってしまった! ゾンダを敵視する宇宙人によって、ルビオとクリコは地...
1955/02 『少年クラブ』(講談社)にて初出。宝塚に住んでいた少年時代の回想や戦争体験、マンガ家になることを決意したきっかけなどを2ページで描いた作品。
1970/02/18 「少年チャンピオン」(秋田書店)に「ザ・クレーター」の第14話目として掲載された。電気もまだ通らない、山村に住む知的障害児のカン太郎は兄の隆ちゃんに昔話をしてもらうのが大好き。 ある日、遅くなっても家に戻らないカン太郎を心配して兄が探しに行くと、カン太郎は奇妙な生き物に取り囲まれており…。...
ある嵐の晩、理学博士・山田野加賀志(やまだの かがし)氏は、「破壊蟲」と言う驚異的な生物を発見、研究所に持ち帰りました。「破壊蟲」とは、生物と鉱物の中間的存在で、鉱物が進化し、生物となった、という憶説を裏付ける証拠になるばかりでなく、あらゆる物質を分解してしまう特殊な分解液を分泌する能力をも秘めていました。破壊蟲...
1969/12/03 「少年チャンピオン」(秋田書店)に「ザ・クレーター」の第9話目として掲載された。毎年全日本選手権の前に同じロッジに泊り、お互いにライバル心を燃やしながら猛特訓をする二人のスキーヤー、奥野隆一と佐々木。ゲレンデを越え、山奥の危険なコースを滑っていると、そこに不思議なトラックが突っ込んできた! な...
一人っ子のS男くんは動物が大好き。捨て犬や捨て猫を拾ってきては、ママに怒られていた。ある日河原で一角獣の子ども・ユニコを見つけて、こっそり家に連れて帰る。助けてくれたS男くんのお願いをなんでも聞いてくれるユニコとS男くん、中国の沼地出身の竜のこども・ラゴンが繰り広げる楽しいお話がいっぱい。...
手塚治虫が家の前でタバコを振舞いながら聞き取った怪談を集めた……というスタイルの怪談短編集です。 あるマンガ家から聞いた話——、第2次大戦中、間島と丸橋、ふたりの画学生は芸術と、ヒロイン・由紀を巡っての恋のライバルでもあった。日本が戦争にのめり込んでいくある日、戦意を高揚させる絵を描いてほしい、と言われた間島はそれ...