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ストーリー

「ぐうたらを絵に描いたような」偶太郎は幸福駅行きの切符と間違えて不幸駅行きを買い、級友が作った模型の円盤を本物と思い込むドジ中学生。そんな彼が精神を集中し「競争のない」異次元宇宙の社会へ行ってみると…。

解説

1975/04-06 「中一時代」(学習研究社) 連載

主人公・隅太郎は、中学一年生なのに、小学校へ逆戻りになりそうな成績の上、なにをやっても失敗ばかり。連載第1話の扉絵にも、「日本一もてない男」「なにをやらせてもダメな子」と作者の手塚治虫によって大きく書かれています。この「ぐうたろう千一夜」は、そんな隅太郎のガムシャラな奮闘記であり、不思議な体験記であり、そして悲しい失恋の物語です。各話のストーリーを簡単にご紹介すると…第1話では、醜い少女・桃恵と出会い、半ば強引にボーイフレンドにされてしまった隅太郎でしたが、彼女のアドバイスでめきめき優等生へと変身していきます。第2話では、悪い同級生が、隅太郎をだますために、事故で入院中の女の子を宇宙人に仕立て上げ、隅太郎と毎日トランシーバー越しに会話をさせます。第3話では、テストや競争のない異次元世界に飛び込んで、可愛い女の子と仲良くなりますが、実は政府が検査によって生存の資格を決めるという、厳しい世界だったのです。恋する中学生の生活をリアルに描いた「青春もの」…とは言うよりは、むしろ中学校を舞台にしたファンタジーであり、どのエピソードにも、ラストでは少しせつなくて胸に染みる別れが待っています。バレンタインの時期ではありますが、「悲恋もの」がお好きな方にはぜひオススメの作品です。

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  • どろんこ先生

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