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ストーリー

八丁池にすむ狐のゴロ。実は人間にも同じゴロという少年がおり、二人はひょんなことから親友になった。ところが、八丁池を切り開こう、というオトナが現れて…『八丁池のゴロ』は、「ゴロ」という同じ名前を持った、キツネと少年の交流を描いた心温まる作品です。手塚作品には『ジャングル大帝』をはじめ、『フライングベン』『勇者ダン』『大地の顔役バギ』など、動物と人間の交流を描いた作品が数多くありますが、この『八丁池のゴロ』もそのジャンルの典型的な一作といえます。伊豆半島の温泉地に、湯が村という、あまり流行っていない温泉地がありました。この湯が村には八丁池という大きな池があり、周辺の森には動物がたくさん住んでいました。その中には、子ギツネのゴロとその一家もいましたが、ある日、母ギツネが車にひかれてケガをしてしまいます。池の近くに住む少年・ゴロが、偶然このキツネ一家の巣を見つけ、母ギツネのケガために温泉のお湯を運んだことから、この1人と1匹の「ゴロ」の交流が始まるのです。やがて、米軍による森の開発が始まり、この「ゴロ」コンビは、動物達の住処を守るために、開発事業に反対するのですが…作品全体には、動物作品特有の童話的なムードが漂ってはいますが、そこは手塚作品。環境軽視の無責任な開発事業や、お金に目がくらんだ地元の人間達など、社会に対する風刺がストレートに盛り込まれています。なお、開発や自然災害などによって、森の動物が住処を追われ…というのも、手塚漫画でたびたび出てくるシチュエーションですが、この『八丁池のゴロ』では、人間と動物の理想的な共存でハッピーエンドを迎えています。掲載紙が新聞であることや、絵柄・題材など、同時期に描かれた『ハトよ天まで』と似た雰囲気もあり、『ハトよ〜』が好きな読者にもぜひおすすめです。

解説

1968/01/01-12/29 「赤旗日曜版」(日本共産党中央委員会) 連載

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  • タイガーブックス (5)

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