世界に通用するアニメ超大作を、という意気込みで作られた本作は、のべ6万人のスタッフを動員し、7万枚の動画を費やして製作されました。主人公の顔もフランス人俳優ジャン・ポール・ベルモンドに似せたり、音楽もロックを多用したりとワールド・マーケットを強く意識した作りですが、結果としてその試みはいろいろな教訓を得る機会となりました。絵や音楽は高く評価されましたが、主人公はイスラム教徒なのに豚肉を食べたり、ワインを飲んだりする、といった基本的な生活習慣の描き方が受け入れられなかったようです。ワールド・マーケットを意識する、ということは多用な文化とその背景となる宗教のことまでしっかりと考えておく、ということでもあります。
(C)手塚プロダクション
日本ヘラルド映画配給/128分/カラー・ワイド
虫プロダクション/1969年6月14日 ロードーショー封切
アルディン:青島幸男
バドリー:芥川比呂志
ミリアム:岸田今日子
ジャリス:岸田今日子
マーディア:伊藤幸子
カマーキム:小池朝雄
アスラーン:橋爪功
ジン:三谷昇
ジニー:加藤治子
原案、総指揮:手塚治虫
製作:富岡厚司
脚本、構成:手塚治虫、深沢一夫、熊井宏之
美術監督:やなせたかし
音楽:冨田勲
演奏、歌:ヘルプフル・ソウル(ビクター・ワールド・グループ)、フールサンズ
指揮:横山菁児
作画監督:宮本貞雄
原画:中村和子、赤堀幹治、金山明博、北野英明、波多正美、瀬山義文、出崎統、平田敏夫、山本繁、坂本雄作、月岡貞夫、杉井ギサブロー、正延宏三、村野守美、奥田誠治、杉山卓、杉野昭夫、森田浩光、古沢日出夫 ほか
動画:谷沢豊、猿山二郎、牛越和夫、吉村昌輝、小林準治、内海武雄、新田雅利、新田敏夫、木口準、札木幾夫、進藤みゆき
背景:阿部幸次、槻間八郎、渡部孝、明石貞一、竹内俊英、宮本清司、阿土延子、鈴木森繁、八村博也、西田稔
撮影監督:土屋旭
編集:古川雅士
合成編集:伊藤叡
音響監督:田代敦巳(グループ・タック)
構成協力:大宅壮一、北杜夫、小松左京
監督:山本暎一