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ストーリー

美しいものを妬む、人間の深い心の闇を鋭く描いたSF犯罪サスペンスです。 黒人青年ジェームズ・ブロックは、刑務所で、謎の老人から生物の体を透明にする光線の秘密を聞き、出所後にその光線を浴びました。 しかしそのF光線は不完全だったため、ブロックは半透明の不気味な体となってしまったのです。 以来、彼はアラバスターと名乗り、美しいものを憎み、世の中の偽善者や美しいことを鼻にかけている人々を、F光線で次々と消し去りはじめたのです。 F光線は、生物が完全な透明になるまで照射し続けると、その生物は死んでしまうのです。 一方、アラバスターにF光線の秘密を教えたF博士は、それ以前に、自分の娘を実験台にしていました。 娘はその時、子どもをみごもっており、生まれた娘・亜美は完全な透明人間となっていたのです。 アラバスターは、亜美に接近し、亜美も自分のたくらみに利用しはじめるのでした。

解説

手塚治虫は、自然や人間を愛し、ヒューマニズムあふれる作品を描く作家として世間の評価を得ていますが、実は『バンパイヤ』(1966-1967年)や青年マンガの『MW(ムウ)』(1976-1978年)など、人間の悪の心を徹底的に描いた犯罪サスペンス作品においても傑作を多く手がけています。 この『アラバスター』も、そうした人間の心の闇をストレートに描いた問題作で、当時、少年雑誌に発表されて物議をかもしました。 ロックが冷酷なナルシストのFBI捜査官として登場し、『バンパイヤ』に続いて、徹底した悪を演じているのも見どころです。 ちなみにアラバスターというのは、石膏の一種で、雪花石膏(せっかせっこう)とも呼ばれる、白色または半透明の鉱物のことです。工芸装飾や彫刻に使われますが、日本では産出しません。

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  • アラバスター 1
  • アラバスター 2

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