2つのギャング組織が縄張りあらそいを繰り広げる、X年後の都会。殺し屋に命を狙われているギャングの親分デッド・デキシイは、ある博士に自分の替え玉ロボットを作らせます。息子を拷問にかけられ、仕方なくデキシイに従ったかのように見えたこの博士ですが、実は息子共々ある秘密を持っていたのです…
巧妙な伏線と、少しゾッとするオチが見事で、『ブラック・ジャック』同様、短編構成のうまさが存分に味わえる作品。こういう「どんでん返し」が好きな方も多いのではないでしょうか?魅力的なキャラクターデザインや「からだのそうじ」というフレーズ、そして手塚作品らしい人間に対する風刺もピリッと効いていて、1度読むと妙に忘れがたい味のあるSF短編です。
(SFミックス2巻収録)
1962/08 「別冊少年サンデー」夏休み号(小学館) 掲載