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ストーリー

飛行機から落ちて死んだ少年が、幽霊となって世界中をめぐるファンタジーです。
ケン一少年と叔父のヒゲオヤジが世界一周の旅に出かけました。
ところが、飛行機に乗り遅れたケン一は、方向舵にしがみついていたため、海へ落ちて死んでしまいます。
ところが、天国の帳簿によると、ケン一はここで死ぬ筈ではありませんでした。
そこで、すぐに自分の体に戻ろうと思ったのですが、体は見つかりません。
かくしてケン一は、ハロウィンという天国の案内人に連れられて、自分が入るための身体を探しながら、ヒゲオヤジのあとを追いかけます。
上海、インド、エジプト、イタリア、フランス、アメリカ……、ケン一とヒゲオヤジは、それぞれに世界の不思議を探検しながら、奇想天外、波瀾万丈の旅を続けるのです。

解説

1950/01/15 単行本(家村文翫堂)

この『ふしぎ旅行記』が描かれた、太平洋戦争敗戦直後の日本では、民間人の海外旅行は厳しく制限されていました。 そうした中で、当時はまったくの夢物語であった世界一周旅行を、ファンタジー仕立てにして描いたのが、この作品です。 物語全体が映画のような構成になっており、幽霊がつぎつぎと身体を入れ替えながら自分の肉体を探すというアイデアは、アメリカ映画「幽霊紐育(ニューヨーク)を歩く」(1941年)の影響を強く受けています。 当時、日本では戦前に作られたアメリカ映画の名作がたて続けに公開されており、娯楽に飢えていた人々に大いに受けていました。 そしてもちろん手塚治虫も、当然のように映画を見まくっていたのです。 ちなみに、日本で民間人の観光目的の海外旅行が自由化されたのは、「外国為替及び外国貿易管理法」(1949年制定)の規制が大幅に緩和された、1964年のことでした。

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  • ふしぎ旅行記

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