マンガマンガ

少女漫画

赤い雪

1955/01-05 「少女の友」(実業之日本社) 連載舞台は帝政時代のロシア。少女ミーニャは迷信のため「魔女」「赤い雪」と呼ばれ虐げられて育った。家を失い行き倒れとなった彼女だが、数奇な運命の導きで、秘めていた才能を大作曲家チャイコフスキーに認められる。...

あけぼのさん

母を失い、父もいない家庭で弟妹の親代わりを務める少女あけぼのつぐみは、困難に負けずバレエの道を歩む。彼女が入った新生バレエ団には、幸福を呼ぶ天使の白と、最高の踊り手になれる悪魔の赤の、二つの靴があった。...

あらしの妖精

1955/09-1957/03 「少女ブック」(集英社) 連載森の妖精・はこべは、意地悪な魔女の娘ながら、とても優しい少女でした。一方、鍬型城の殿様のルリ姫は、二目と見られないような醜い顔。実は、姫君が生まれるとき、奥方がはこべの母の魔女と鍬型城を守ってくれる代わりに「自分の娘と姫君の顔を取り替えてくれ」という約束...

うたえペニーよ

1953/01/15 「少女クラブ」正月増刊号(講談社) 掲載田舎で動物を飼う歌手志望の少女ペニーは、ニューヨークヘ行き念願叶ってチップス音楽院に学ぶ。ペニーはデビュー前に師チップスを伴い一時帰郷した。だが親友ペギーはペニーの悩みを知り彼女のために一計を案じる。...

エンゼルの丘

故郷を追放された人魚族の姫・ルーナの数奇な運命を描いた、ファンタジーです。エンゼル島の掟を破ったために、貝がらに入れられて海に流されたルーナは、人間の船に拾われ、奴隷として売られました。記憶を失い、ひどい仕打ちを受けていたルーナは、草原家の御曹子・英二に救われ、日本へとやってきます。そこで出会った英二の妹のあけみは...

おかあさんの足

1957/02 「主婦と生活」(主婦と生活社) 掲載猫の母親は三本足ゆえに悪童にいじめられていた。自分の子どもらからも責められて、母は語った。飼い主の探検家父娘とともにアフリカへ行ったある母猫の話を。主人に子猫を捨てろと言われた時、彼女が選んだ行動を。...

カーテンは今夜も青い

歌劇のスター目白千鳥が公演中に倒れた。赤い色の一種を見ると起きる、特有のショック症状が出たのだ。彼女は実は某国の王族で、祖国の暗殺者に狙われる身。千鳥の妹として育った少女つぐみは姉を懸命に守ろうとする。...

金のうろこ

1956/10 「主婦と生活」(主婦と生活社) 掲載貧しい母子の息子が、捕まえた金のさかなから、逃がす替わりに金のうろこを貰った。そのうろこを放れば好きなものが手に入るのだ。喜んだ息子は毎日金のさかなにうろこをねだって欲望を満たすが…。原作はトルコ童話。...

孔雀貝

船の難破のため、日本人建築技師の若者が、南国の島国に漂着した。王女リマは彼に心惹かれるが、若者が父王と対立してまで否定する国の因習との板ばさみに苦しむ。そして孔雀貝の言い伝えが真実か否かを試し、命を落す。...

こけし探偵局

大きなリボンがトレードマーク、小学三年生の可愛いパコちゃんは、普通の子とはちょっと違います。「怖い」ということをぜんぜん知らないのです。高い塀の上を歩いても、大きなトラックがそばを通っても怖いと思ったことがない。大きな犬も怖がらないから、とうとうその犬は降参して家来になっちゃった。「こけし探偵局」は、そんなパコちゃ...

こだまちゃん

ニュースカメラマンのパパが事故死。ママと小さな娘こだまが残された。両親が一緒になったきっかけは、昔中国大陸でパパがママを悪の仲間から抜けさせたこと。だがその悪人たちが再び現われ、こだま母子に忍び寄る。...

しらゆきひめ

1955/04 『一年ブック』(秀文社) 掲載 きれいでやさしいお姫様「しらゆきひめ」がおきさきの嫉妬で森においだされ、七人のこびとに出会う、世界中の子どもたちがよく知っているグリム童話・白雪姫のお話を手塚治虫が絵物語として描き下ろした作品です。  手塚は後年のエッセイで、グリム童話「白雪姫」についてはドイツメル...

