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ストーリー

現代の日本へやってきた吸血鬼ドラキュラが巻き起こす騒動を描いたドタバタコメディです。
東京都練馬区の住宅街の一角にある古い洋館に、ドラキュラ伯爵がトランシルヴァニアから移り住んできました。
愛らしい中学生の娘のチョコラと、顔つきは怖いけれど心優しい使用人のイゴールも一緒です。
ドラキュラ伯爵は、美しき処女の血を求めて夜な夜な街をさまよう誇り高き吸血鬼でありながら、生まれながらの短気やおっちょこちょいから、さまざまなトラブルに巻き込まれ、また周囲に面倒をかけまくってしまいます。
10年来の敵で、吸血鬼撲滅を目指す痔疾持ちのヘルシング教授や、日本で最初に血を吸った女性・ブロンダにしつこくつきまとわれながらも、ドラキュラ親子は、吸血鬼を信じない現代の日本で、夜な夜な現われては、ドタバタを巻き起こしているのです。

解説

1979/05/28-1979/12/10 「週刊少年チャンピオン」(秋田書店) 連載

『ブラック・ジャック』の連載が終わった後、「週刊少年チャンピオン」に連載されたドタバタコメディです。「ブラック・ジャック」の二番煎じを嫌った手塚治虫が、「ブラック・ジャック」とは正反対のマンガを狙ったもので、ドタバタコメディの好きな手塚治虫は、とても楽しんで描いたと後に述べています。 同じ時期に「ドラキュラ都へ行く」(1979年)というアメリカのコメディー映画が公開され、ドラキュラがディスコへ行くという、本作と似たエピソードが出てきますが、偶然の一致であり、本作とは何の関係もありません。 1982年に、26回放映の予定でテレビアニメ化されましたが、広告代理店の倒産で4話まで(一部地域では8話まで)しか放映されませんでした。

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  • ドン・ドラキュラ (1)
  • ドン・ドラキュラ (2)
  • ドン・ドラキュラ (3)

サブタイトル

001 ドラキュラ登場 1979/5/28 「週刊少年チャンピオン」

ルーマニアのトランシルヴァニアから日本へ引っ越してきたドラキュラ伯爵とチョコラの親子。ふたりはさっそく夜の街へ出て、処女の生き血を吸おうとするのだが、たまたま狙った女性が目の前で車にひき逃げされてしまう。チョコラがそのひき逃げした車の後を追ってみると、犯人は何と人気アイドルの青年だった。 ゲスト 通行人/手塚治虫

002 またもやドラキュラ 1979/6/4 「週刊少年チャンピオン」

夜間中学に通うチョコラが、入会しているSF研究会でお金を出しあって、SFヒーローの実物大プラモデルを買うことになった。ところがやっとのことで集めた9万円を支払った会社はインチキの詐欺会社で、商品はもらえずお金も返してもらえない。怒ったドラキュラ伯爵は、単身、詐欺会社へと乗りこんだ!! ゲスト 刑事/田鷲警部

003 やっぱりドラキュラ 1979/6/11 「週刊少年チャンピオン」

チョコラたちSF研は、古い学習塾だった建物を、部室として無料で借りられることになった。ところがその建物では次々と怪奇現象が起こり、ついに部員のノブヒコくんが大けがをしてしまった。実はこの家には、塾の生徒たちの怨霊がとりついていたのだ。チョコラが危ないと感じたドラキュラ伯爵はその家へ急いだのだが……。

004 ドラキュラ・タンカー 1979/6/18 「週刊少年チャンピオン」

時の内閣総理大臣・大平正芳から、ドラキュラ伯爵に晩さん会の招待状が届いた。ところが喜んで官邸に出かけると、実はアラブ産油国の要人と間違えられていたのだということがわかる。ばかにされたと思ったドラキュラ伯爵は、石油タンカーを乗っ取って、首相に謝らせようと考えた。

005 なんちゅうかドラキュラ 1979/6/25 「週刊少年チャンピオン」

ドラキュラ伯爵の宿敵・ヘルシング教授が、オランダから伯爵を追ってはるばる日本へとやってきた。ヘルシング教授はチョコラの通う松谷中学の教師となって、ドラキュラ伯爵を徹底的に追い詰め、その胸にクイを打ち込むつもりなのだ。しかし教授には持病があった。イボ痔である。ついにドラキュラ伯爵の邸(やしき)を突き止めたヘルシング教授だったが、そのとき、またしても持病が悪化した。そして……。

006 もうひとつドラキュラ 1979/7/2 「週刊少年チャンピオン」

ドラキュラ伯爵は、深夜のお色気番組に出ていたポルノ女優・矢良センヌが気に入り、その生き血を吸いたいとテレビ局へ向かう。ところが、エキストラ俳優と間違えられて時代劇に出演させられたり、「便秘」がテーマの座談会に出席させられたりと、さんざんな目にあってしまう。 ゲスト テレビ時代劇の悪役/ブク・ブック

