2018年に生誕90周年を迎える手塚治虫。その記念出版ということもあり、今年の年末から来年末にかけて、ファン感涙の貴重な手塚本出版が目白押しとなっている。そこで今回から前中後編の3回に分けて、手塚関連の本の出版に情熱を傾けているこだわりの編集者たちを直撃取材することにした! 第1回目は、今年2017年8月から刊行が始まった復刊ドットコムの『三つ目がとおる《オリジナル版》大全集』の現場だ。原画をコラージュするってどういうコトなのか? 間違い探しが重要な仕事とは? さっそくその編集現場へおじゃましてみよう!!
9月。残暑がぶり返した蒸し暑いある日の午後。おふたりの方にお越しいただいた。おひとり目は復刊ドットコム取締役編集長・森 遊机(もり ゆうき)さん。そしてもうひとりが手塚プロ資料室の田中創(たなか はじめ)さんである。
今年2017年8月から刊行をスタートさせた『三つ目がとおる《オリジナル版》大全集』全8巻(復刊ドットコム刊)で森さんは企画・プロデュースと編集を担当、田中さんは森さんと共に共同編集として本の奥付に名前を連ねている。
聞けばこの本は、このおふたりを主軸とした混成メンバーによるチームで製作されているというが、その製作現場での作業が普通の手塚マンガの編集作業とはかなり違っているらしいのだ。いったいどう違うのか。さっそくお話をうかがおう。
森さん、田中さん、こんにちは!
まずは森さんにおうかがいします。今回の『三つ目がとおる』の本は、かなり特殊な作り方をされているそうですね。
森「特殊をめざしたわけではないんですが、この作品のオリジナル版を刊行するがゆえに、結果的に特殊になってしまった、ということですね。
黒沢さんもご存知の通り、手塚先生はご自分の作品を単行本にするときに、ページをカットしたりコマを切り貼りするなどして、連載時とはまるで別物といっていいほど作品を作り変えてしまうことがあります。『三つ目がとおる』ではその傾向が顕著で、お話の順番が入れ替えられたり、雑誌連載時にあったエピソードがごっそり削られていたり、別々のページにあったコマを切り貼りして新たなページを作るなど、そうとう大変なことになっていたんです。
ですから、現在手塚プロに保管されている生原稿も、切り貼りされた後のもので、雑誌連載時とはかなり違ったものになっているんですね。
今回の『大全集』では、そんなふうにバラバラに切り離されてしまった原稿を、雑誌連載当時の並び順に、もう一度並べ直して復元しようという試みです」
ひゃー、まるで昔の土器の復元みたいですね。
森「ええ。パズルと同じですよ。バラバラになっている原稿のピースをひとつひとつ組み合わせていき、原稿が失われてしまったコマだけは雑誌の現物からスキャン、レストアして補完複刻するという作業を続けています」
原画のかけらを寄せ集めて雑誌連載当時の誌面を再現する今回の方法を、便宜的に「原画コラージュ方式」と呼ばせていただきます。それにしても森さん、この原画コラージュ方式って趣味や研究者としてやるならともかく、出版社の仕事として成り立つんですか?
ぼくも仕事で手塚先生の生原稿を見せていただいたことが何度かありますけど、古い作品なんてほんとにコマごとにバラバラに切り離されていますよね。しかも『三つ目がとおる』の場合はそれが週刊連載4年分ですからね!
森「もちろん弊社にもぼくにも、『やるからには』という気がまえはありましたし、それを可能にした最大の功労者が、ここにいる田中さんです。田中さんは、この企画が立ち上がるずっと前から、バラバラになっている『三つ目がとおる』のコマ原稿のかけらが元はどこに使われていたものなのかを丹念に調べて、原稿の裏にシャープペンシルでメモしておられたんです。いや、かけらと言っても、小さいものだとホントに2cm角くらいのものとかもありますからね(笑)。そんな切れ端の裏にもていねいにメモが書かれているのを見せていただいて、これなら本が作れる、と確信を持ちました」
何と! もしかして田中さんも、その当時から原画コラージュ方式で『三つ目がとおる』の本を出そうと考えておられたんですか?
