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ストーリー

テレビ局に住みついた妖怪が巻き起こす騒動を描いた、コメディタッチの怪奇マンガです。
根沖トロ子は、ドジでノロマなテレビタレントです。番組に出るたびに騒ぎを起こし、番組をメチャメチャにする疫病神(やくびょうがみ)なのです。
ところが東西テレビでは、なぜかそんなトロ子の機嫌をとってまで彼女を使おうとするのです。
三流雑誌の記者・間久部緑郎、通称・ロックは、その秘密を探るうち、東西テレビの13号スタジオに住みついた妖怪・ブッキラを見つけ、ブッキラにひどいいたずらをされてしまいます。
実は13号スタジオでは、3年前から怪現象が起こって被害者が続出していたのです。ところがトロ子が出演するときだけは何も起こらないのです。それは、トロ子がブッキラの恋人だったからでした。

解説

1985/04/26-1985/07/26 「週刊少年チャンピオン」(秋田書店) 連載

前に同じ「週刊少年チャンピオン」に連載された『ドン・ドラキュラ』(1979年)の流れをくんだ怪奇コメディです。 今回は、ブッキラという妖怪が登場しますが、これは手塚治虫が創作したオリジナルキャラクターです。 またそのブッキラのほかにも、各話のゲストキャラクターとして、悪魔のピアノ(第7話「ピアノイドの家」)や、金の精(第8話「呪いの100円玉」)など、オリジナルの妖怪が多数登場し、まるで『どろろ』のコメディ版といったにぎやかさです。 しかし、この作品と同時期に製作中だったテレビスペシャルアニメ『悪魔島のプリンス 三つ目がとおる』(1985年8月放映)で手塚治虫が多忙となってしまったため、連載は、中途半端な形で打ち切りになってしまいました。

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  • ブッキラによろしく! (1)
  • ブッキラによろしく! (2)

サブタイトル

001 なぜ13号スタジオ 1985/4/26 「週刊少年チャンピオン」

東西テレビのプロデューサーの仁古見(にこみ)は、他の人の反対を押し切って、毎回、ダメタレントの根沖トロ子を起用する。
その理由は何か? 三流雑誌の記者・間久部緑郎=通称ロックは、トロ子に接触し、話を聞いたところ、13号スタジオにいるブッキラという人物(?)が鍵を握っているらしいことがわかる。
そこでロックがひとりスタジオへ入ってみると、いきなり頭からホコリや小便をかけられてしまった。ブッキラというのは、そのスタジオに住みついている小鬼のような妖怪だったのである。 ゲスト 仁古見/ハム・エッグ 間久部緑郎/ロック・ホーム

002 夜明けのデート 1985/5/3 「週刊少年チャンピオン」

ロックは、13号スタジオでひんぱんに起こる怪事件が、トロ子が出演しているときだけは起こらないことを突き止め、その理由を探るため、トロ子を夜明けのドライブに誘い出す。そして海岸でトロ子を問い詰めたとき、その背後にブッキラが現われた! そして……。

003 ルポライターはつらいよ 1985/5/10 「週刊少年チャンピオン」

東西テレビプロデューサーの仁古見(にこみ)は、ロックから500万円の借金をしていた。その借金を帳消しにするため、やくざにロックを痛めつけてもらうよう依頼する。
けれどもそのやくざのボスは、ロックではなく、トロ子の方に興味を持ってしまった。トロ子を誘拐すれば、東西テレビから巨額の身代金がもらえるに違いない。
トロ子が誘拐されたことを知ったロックは、ブッキラを呼び、トロ子の救出に向かう。

004 最初のなぐりこみ 1985/5/17 「週刊少年チャンピオン」

妖怪の世界から、ザブトンのような姿の妖怪がやってきた。それはブッキラの学校のザザプトン先生だった。実はブッキラは、妖怪の世界でいじめにあい、不登校になっていたのである。 そして先生とブッキラを追って、不良妖怪がやってきた。ザザプトン先生は、その不良妖怪に、あっけなくにぎりつぶされ、こんどはブッキラの方へ迫ってきた!! ゲスト AD/タコ

005 ブッキラのなぞに挑戦 1985/05/24,85/06/07 「週刊少年チャンピオン」

トロ子はとうとう東西テレビをクビにされてしまった。
一方、どうしてもブッキラの正体が知りたいロックは、トロ子のマンションへ押しかける。
そして、ブッキラが熱に弱いことを利用して、ヘアードライヤーの熱を浴びせ、動けなくなったところを、ナイフで指を切り取ってしまった。
ロックはその指を大学の研究室へ持ち込み、分析してもらった結果、それは粘菌の一種だと言われる。粘菌というのは、暗い湿った場所に生息する菌類の一種である。
しかし、そこにとつぜんポルターガイスト現象が発生した。怒ったブッキラが仕返しにやってきたのである。そこで博士は、ブッキラを乾燥室へ追い込む作戦を考えた。

006 猿の手 1985/06/14,85/06/21 「週刊少年チャンピオン」

ある日、香港から見知らぬ婦人がトロ子のマンションに現われ、1つのスーツケースを置いていった。開けてみると、そこにはミイラになった猿の手が入っていた。
それを聞いたロックは、ある伝説を思いだす。猿の手が3つの願いをかなえてくれるのだが、かわりに、その手は一生、その人間にとりついてしまうというのだ。
トロ子は猿の手に「またテレビの仕事がやりたい」と願うと、それはすぐにかなえられた。だが、そのころ、トロ子に猿の手を託した香港の婦人は、全身に猿にひっかかれたような傷のついた死体となって見つかった。

007 ピアノイドの家 1985/06/28,85/07/05 「週刊少年チャンピオン」

猿の手の一件でマンションを追い出されたトロ子が、次に引っ越したのは、森の中に建つ豪華な一戸建てだった。そこには家具の他に、大きなグランドピアノが付いていて、家賃は半年間タダ、その後も月1万円だという。
不審に思ったロックが調べると、これまで、そこに住んだ何人もの人間が行方不明になっていることがわかる。そしてその原因は、広間に置かれているピアノにあることもわかった。
そのピアノには悪魔がとりついており、人間を食べてしまうというのだ。そしてその悪魔は、トロ子にも迫っていた!! ゲスト 郵便配達夫/ヘック・ベン ベスト楽器大小工場社員/ノラキュラ

008 呪いの100円玉 1985/7/12 「週刊少年チャンピオン」

トロ子が、妖怪・金の精に取りつかれてしまった。その金の精は、昔、ひとりの少年が100円玉をドブに落としてしまい、そのために肺炎になって死んだ、そのその怨みが凝り固まったものだった。
トロ子の頭にしがみついた金の精は、トロ子が希望の金額を言うと、その金額だけの100円玉を出してくれる。しかし、その度に金の精は重くなっていくのだ。
困ったトロ子がブッキラに助けを求めると、ブッキラは、最初に拾った100円玉を捨てれば助かるという。しかし仕事がなく貧乏なトロ子は、その100円を捨てることを必死で拒むのだった。

009 迷子島の囚人 1985/07/26 「週刊少年チャンピオン」

ある日、トロ子は、テレビコマーシャルの撮影だと言われ、迷子島という島へ呼び出された。ところが、ロックと一緒にその島へ着いてみると、そこは太平洋戦争中に日本軍の砲台のあった島で、今は荒れ果てた無人島になっていた。
そして、そこには戦争中に死んだ兵士たちの怨念がうずまいていたのである。
トロ子は、ブッキラを呼ぶのに必要なぬいぐるみを家に置いてきてしまったため、ブッキラを呼ぶこともできない。そこへ亡霊たちが迫ってきた!!



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