1955/09-1957/03 「少女ブック」(集英社) 連載
森の妖精・はこべは、意地悪な魔女の娘ながら、とても優しい少女でした。一方、鍬型城の殿様のルリ姫は、二目と見られないような醜い顔。実は、姫君が生まれるとき、奥方がはこべの母の魔女と鍬型城を守ってくれる代わりに「自分の娘と姫君の顔を取り替えてくれ」という約束をしてしまったからなのでした。魔女の娘の顔となってしまったルリ姫は、仮面で顔を隠して誰にも素顔を見せないようにしています。そこに目をつけた悪人・田亀源五郎とその娘あけびがルリ姫と摩り替わって、お城をのっとろうとたくらみます。日本の民話風の、ファンタジックな短編作品です。