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ストーリー

誰の心にもひそんでいる憎悪の気持ちを、幻影の馬に託して描いたスリラーマンガです。
おとなしい内向的な中学生・男谷哲は、自分が思いを寄せる水島礼子先生に、暴力教師鬼頭が求婚している事を知り、鬼頭を激しく憎みました。
するとどこかから巨大な馬が現れ、翌日、鬼頭先生は死んでしまいました。
男谷哲には、その馬がボンバだと、すぐにわかりました。
ボンバというのは、太平洋戦争中に、父が軍隊で飼育させられていた軍馬でした。
父に似て気の弱い男谷哲が、誰かに対して憎しみの気持ちを抱くと、かつて父に聞かされたボンバの幻影が現われ、相手に復讐をしてくれるのです。
やがて男谷哲は中学を卒業し、水島先生も東京へ転勤しました。
しかし、再会を約束した水島先生は、その約束を果たす前に事故死してしまいます。
男谷は、すべての他人を憎みました。
すると、東京に現われたボンバが、次々と大惨事を巻き起こしていくのでした。

解説

この作品を発表した1970年当時、手塚治虫は、経営する虫プロや虫プロ商事でさまざまなトラブルをかかえ、また作品表現の上でも迷いを持ちながらの試行錯誤を繰り返していた時期でした。 この作品には、そんな当時の手塚治虫の気持ちが色濃く反映しています。 主人公・男谷哲の瞳が、手塚作品には珍しく黒目を描かない渦巻模様となっている点も、そんな手塚治虫の気分の現われと見ていいでしょう。 外の世界に対して完全に心を閉ざした男谷哲の瞳……。 この、黒目をはっきりと描かない瞳の描写は、当時、虫プロの雑誌「COM」から台頭してきた若手マンガ家たちが描く、自省的な作品にしばしば使われていた技法でした。 ですから、断言はできませんが、手塚治虫も、さまざまな試行錯誤の中で男谷哲の心情を現わす方法として、そうした新しい表現を引用してみたのかもしれません。

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  • ボンバ!

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