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ストーリー

手塚治虫のライフワーク『火の鳥』の、雑誌「COM」に連載されたシリーズの第5作です。舞台は奈良時代と呼ばれた8世紀の日本。隻眼隻腕の盗賊・我王は、命を助けられた高僧・良弁上人と諸国を巡るうちに、病や死に苦しむ人々の姿に出会い、眠っていた彫刻家としての才能を開花させました。
一方、若き日の我王に利き腕を傷つけられた仏師・茜丸は、精進の末にリハビリに成功して、名声を高め、奈良・東大寺の大仏建立のプロデューサーにまで出世しました。
茜丸のパトロンとなった時の権力者橘諸兄(たちばなのもろえ)は、大仏殿の鬼瓦の製作を、茜丸と我王に競わせることに決め、ふたりはライバルとして運命の再会をします。
しかし、勝負に敗れそうになった茜丸は、我王の旧悪を暴露して、我王の残っていた右腕を切り落とさせてしまいました。

解説

1969/08-1970/09 「COM」(虫プロ商事) 連載

雑誌「COM」で連載の始まった『火の鳥』もこの「鳳凰編」で第5作目となり、まさに脂の乗ってきた時期の作品で、シリーズ全体を通して見ても、特に完成度の高い傑作です。 あらゆる時代であらゆる役割を演じている猿田が、この「鳳凰編」では我王という悪党となって登場しています。 そして、その我王を通して、生きることの意味や輪廻転生とは何かが真正面から描かれているのです。 輪廻転生というのは、一度死んだものは再び別の生き物に生まれ変わって生き返り、それを永遠に繰り返すという仏教の思想で、この『火の鳥』の根底に流れている考え方でもあります。 生まれてすぐに片目と片腕を失い、荒んだ生き方をしていた男が、やがて仏の道につかえ、貧しさにあえぐ人々の心の救済を始めるというその姿には、ある種、神々しささえ感じられます。

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  • 火の鳥 (5)
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