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ストーリー

学校一の乱暴者にしてヤクザの大親分の息子・バンカラこと明石はひどい暴君。学生は誰一人として頭が上がりません。試合を控えたラグビー部を集めて目の前に真剣を突き立て、「負けたら承知せんぞ、腹切れよ」などとすごむ始末。軟弱な生徒を見つけたら服をひっぺがすなどのひどい仕打ちを加えます。
腕力で皆の上に君臨していたゴッドファーザーの息子ですが、マンガが大好き。「ペンは剣よりも強し」などと言いますが、まさにその至言どおり、ペンの力は偉大なもので、乱暴者のバンカラさえも、手塚少年には一目置くようになります。
解説にも「国粋主義の番長のようなもの」と書かれているこのバンカラ、乱暴者ですがなかなかに侠気もあり、手塚少年の書いた美少女「クミコちゃん」におみやげを買ってきてしまうような可愛いところもあり、印象的なキャラクターです。戦時中の規制の激しい学校で、禁じられているマンガを描き続けた手塚少年と、彼を励まし、勇気付けたバンカラの姿は、夢を実現させる勇気を読者に与えてくれます。
「長いきせえよ、おまえ大モノになるで」と言ったバンカラはしかし、特攻隊に入り、手塚少年のその後の活躍を見ることはありませんでした。
思い出話のように淡々と語られる自伝的作品ながらも、強く印象に残る短編です。

解説

1973/01 「別冊少年ジャンプ」(集英社) 掲載

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  • ゴッドファーザーの息子

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