田中「いえいえ、そんなことはまったく考えてませんでしたよ(笑)。5年ほど前ですがたまたま仕事が暇な時期があったので、そのころに整理しておこうかなと思ってやっていたんです。『三つ目がとおる』に限らず、全原稿について、バラバラのコマを、このコマがどこにあったものなのかとか、少しずつ調べていたんです。それがまさかそれがこんな形で役立つとは思ってもいませんでした」
具体的にはどんな風にしてコマの出所を特定されていくのでしょうか。
田中「完全な手作業ですよ。雑誌の切り抜きや古い単行本を並べて、切り抜かれた原画を見ながら、どこに一番最初に使われたかということをひとつひとつ調べていくんです」
気の遠くなるような作業ですね。ぼく(黒沢)は学生時代に上野の東京国立博物館でアルバイトをしたことがあるんですが、そのころに研究室で見た古代史の学者さんの姿と重なりますよ!
それにしても森さん、そこまでして原画コラージュ方式にこだわる意味は何なのでしょう。こう言ってしまっては身も蓋もないかもですが、以前出された『火の鳥』や『鉄腕アトム』のように、最初から全ページ雑誌からの復刻でも良かったのでは?
森「そうしなかった理由は、大きく2つあります。まずひとつは、『三つ目がとおる』が連載された当時の社会的な事情ですね。『週刊少年マガジン』に1974年から78年にかけて連載されましたが、この前年に石油ショックが起きましてね。世界的に石油の価格が高騰して供給量が減り、出版業界も大ダメージを受けたんです」
ぼくも良く覚えています。都市部でトイレットペーパーの買い占めが起こるなどして、紙パニックになったんですよね。
森「はい。紙の供給量が減って、各各誌とも、大幅に減ページしたり紙の質を落すなどするしかなくて、この時代に出たマンガ雑誌は、どこの社でも紙の質が良くないんです。手塚作品でいうと、ちょうど『ブラック・ジャック』や『三つ目がとおる』が連載されていた時期。なので、やむない事情とはいえ、これらの作品はページの裏写りがきつくて、誌面からの複刻には向かないんです。修正がものすごく大変になりますし、もともと線がにじんでいたり、細かい部分がつぶれてしまったりしていて、手塚先生の流麗なペンタッチの味わいが、かなり損なわれていますから」
では、ふたつ目の理由は何でしょうか。
森「『三つ目がとおる』を原画コラージュ方式にしたもうひとつの理由は、昨年春に急逝された、手塚プロ資料室長(当時)の森晴路さんとの約束です。
晴路さんには、ぼくがパイオニアLDC(のちのジェネオン エンタテインメント)の社員で、手塚作品の復刻などを初めて手がけたころからお世話になっていまして、10数年間、ずーっと二人三脚で仕事をしてきた、大恩人なんです。
『鉄腕アトム《オリジナル版》復刻大全集』(2009-11年)などは、本誌と別冊付録を雑誌連載時と同じ判型と内容で出し、当時の広告なども再現した、複刻のひとつの完成形ではないかと自分なりには思っています。
つまり、複刻には複刻の良さがありましてね。柱のコピーとか次回予告とか、そういう雑誌連載当時の空気というか、臨場感が出ます。
でも、そのころ晴路さんと話していたのは、将来、『ブラック・ジャック』や『三つ目がとおる』を雑誌連載版で出すときには手塚先生の原画でやりたいね、という話だったんです。
これら70年代の作品は、それまで複刻してきた大昔の手塚作品とくらべて原稿もほぼ揃っているし、さっきも言ったように当時の雑誌の紙質が良くないので、手塚先生のペンタッチの素晴らしさが複刻では読者に伝わらない、だからぜひ原画でやりたいと。そんな思いが、晴路さんには強くあったんですね。
そうして一緒に作ったのが、原画を使用した『ブラック・ジャック大全集』全15巻(2012-13年)でした。この本は雑誌からの複刻ではないので、書名に“複刻”という言葉は使いませんでした」
『ブラック・ジャック』の原稿は、単行本化の際の書き変えや切り貼りはあまり多くなかったんですか?
