とんから谷物語

ストーリー・解説

1955/01-1956/03　「なかよし」（講談社）　連載

リスのジロを主人公に、ダムの底に沈んでしまった「とんから谷」に住む動物たちを描くファンタジックな少女向け短編作品です。
とんから谷に住むリスのジロは、リス同士の戦いに負けて一家で逃げる途中、家族とはぐれてしまいます。川で流されていたところをサナエという女の子に助けられます。一命を取り留めたジロでしたが、ジロを狙って襲い掛かってきた鳶に目をやられ、サナエは目が見えなくなってしまいました。ジロと一緒に東京の家に帰ったサナエ。しばらく、ジロとサナエはいっしょに東京で暮らしていましたが、ジロはとんから谷が恋しくてたまりません。ところがサナエの家が地震の被害にあい、サナエの両親も亡くなってしまいます。
身寄りのなくなったサナエは、使用人のおじさんの実家のあるとんから谷へ移り住むことに。ところがこんどはとんから谷にダムができることになり、せっかく谷に帰ってきたジロは、またもや谷を追われることになるのでした。