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ストーリー

チッポくんは、ネズミを食べられない、心の優しい子ネコです。
しかしそれは、ネコの世界では「おちこぼれ」を意味します。ネコはネズミを追っかけるもの、捕まえるもの、そして食べるもの…それが常識なのです。当然チッポくんは、家族や友達から叱られ、笑われ、変わり者扱いされます。それでもネズミの味方をやめないチッポくんは、すっかりネズミと友達になったばかりか、時には彼らと協力して、ネコの世界のトラブルを解決したりもするのです。
『チッポくんこんにちは』は、昭和32年の雑誌連載、昭和48年の絵本および雑誌連載と、形式を変えて3回も描かれており、これはヒット作以外では非常に珍しいパターンです。おそらく手塚治虫は、得意の動物ものであると同時に、「ネズミの味方をするネコ」という設定を気に入っていたのかもしれません。
大人が子供に強制する「常識」には、誰でも一度は耐え難い重責を感じたり、傷ついたりした事があると思います。そんな悲しい経験を、手塚治虫はチッポくんの境遇に重ね合わせながら、最後はチッポくん(子供)の「勝利」を描くことで、読者にカタルシスを与えています。
「あとがきにかえて」からもわかるように、この作品から重たいテーマを読み取ろうとするのは、そう難しいことではありません。が、まずはかわいくて優しいチッポくんの奮闘振りを応援しながら読んでみて下さい。きっとあたたかい気持ちになれるはずです。

解説

1957/01-1957/12 「たのしい三年生」(講談社) 連載 ・1973/03/20  単行本(学習研究社)・1973/07-1974/06 「二年の学習」「三年の学習」(学習研究社) 連載

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  • チッポくんこんにちは

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