シルクハット物語

寒さに震える小鳥一家の父が、自分たちの巣にと、暖かそうなシルクハットを欲しがった。気球に乗った持ち主の頭から吹き飛んだのがきっかけで、シルクハットはさまざまな人々の手と頭を転々と移り、小鳥はそれを追う。...

白いくびの子がも

1956/05 「主婦と生活」(主婦と生活社) 掲載かもの白くびちゃんが悪ギツネに噛まれ飛べなくなった。母兄弟は彼女が食べられたと思い込み渡りに旅立つ。残された白くびちゃんは仲良しのウサギらに助けられ生き延びるが、悪ギツネはさらに…。原作はソビエト童話。...

白くじゃくの歌

いつの時代でも、少女にとってはアイドルの世界は憧れの的。小さい頃の夢が「歌手になりたい」とか、「女優になりたい」だった、という女性はきっと、たくさんいると思います。 少女マンガにとっては芸能界という舞台はとても親和性が高いもののようで、たとえば「ガラスの仮面」などはその最たるものといえそうです。華やかな舞台、けなげ...

そよ風さん

1955/09-1956/01 「少女」(光文社) 連載緑豊かな山の奥にある源町に住む少女、千代子ことそよ風さんは、八百年来の犬猿の仲の平町の少年、三太と友達になるのですが、回りの人々はそんな彼らを引き離そうとします(『そよ風さん』)。東京に出て、日由子ことひまわりさんと同じ学校へ行くことになったそよ風さんは、悪人...

龍が淵の乙女

父城主を毒殺された萩姫、菊姫の姉妹は、若侍萩丸、菊丸に姿を変えて、山深い龍が淵へ赴く。城主のしるしである彫り物「夢念の玉」を探して、城の乗っ取りを防ぐために。逆賊に襲われる二人に、思いがけぬ味方が現れる。...

つるの泉

怪我したつるを助けた小作人与ひょうの家を、若い女つうが訪れ、彼の妹となった。地主の長者がつうを息子の嫁にと迫っても、与ひょうは拒絶。そんな優しい彼の心を、つうの織る高価な織物とそれがもたらす小判が変えた。...

とんから谷物語

1955/01-1956/03 「なかよし」(講談社) 連載リスのジロを主人公に、ダムの底に沈んでしまった「とんから谷」に住む動物たちを描くファンタジックな少女向け短編作品です。とんから谷に住むリスのジロは、リス同士の戦いに負けて一家で逃げる途中、家族とはぐれてしまいます。川で流されていたところをサナエという女の子...

ナスビ女王

東京の中学校で知り合ったナスビとタカ子、フジ子は大の仲良し。学校を卒業する日、田舎に帰らなければならないナスビを見送るタカ子とフジ子は、お互いの宝物を送りあって、「今度東京に来るときは、学校のイチョウの木の下で待ち合わせましょう」と約束します。田舎に帰ったナスビはある日、村の一番のイチョウの木の女神に、「女王様みた...

虹のとりで

1956/05-1957/03 「なかよし」(講談社) 連載「虹のとりで」は、昭和31年から「なかよし」に連載された少女漫画です。手塚治虫には「珍アラビアンナイト」(昭和26年)という作品がありますが、この「虹のとりで」も、同様にアラビアンナイトの世界を下敷きにした物語です。盗賊団の首領を父に持つ少女ミミは、黒ずく...

虹のプレリュード

ワルシャワ音楽院の新入生ルネは、ある秘密を隠したまま、同級生のショパンや古道具屋のヨーゼフと親しくなりますが…音楽を題材にした少女向け作品です。「虹のプレリュード」は、19世紀のポーランドを舞台にした物語です。心臓マヒで急死した兄になりすました妹のルイズは、世界的なピアニストになることが夢だったという兄の遺志を継い...

野ばらの精

近世らしいヨーロッパの田舎の村は、お祭りの最中。病気の母の看病に忙しいユリーが医師の家に行く途中、突然兵隊がやってきて、村の真ん中に大きな柵を作ってしまいます。この柵は国境、越えて敵国へ行ったものには厳罰が下る——戦争の影響で、村は二つの国に分けられてしまったのでした。ユリーの家と医師の家は柵によって隔てられ、ユリ...

