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ストーリー・解説

1955/06『一年ブック』(秀文社) 掲載

毎晩やってきては麦畑を荒らす悪い馬を主人公イワン少年が捕まえると、馬は許してもらう代わりに三頭の馬をプレゼントする、といいます。黒い馬が二頭に、人間の言葉を話すこうまが一頭。イワンはこうまに連れられてお城に向かい、王様に会って王宮の馬小屋の番人になります。
 ところが悪い家来が取り立てられたイワンをよく思わず、王様をそそのかしてイワンに無理難題を次々と吹っかけます。
 伝説の火の鳥を捕まえろ、太陽の妹の月姫を連れてこい……  イワンはこうまのちからを借りて、無理難題を次々と解決します。

 原作はロシアの詩人、ピョートル・パーヴロウィチ・エルショフによるロシア伝統民話の題材を取り入れた童話で、バレエやアニメ映画にも翻案されています。手塚治虫はロシア(そのころはソビエト連邦という名前でした)で1947年製作、1949年3月に日本でも公開されたアニメ映画を見て、『せむしの仔馬』がすっかり好きになりました。ライフワークとなった『火の鳥』のキャラクターは本作に登場する脇役の火の鳥がルーツですし、最晩年のテレビアニメ作品『青いブリンク』も、この作品を換骨奪胎して現代風にしたものです。


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