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ストーリー

新聞少年が見た「幽霊」が握る秘密とは…?摩天楼が立ち並ぶ大都会を舞台にした、少年向けミステリー短編です。

古典的なSF作品を現在読むと、科学技術の発達具合からの違和感を覚える事があります。アトムのような高度なロボットが活躍するような未来的な世界に、当然のように黒電話が出てくる、なんていうのがそれです。もっとも、その違和感に別のファンタジーを感じて、そこが好きだ、という見解もあるでしょう。
今回ご紹介する『ビルの中の目』は、ジャンルとしては“SF”とされていますが、そういった違和感はあまりなく、60年代の日本でも十分起こりうる、しかし十分にSF的な、ふしぎな事件が描かれます。主人公のススムくんは、街角で新聞を売っています。白黒のハリウッド映画なんかに出てきそうな、「号外、号外!」と叫びながら新聞を配っているいわゆる新聞小僧も、最近ではめったに見かけませんが、ススムくんがやっているのは、そんな仕事。物語の舞台は東京のようですが、どこかパリやニューヨークのようでもあるモダンな大都市です。
事件が起こるのは、ススムくんのスタンドの目の前に立つ摩天楼「ホテル・オリオン」。世界的に有名な科学者、ブラス博士が、日本滞在中に失踪した、というニュースが流れる中、ススムくんは「オリオン」の窓の一角に、幽霊のようなふしぎな影を見ます。おとくいさんの小倉という青年にそのことを相談しますが、当然、信用してもらえません。
ところが、その晩、彼はさらに奇妙な影を見てしまいます。なんと当のブラス博士が、むざんな死体となって、さかさまにつるされているのが「オリオン」の窓の中に見えたのです。ススムくんは少年探偵となって、ブラス博士の失踪の謎を探ります。
この作品の読みどころは、SF作品らしく、ある科学現象を応用したふしぎなトリックが使われているところですが、こういうプロットは、今で言えば、SFというより、たとえば『名探偵コナン』のような「推理もの」として分類されそうです。16ページの中に事件の発端あり、どんでん返しあり、解決ありの盛りだくさんながらすっきりとまとまっていて、推理ものとして読んでも、なかなかスマートな作品です。

解説

1963/03/03 「週刊少年サンデー」(小学館) 掲載

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