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ストーリー

ひとりの悪女の生き方を軸にして、人間社会のゴタゴタを昆虫世界になぞらえて描いた風刺ドラマです。
その年の芥川賞を受賞したのは、天才と噂される新進作家・十村十枝子でした。
そしてその授賞式が行われているとき、別の場所で臼場かげりという女が自殺をしていました。
臼場かげりと十村十枝子は、かつて一緒に暮らしていたこともある仲であり、実は、十枝子が受賞した小説は、臼場かげりが書こうとしていた作品の盗作だったのです。
十村十枝子は、次々と才能のある人間に接近しては、その才能を吸い取り、作品を盗んでは成長していく寄生昆虫のような女だったのです。

解説

大の昆虫好きだった手塚治虫は、多くの作品に昆虫を登場させていますが、この作品では、人間社会そのものを昆虫社会になぞらえて皮肉たっぷりに描いています。 この作品が発表された1970年ごろの日本は、日本が経済的に飛躍的な発展をとげた1960年代=高度経済成長時代が、ちょうど終わりを迎えた時期にあたります。 つまり、熱病のように浮かれていた日本人の心にすきま風が吹きはじめ、どこかに空しさが芽生えはじめた時代でした。 そうした空しさの中で、目的のためには手段を選ばないしたたかな女性・十村十枝子の姿は、実に魅力的に映ったのでした。 そして、そんな強い女をずっと演じ続けた彼女が、作品のラストでふとでつぶやく言葉、 「私……さみしいわ…………ふきとばされそう…………」 このセリフこそが、まさにこの作品と時代を象徴した言葉として忘れがたい印象をもたらします。

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  • 人間昆虫記 1
  • 人間昆虫記 2

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