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ストーリー

ゲーテの戯曲「ファウスト」を、当時の幻想的なアニメーション風のタッチでマンガ化した作品です。
悪魔メフィストは、自分の力に自信を持ち、天使を下界へ落としてしまうなど、乱暴ばかりはたらいていました。そこで神さまは、メフィストに、学者のファウストを地獄へひっぱりこんでみろと命じます。
しかし神さまはその一方で、下界に落ちた天使を、マルガレーテ姫として生まれ変わらせていたのです。
一方ファウストは、いくら勉強しても満足できない学問の奥深さに絶望していました。そして、ちょうどそこへ現われた悪魔メフィストと「自分を満足させてくれたら地獄へ行く」という契約を結んでしまいます。 メフィストは魔法でファウストを若者に戻し、街へと飛び出しました。そしてそこでファウストは、美しいマルガレーテ姫と出会い恋におちます。
ところがファウストは、マルガレーテの父である王さまから、「世界一美しいヘレネという女神を探してこい」という無理難題をおしつけられてしまいます。
ファウストはヘレネを探すため、メフィストと共に、ワルプルギスの夜に魔物が集まると伝えられている、ハルツの山を目指しました。

解説

手塚治虫は、この作品の元になったゲーテの戯曲「ファウスト」(第1部1808年、第2部1832年)を、中学生時代に何度も繰り返し読んだといいます。 そしてその強烈な印象から、ずっと後に『百物語』や『ネオ・ファウスト』などでも、このファウスト博士と悪魔メフィストフェレスをモチーフとして使っています。 冒頭の復活祭の場面は宝塚歌劇の、ハルツの山の場面はフライシャーのアニメの、ヤミヤミの森の場面やファウストが黒犬になったメフィストにまたがって飛ぶシーンなどは、旧ソ連のアニメーション「せむしの仔馬」の影響が感じられ、学生時代に手塚が触れたさまざまな名作の印象が、バラエティ豊かに混ざり合っています。 この『ファウスト』が発表された当時、手塚治虫はマンガを日本に文化として根付かせるための手段のひとつとして、名作文学のマンガ化に意欲的に取り組んでいました。 その一環として、このあとドストエフスキーの『罪と罰』や、シェイクスピアの『ベニスの商人』のマンガ化も手がけています。

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  • ファウスト

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