マンガマンガ

ストーリー

いつの時代でも、少女にとってはアイドルの世界は憧れの的。小さい頃の夢が「歌手になりたい」とか、「女優になりたい」だった、という女性はきっと、たくさんいると思います。
少女マンガにとっては芸能界という舞台はとても親和性が高いもののようで、たとえば「ガラスの仮面」などはその最たるものといえそうです。華やかな舞台、けなげにがんばる才能ある少女、それをいじめるライバルに主人公を利用しようとする悪徳プロデューサーなど、いかにも少女マンガらしい道具立てがいくらもそろえられるところに良さがあるのでしょう。
「白くじゃくの歌」も短編ながら、これらの条件をある程度満たしていて、主人公をいじめるライバルこそ登場しませんが、意地悪なプロデューサー増込氏をハムエッグがさもいやらしく演じて、名脇役ぶりを発揮しています。人気があるうちはちやほやし、落ち目になれば冷たく見捨てる、というマスコミ体質を、見事に風刺しています。
戦死したお父さんの形見がくじゃく、というのも、なんともユニークで夢のある設定です。幸せを運んでくれたこの白いくじゃくは、実は重大な秘密を持っているのですが、そのあたりのエピソードはごく軽く語られるにとどまっています。このあたりが目いっぱい引き伸ばして描かれていたら、ひとつの長編にもなりそうな設定ですが、惜しげもなくサブ・エピソードにとどまってしまっています。ひとつ、読者の私達の側でこのあたりをいろいろ空想してみるのも、面白いかも知れません。

解説

1959/09/15 「なかよし」夏休み増刊号(講談社) 掲載

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