1949/12 『ひかりのくに一年』(昭和出版株式会社) 掲載
秋も深まるおやまには、落ち葉や栗がたくさん落ちています。りすのぎっこちゃん、ねずみのまっこちゃんは、「おやまのおそうじしましょ」と、落ち葉掃除を始めます。そこにカンガルーさんがやってきたので、「てつだってよ」と、おなかのふくろでおちばを運んでもらうことにします。ところがしばらく行くと、カンガルーさんのおなかがしくしく、痛くなってきました。ぎっこちゃんはおさるのお医者さまを急いで呼びます。
小学一年生向けのかわいらしい動物マンガです。
デビューしたての手塚治虫が宝塚を拠点に活動していたころ、大阪・松屋町の出版社から「地底国の怪人」「火星博士」「魔法屋敷」など、赤本と呼ばれるジャンルの作品を次々と発表していました。「ぎっこちゃんまっこちゃん」もそのころ描き下ろされた作品でしょう。続き物ではなく、8コマ完結の小品です。なお、『ひかりのくに一年』を出していた昭和出版株式会社(現・ひかりのくに株式会社)も大阪に本社を置く出版社です。