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ストーリー

 ひとりの男と、どんな人間にでも変身できる謎の女性I.L(アイエル)の目を通して、現代の病巣を、さまざまな角度から浮き彫りにした、大人のためのおとぎ話です。 映画監督の伊万里大作は、3年前までは一流の監督として名が知られていました。 しかし、映画に夢が持てなくなってしまったため、わざとめちゃくちゃな映画を作って映画界に別れを告げたのです。 そんなある日、街角の占い師から、古い大きな家を紹介され、そこでアルカード伯爵という男から、I.L(アイエル)という名の不思議な女性を託されました。 アイエルは、愛用の棺の中に入ると、老若男女、どんな人物にでも変身することができるのです。 伊万里大作は、アイエルを使って、身代わり引受業のようなものを始めました。 依頼があると、アイエルがその内容に応じて、さまざまな人物に変身し、大作が陰からその演出をするのです。

解説

『地球を呑む』(1968-1969年)に続いて、青年コミック誌「ビッグコミック」に連載された作品です。 前作では、長編にするか読み切り形式にするかで迷い、結局、中途半端になってしまったという反省を踏まえて、この作品は最初から、1回1話完結形式の読み切り連載として描かれました。 手塚治虫は当初、タイトルを「I WILL」の意味で「I'L」としたつもりでしたが、予告編に、間違って「I.L」と出てしまったため、思い切って、それをヒロインの名前にし、タイトルも「I.L」に変えてしまいました。 手塚治虫のマンガは、あらかじめ綿密に計算されたプロットが用意されていることが多い一方、それを状況に応じて柔軟に変化させていくライブ感覚も併せ持っています。 この、タイトル変更のエピソードなどは、そうした手塚治虫のライブ感覚の一端をうかがわせる典型的な例と言えるでしょう。

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  • I.L 1
  • I.L 2

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