007 ドラキュラVSカーミラ 1979/7/9 「週刊少年チャンピオン」

ある日、チョコラの前に雑誌社のカメラマンと名乗る女性が現われて、雑誌のモデルにならないかと誘う。チョコラがその誘いに乗って伊豆の小島へ行ってみると、そこは先日、数人の若者が殺される殺人事件が起きたばかりの場所だった。そしてその女性の正体とは、ドラキュラ伯爵が300年前に離婚した元妻、そしてチョコラの母である女吸血鬼カーミラだった。

008 もう一度ドラキュラ 1979/7/23 「週刊少年チャンピオン」

フランス大使の令嬢が誘拐され、たまたま不在だったドラキュラ伯爵に、その容疑がかけられる。伯爵は、その容疑を晴らそうと令嬢の行方を探すことにした。そして向かった先は、若者が集まるディスコ。無理矢理踊らされた伯爵は、実は隠れた踊りの才能を持っていて、たちまち若者たちの人気者となってしまう。

009 ドラキュラ半魚人にあう 1979/7/30 「週刊少年チャンピオン」

ヘルシング教授がドラキュラ退治の奇策を思いついた。それは美女の人形を大量に作り、その中にニンニクガスを入れて若い女性の部屋へ置いておくというものだった。ドラキュラが美女と間違えてその人形にかみつくと、たちまちニンニクガスが吹き出すという計画である。ところがその人形たちがなぜか勝手に動き出した。実はその人形の中に、東南アジアから逃げてきた半魚人の難民たちが隠れていたのだ。それを知ったドラキュラ伯爵は……。

010 いとしのブロンダ 1979/8/6 「週刊少年チャンピオン」

ある日、伯爵の家に差出人不明のブキミな肖像画が送られてきた。その肖像画の人物は、夜な夜な絵から抜けだし、家の中を歩き回る。実はその肖像画の人物はドリアングレイという青年で、悪魔の呪いによって絵の中に封じ込められているのだという。そしてその呪いを解くには、かつて恋したブロンダという女性の手で絵を燃やしてもらわなければならないと言うのだが……。

011 どうしてもドラキュラ 1979/8/20 「週刊少年チャンピオン」

明日、チョコラの学校で試験があると聞いた伯爵は、チョコラのためにカンニング用の紙を仕込んだ特製鉛筆を作ってあげた。真面目なチョコラはその鉛筆は使わなかったが、それをヘルシング教授に見つかってしまった。ところが教授は怒るかと思いきや、その鉛筆を商品化して商売をしないかと伯爵に話を持ちかけてきた。

012 ドラキュラは夜にかぎる 1979/8/27 「週刊少年チャンピオン」

チョコラのボーイフレンドでSF研会長のノブヒコくんが、転校して昼間の学校へ通うことになった。太陽の光を浴びると体が崩れてしまう吸血鬼のチョコラは、ノブヒコくんと別れるのが嫌で、何とかして太陽の光を浴びても平気になろうとして必死の努力を繰り返すのだが……。

013 あわやドラキュラ 1979/9/3 「週刊少年チャンピオン」

ドラキュラ伯爵は、由緒ある先祖伝来のマントを探して家中をひっくり返していたとき、物置きの奥から古い棺を発見する。中には砂になったままの先祖の体が入っていた。伯爵が復活の秘法によってその先祖を甦らせてみると、その先祖は、かなりボケてはいるが、凶暴で残忍な殺人鬼であり、「串ざし公」とあだ名された初代ドラキュラ伯爵であることがわかった!!

014 ドラキュラその変身 1979/9/10 「週刊少年チャンピオン」

ウソばかりついて大人を騒がせては喜んでいた少年・道男は、ある日、チョコラがコウモリに変身するところを目撃してしまった。道男は親にそれを話すがいっこうに信じてくれない。道男はとうとうチョコラを見つけだし、「チョコラがコウモリに変身するところを親の前で見せてくれたら、もうウソをつくのはやめる」と断言した。

015 もうひとりのドラキュラ 1979/9/17 「週刊少年チャンピオン」

伯爵の故郷ルーマニアから美人の体操選手オノノ・コマチネが来日した。さっそく血を吸いに向かった伯爵。ところがコマチネの寝室には、すでに伯爵とは別の種族の吸血鬼が来ていた。その吸血鬼はコマチネに恋をしているという。結局、伯爵は、その日は血を吸いそこねて帰った。ところが翌日、コマチネは競技の最中に平行棒から転落して大けがを負い、大量の輸血が必要となってしまう。しかもコマチネの血液はRHマイナスという珍しい血液だった。 ゲスト 道男/どろろ 立ち読みしている少女/ピノコ(『ブラック・ジャック』) 電車の乗客/手塚治虫

016 雨の中のドラキュラ 1979/10/1 「週刊少年チャンピオン」

ある日、伯爵は街角の占い師から、不吉な予言をされる。「伯爵は天変地異に遭遇し、もし伯爵本人が命を落とさないときには、命より大事なものを失う」と言うのだ。命より大事なものといえば愛娘のチョコラ以外に考えられない。不安に襲われた伯爵はチョコラに外出を禁じるが、占いなど信じないチョコラは平気で外出してしまった。そしておりしも大型の台風が日本に接近していた!!

