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ストーリー

「0次元の丘」は、輪廻転生を題材にしたSF作品です。
小学生の山岡利男少年は、名指揮者ベルヌがふきこんだレコード「トゥオネラの白鳥」を聴くたびに涙を流していました。このレコードを聴くと、なぜか大きな木と白い壁のある景色が目に浮かび、その場所こそが自分の故郷だ…と言うのです。利男の兄が、このふしぎな現象について調べてみると、その景色はベトナムのリエンタ村のものであること、また利男と同じような体験をしている子ども達が、他の国にも4人いる事が判明。そして、この謎をとくため5人の子ども達がベトナムに集められ、ついに驚愕の事実が明らかになるのでした。
この物語の前半は、とにかく謎だらけです。なぜ「トゥオネラの白鳥」を聴くと、見た事もないベトナムの景色が目に浮かぶのか?なぜベルヌが指揮したレコードを聴いた時だけ現象が起こるのか?なぜ利男だけでなく、他の国でも同じ現象が起きているのか?そして、なぜ集まった子ども達は全員が9歳なのか…?
そして後半、ベトナムに舞台が移ると、ベルヌ本人の登場をきっかけにこれらの謎が一気に解決します。前半での、細い糸をたぐるような調査で提示された数々のヒントも消化され、読者のフラストレーションも一気に解消されるのです。
まさに短編のお手本ともいうべき見事な構成で、しかもあまりに自然なので思わず読み流してしまいそうになりますが、この手塚治虫の手腕こそ作品の一番の読みどころですので、物語を楽しむのと同時に、ぜひ「全体の構成」という視点からも楽しんでもらえたらと思います。

解説

1969/03/30 「週刊少年サンデー」(小学館) 掲載

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  • タイガーブックス (4)

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