野ばらよいつ歌う

1960/12-1961/04/20 「少女サンデー」(小学館)連載 オーストリアのウィーンで、大作曲家・ベートーベンが臨終の床にあったその夜、9歳の少女・クララは父のいいつけで遅くまでピアノのレッスンに励んでいました。父・ウイーク氏はクララを天才音楽家に育てようと厳しくしつけていましたが、母のマリアンヌはそんな...

母の眼ばなし

1957/03 「少女」(光文社) 掲載恩返しのため百姓の女房となったヘビが、二十年後に娘ミヨに正体を見られ、家を出た。父が病気となった時、ミヨは母の棲む池を訪ねて頼る。母は舐めれば病が治る玉を彼女に与えたが、強欲な庄屋がそれを奪い取った。...

火の鳥(エジプト、ギリシャ、ローマ編)

永遠の生命・火の鳥を軸として、古代ギリシャ・ローマ時代を舞台に描かれた歴史ドラマです。火の鳥の生き血を飲んで3千年の命を持った王子クラブと奴隷の娘ダイアのふたりが、それぞれ死んではまた別の時代に生き返り、さまざまな運命の遍歴の中で、出会いと別れを繰り返します。一方、赤ん坊の火の鳥の成長を見守っているのは、やはり火の...

ひまわりさん

「そよ風さん」の続編でそよ風と三太は上京。そよ風は、寄宿先の娘で男のように乱暴な日由子(ひゆこ)を「ひまわりさん」と呼ぶ。日由子は三太の感化で女らしさに目覚め、そよ風は生き別れになった母親を捜し求める。...

ピンクの天使

夕焼け雲は心優しい人間の友。そのひとり、バイオレットの娘ピンクは、下界で核武装国の王女や離島の少女などと仲良しになる。意地悪な雨雲ブラウンとその娘セピアは、人間に好かれる夕焼け雲に嫉妬し、彼女を襲う。...

ふしぎなメルモ

食べると年齢が変えられる不思議なキャンデーを持った少女メルモが活躍する、幼年向けのファンタジーです。メルモのママは、幼いメルモと弟のトトオを残して交通事故で死んでしまいました。メルモのことが心配でたまらない天国のママは、神さまにたのんでミラクル・キャンデーを作ってもらい、メルモに手渡します。キャンデーは2色あって、...

双子の騎士

サファイア姫の双子の兄妹が活躍する、リボンの騎士[少女クラブ版]の続編です。シルバーランドの王女さまになったサファイアは、隣国の王子・フランツと結婚して、デージィ王子とビオレッタ姫という双子を生みました。ところが、ダリヤ公爵夫人の悪だくみによって、デージィ王子は森に捨てられてしまいました。お城では、デージィ王子がい...

舞踏会へきた悪魔

1957/01 「少女」(光文社) 掲載華やかな仮装舞踏会に革命軍のかしらで盗賊の「ドナウの狐」が潜入した。出席者の少女リリーはドナウの狐の名で殺害予告される。だが警備隊長リードはリリーに、ドナウの狐こそ革命軍に身を投じた彼女の母だと告げた。...

1959/09 「ひとみ」付録「ひとみタイムズ」(秋田書店) 掲載 ある風の強い雨の日、暗い夜道を一人、少女が歩いています。道端で出会った女性は全身ずぶ濡れで、その足元にはなんと、骨が散らばって… サスペンス要素たっぷりの短編、と見せかけて…?  4コマや8コマの名手でもあった手塚治虫は、一コママンガも、1ペー...

ミニヨン

1957/04 「少女」春の増刊号(光文社) 掲載「ミニヨン」は、ゲーテの長編小説「ウィルヘルム・マイスター」の一部をもとにした短編作品です。ゲーテといえば、手塚治虫に多大な影響を与えた「ファウスト」の作者ですが、この作品は歌劇としても有名で、おそらく手塚治虫は小説そのものより、歌劇の方に題材を得てこの作品を描いた...