017 かろうじてドラキュラ 1979/10/8 「週刊少年チャンピオン」

伯爵とチョコラは、イゴールが運転する馬車で移動中に、トンネル火災事故に巻きこまれる。そして、火に追われて逃げこんだ避難用の小部屋には、心中をしようと思って家を出てきた家族と、やくざの組長を殺して宝石を奪って逃げているふたりの強盗もいた。

018 なぜか今ドラキュラ 1979/10/15 「週刊少年チャンピオン」

伯爵の家の近くに、中国の貨物機が墜落し積んでいたパンダとトラの子どもが逃げ出した。ただちに山狩りが始まったが、いっこうに見つからない。それもそのはずで、実はチョコラが見つけて邸の中にかくまっていたのだ。追っ手の大人たちは、パンダは貴重だから生捕りにするがトラは危険だから射殺するという。チョコラはそうした大人の勝手な考え方に怒るが、そうこうしている間にも追っ手は邸へと迫っていた。 ゲスト 強盗1/アセチレン・ランプ 強盗2/ヘック・ベン

019 ドラキュラ帰る 1979/10/29 「週刊少年チャンピオン」

伯爵が目をつけ、毎晩血を吸いに来ていた美女がいた。ところがふと隣の部屋を見ると、その女性の弟が首を吊って自殺しかけていた。伯爵はあわててそれをやめさせ、話を聞くと、姉弟はふたり暮らしで、受験勉強の疲れから自殺を思い立ったのだという。伯爵はその弟を励ますために、勉強を教えてやると言うのだが、実は伯爵も勉強は大の苦手だった。

020 くるしまぎれのドラキュラ 1979/11/5 「週刊少年チャンピオン」

伯爵がカゼをこじらせて動けなくなった。チョコラはそんな父のために、処女の生き血を求めて夜の盛り場を歩き回る。ところが出会うのは補導員や暴走族ばかりでめざす美人の処女には出会わない。困り果てたチョコラは、自分の通う中学でも厳しいと評判のハイミスの女教師に目をつけ、その先生に家へ来てくれるようにと誘った。しかし……。

021 ドラキュラちがい 1979/11/12 「週刊少年チャンピオン」

恋人を吸血鬼に襲われ、その復讐のために吸血鬼ハンターとなった青年。彼は日本に吸血鬼がいると聞いて、アメリカからはるばる日本へとやってきた。もちろんそれはドラキュラ伯爵の仕業ではなく、マニトウという吸血鬼のしわざだったのだが、そんなことに聞く耳をもたない青年は、餓死寸前の弱った体で、伯爵に銃を向ける。そしてその銃には、吸血鬼を倒せるという銀の銃弾が込められていた!!

022 ドラキュラ列車 1979/11/19 「週刊少年チャンピオン」

国鉄が観光用に復活させた旧式のSLが、毎夜、勝手に走り出しては人を轢き殺すという事件が起こり、人々は吸血鬼列車と呼んで恐れていた。ヘルシング教授はさっそくその列車の調査にやってきた。するとその日も無人のSLは勝手に動きだし、教授を追い回し始めた!! そこへ現われたドラキュラ伯爵。伯爵は、吸血鬼の評判を落とすその列車の正体を探るべくやってきたのだった。そして……。 ゲスト 神父/フランケンシュタイン 旅客機のパイロット/力有武 英語教師/レッド公

023 ジョーズ・オブ・ドラキュラ 1979/11/26 「週刊少年チャンピオン」

虫歯になってしまった伯爵は、チョコラにむりやり歯医者へ連れて行かれる。最初は嫌がっていた伯爵だったが、医者が美人の女医だと知って急にはりきって通院を始める。ところが、その女医がふとしたことから宝石密輸団の秘密を知ってしまい、誘拐されてしまった!! ゲスト 国鉄職員/ナイロン卿(『リボンの騎士』) SLの元機関士/お茶の水博士

024 ドラキュラくずれ 1979/12/3 「週刊少年チャンピオン」

小学生の悪ガキ4人組が、テレビのヒーローをまねて悪漢退治をやろうと言いだした。そして標的として選んだのが、町外れの洋館、つまり伯爵の邸だった。少年たちのひとりが、以前、従者のイゴールに怒鳴られたことがあり、そこに住むのは悪人だと決めつけたのだ。しかし忍びこんだ邸の中で、チョコラは少年たちに本物の戦争の悲惨さを教え、戦争ごっこなどくだらないと諭す。伯爵とチョコラの故郷ルーマニアは、かつて悲惨な戦争の歴史を歩んできた国だったのである。 ゲスト 密輸団の運び屋/ハム・エッグ 田中先生の夫/ロック・ホーム

025 さんざんドラキュラ 1979/12/10 「週刊少年チャンピオン」

チョコラの所属するSF研で、学園祭のために巨大なエイリアンの模型を製作した。ところが学園祭当日、その模型が姿を消してしまった。と同時にエイリアン製作に関わったSF研のメンバーが次々と頭の痛みを訴える。これはエイリアンのたたりなのか? 学園祭を見にやってきていた伯爵は、体育倉庫の中にそのエイリアンの姿を発見した。そして……。



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