森「やはり、ちょこちょこありましたよ。『三つ目がとおる』ほどではないですが。そこで、『ブラック・ジャック大全集』の時は、そうした改編箇所を、巻末の図説で図版入りでフォローしたんです。たとえば第1巻に収録した「ふたりの修二」という話には、『ブラック・ジャック』と同時期に『週刊少年チャンピオン』に連載されていた吾妻ひでお先生のギャグマンガ『ふたりと5人』が楽屋落ちネタとして出てくるんですが、のちの単行本ではカットされていました。手塚先生は、そうした“当時ネタ”的なものは、単行本ではまず最初にカットなさいますからね」
そしていよいよ次は『三つ目がとおる』になるわけですね。
森「そうなんです。ところが、いよいよ始めることになって、全何巻にするかなどの検討を始めた矢先、昨年2016年春、森晴路さんがご病気で急逝されてしまったんです。もう悲しくて、大変なショックでしたね。今でも信じられないくらいです。
でも、ぼくは、晴路さんと約束していましたからね。『三つ目がとおる』を、原画を使って刊行しようという気持ちに迷いはありませんでした。
それで、晴路さんから原稿がバラバラだとはうかがっていたので、それを見せてもらいに野火止(手塚プロ新座スタジオ)へ行って、田中さんが子細に整理された原稿の束を見たわけですよ。びっくりしましたね。
田中さんには、晴路さんがご健在だったころから資料提供などでお世話にはなっていましたが、直接コンビを組んで仕事をするのは今回が初めてなんです。その新たな船出に、晴路さんは素晴らしい後任者を遺していてくれていたんだなあと、あらためて感謝しています」
田中「いやいやいや(笑)」
具体的な作業はどのようにして進められているんでしょうか。
森「『少年マガジン』の全話の切り抜きスクラップと、田中さんからいただいた未収録原稿のコピーなどを元に、雑誌と既存の単行本を見くらべながら、原画のピースを並べなおしていきます。この準備作業は、今、『ワイルド7 [生原稿ver.]』(復刊ドットコム刊)でもお世話になっている旧知のベテラン編集者、山田隆幸さんにアシストしていただいています。次に、スキャンした原稿同士をデジタルデータ上でコラージュしたり、欠落しているコマや消されてしまった絵などを雑誌からスキャン、レストアして補い、ページごとの印刷データとして制作していくのが、オフィスアスクの吉川彩子さんのお仕事です。吉川さんには、先日刊行した『デロリンマン 1970・黒船編』(復刊ドットコム刊)でもお世話になりましたが、画像の修復に関して非常に優秀なプロフェッショナルですね。そして、前社時代から長く仕事をしてきて大変信頼しているデザイナーの山田マリエさんに、デザインと編集協力の両面で加わっていただき……という、初めて組む人と慣れ親しんだ人との、まさに“混成チーム”で作業をしています」
ちょうど第1巻が刊行されて、現在は第2巻編集の真っ最中だと思いますが、ここまで作業をやられてみていかがですか?
田中「最初から大変だとは思っていましたが、思った以上に大変ですね。あれだけ事前に確認してあったのに、それでも見落としがあるんですよ。例えば第1巻で天人鳥の入ったボールが出てきますが、机の上にこのボールが置かれていなきゃいけないはずのコマで、そのボールが消されていたところがあったんですよ」
森「あれは、田中さんが見つけてくれたんでしたっけ? 校了間際に連絡が来て、『天人鳥がいません!』って(笑)」
田中「そうです」
森「もう、校了ギリギリ前ですよ。どうしてそんなことになったかというと、手塚先生が単行本化の際に、収録する話の順番を入れ替えていたんですね。あるコマでテーブルの上に天人鳥のボールがあってはまずいので、原画の上に紙を貼ってボールを消してしまっていた。しかも、2箇所も」
つまり、もし、それに気付かないで原稿を雑誌連載時の順番に並べ直すと……。
田中「テーブルの上にあるはずのボールが2コマだけ消えているという、おかしなことになってしまうんですね」
森「あれだけ全員で校正を見たのにねぇ……(苦笑)。それでも気付かないものなんです。田中さんから連絡をもらって、すぐ雑誌を見ると、確かにあるんですよ。天人鳥のボールが、ぽつんとテーブルの上に。