ユニコ

ギリシャ神話に出てくる伝説の一角獣=ユニコーンの子どもであるユニコが、行く先々で、人々に幸せをもたらしながら旅をするファンタジーです。美の女神・ビーナスはものすごい焼きもちやきで、人間のプシケが自分より美しく人気があるのをねたんでいました。ビーナスは、そのプシケの美しさの秘密が、彼女が飼っているユニコーンの子ども・...

ヨッコちゃんがきたよ!

元バレリーナのママと、売れない児童劇団をやっているパパの間に生まれたヨッコちゃんは、まるで男の子のような荒っぽい性格。というのも、心の弱さからバレリーナの道を断念したママが、星に向かって「心のしっかりした強い明るい子どもをおさずけください」とお祈りした時、天上の世界から使者が舞い降りてきて、オスの子犬の強さをこの子...

リボンの騎士(少女クラブ版)

男の子と女の子ふたつの心を持ったサファイヤ姫が、リボンの騎士として活躍するファンタジーです。サファイヤは、天使チンクのいたずらのせいで、男の子の心と女の子の心を、両方持って生まれました。さらに彼女は、国王のあとつぎとなるために生まれたときから王子として育てられる運命をせおっていたのです。ところが、自分の息子を王位に...

リボンの騎士(なかよし版)

男の子と女の子、2つの心を持ってしまった王女サファイアのお話の、3度目のマンガ化です。いたずら者の天使チンクは、これから生まれる予定の王女サファイアに、男の子の心を飲ませてしまい、神さまから、それを取りもどしてくるように命令されました。一方、地上では、シルバーランドの王妃が、王女サファイアを生みました。しかしこの国...

リンリンちゃん

1960/03-09 「ひとみ」(秋田書店) 連載石から生まれたサルのビコは、内気な泣き虫だが、優しいおねえさんザルのリンリンに力づけられサルたちの王に。仙術を学び孫悟空となって、天国で大暴れするが…。『ぼくの孫悟空』の姉妹編、少女マンガ版『西遊記』。...

ロビンちゃん

不幸な少女ルリと、不思議な少年ロビンちゃんの、海を舞台にした冒険短編です。丘の上から海を眺める少女ルリ。ルリは海に出て行ったきり帰ってこない兄を待って、意地悪な男爵と一緒に丘の上のお屋敷で暮らしています。そこにいかにも上品な風体の少年・ロビンがやってきます。ロビンは男爵となにやら押し問答をしていましたが、欲深い男爵...

火の輪

1961/08/15 「少女サンデー」夏休み増刊号(小学館) 掲載人間に捕まりサーカスへ送られたオオカミの王子ロッコは、火の輪くぐりを演ずるオオカミの娘ベルと出会う。ロッコはベルをだまして利用し脱走に成功した。だが何故か彼女を忘れられず戻ってその芸を見、深く感動する。...

リボンの騎士 チンクと金のたまご

金のたまごを運ぶ天使が、空中でたまごを落し、自分も地上に落下。たまごを見つけぬ限り天に帰れぬ身となった。天使チンクは彼女のためにたまごを探し出そうとひと肌脱ぎ、サファイヤ王子=リボンの騎士も協力する。...

かにとへび

1959/02 『こばと』(集英社) 掲載 心優しい娘が人に捕まえられた蟹を助けてあげます。またその父はヘビに飲まれそうになっていたカエルを助けました。ところが父がヘビに「わしの娘を嫁にやるから、カエルを助けてやってくれ」と約束してしまいました。 ある夜、父娘の住む家に気味の悪い男がやってきて、「娘を嫁にくれ」と...

孔雀石

1955/06 『少女の友』(実業之日本社) 掲載 嵐の夜に、ニューヨークのとある美術館にすばらしい乙女の石像が届けられました。石像はスコットランドの森にある古い池から引き揚げられたものです。石像はその夜、生きかえって美少女・パパイヤとなり、ブルックリンに住むトリス・エスミランを訪ねて行ってしまいます。  いっぽ...

緑の果て(SFファンシーフリー)

1963/07-09 「SFマガジン」(早川書房)に、「SFファンシーフリー」第5話から第7話として連載された。最終戦争によって滅亡した地球から間一髪、ロケットでのがれた男たちが宇宙の果てで見つけたのは、緑がしたたるような美しい惑星だった。ところがこの星の植物をよくよく観察してみると…。この作品は1969/05 「...