あらしの前のものがたり

ストーリー・解説

1956/08　「おもしろブック」付録（集英社）　掲載

　戦争中、とある南の島の最前線での出来事。まさに今夜、最後の突撃を覚悟した小隊の兵士たちは、仲良くなった現地の動物たちに別れを告げます。「おれたちはこんやしぬんだぞ」と言い聞かせてもなついてしまって離れない動物たちを、ある一人の兵士が敵の弾の届かないところに連れ出しますが…。
　人間は戦争でいがみ合っていても、その奥にお互い、あたたかい心が隠れているはずだ、という手塚治虫の信念を感じさせる小品。
「おもしろブック」付録裏表紙に掲載された作品です。