ほかにも、第4話「酒船石奇談」で、単行本化の際に全面描き変えられたと思っていた旅館のページの中に、1コマだけ雑誌連載時の原画が生き残っていることが分かって、それを急きょ、復刻から原画使用に戻したり……。 もう、スタッフみんなで間違い探しをしてる感じです。少なくとも、ひとり1箇所以上は、他の人が気づかなかった箇所を見つけていますから(笑)。まさにチームワークの産物で、ひとりではとうていできない仕事です。
ある時、田中さんから、そういう複雑なコマの切り貼り情報のメールが来て、その最後の1行に、「ややこしさの極みです」って、悩ましげに書いてあった。まさにその通り、と思いましたね(笑)」
田中「本当に『三つ目~』はややこしすぎますよ」
森「それと、雑誌版と単行本の違いも大きいですが、各単行本同士の間でもけっこう細かく違っていたりするし、その初出の姿は長らく謎に包まれていた。複雑過ぎる『三つ目~』の書誌の整理も、今回同時に行っている感じですね。
今回の『三つ目がとおる《オリジナル版》大全集』第1巻では、過去の単行本でカットされていた和登サンと写楽くんの初のお風呂シーンが復活していて、一部で話題になっていますね。
森「あの場面には、清潔なエロティシズムがあっていいとか、本作品の最終回『スマッシュでさよなら』のラストページへの遥かなる伏線であるとか、いろんな意味や価値があるんですが、今回、もうひとつ新発見がありました。
既存の単行本では、あのくだりは、草原で和登サンが「写楽保介と和登千代子のコンビだよ」と言うコマの後、お風呂シーンを飛ばして、すぐに「計画1号!」というセリフを言っている教室のコマにつながっています。琵琶湖探検の計画ですね。
ところが、その前にあったお風呂シーンの最後のコマで、彼女が「誓い!」と言っている。その「誓い!」に続いて、次の教室シーンで「計画1号!」、さらに、「極秘」「実行日」と、和登サンの体言止めのセリフが、テンポ良く続く。つまり、お風呂シーンからすでに、がリズミカルに言葉がつながっている。シーン替わりしてるけど、口調がつながっているんです。
そんな、手塚先生の、ちょっとした演出ぶりも、気をつけて見ていただけたらうれしいです」
ほかにも今回の単行本で復活しているシーンはありますか?
森「えーと……第1巻では30ページ以上、第2巻では、なんと70ページ以上も今回初収録になるのですが、1巻の第12回目で、和登サンが寺の住職である父親から厳しくしつけられるシーンがあります。そのシーンの最後に、彼女が、しきたりや格式に縛られて一生を終わるんだったら、いっそ悪魔と一緒になって世の中をメチャクチャにあばれまわったほうがいい、みたいな、ブラックな一面を吐露するモノローグ場面があって、そこでの、針の振り切れかたがすごいんですよ。手塚マンガならではのダークな一面が垣間見える魅力的なシーンですが、これまでカットされていたので、今回の本の見所のひとつですね。
和登サンて、お寺で厳しい修業をさせられ、お稽古事のオンパレードで、極端にマゾヒスティックに育てられているじゃないですか。だから、そういうことへの反動がある一方で、こらえ性なところもあるから、写楽のワガママにもつきあえる。でも、心の中ではいろいろ葛藤もあるという、とっても深くて魅力的なキャラクター。だから手塚先生は、あえて寺の娘という、縛りのきつい設定にしたんでしょうね。
ゆくゆくは寺を継がなければいけないと父親に言われ続けて、中学生にしては、もう自分の将来が見えている。相当に大人びた子なんですね。だからこそ度胸が据わっていて、あんな冒険の数々が出来るんじゃないでしょうか。行動力もあるしね。
間もなく10月下旬に第2巻が刊行されますが、第2巻の見所はどこですか? できればこちらも和登サンがらみで何か(笑)。
森「『グリーブの秘密編』に、モアイ像のような形の、真っ黒い乗り物が出てくるじゃないですか。写楽がそのロケットの先端で、木にしがみついている和登サンをつんつんと小突くシーンがあるんです。ぼくは当時中学生でそれを読み、あー、いやらしいなあ、と思って(笑)、よく覚えていたんです。
ところが、のちに単行本で読んだら、そのシーンがなくなっている。いや、シーン自体はあるんだけど、記憶していたカットがない。やはり、カットされていたんですね」
今回そのシーンが見られるということですね!
森「はい、もちろん。それと、これも初収録ですが、和登サンと写楽が琵琶湖沿いの山道を登るシーン。写楽が登るのを嫌がり、和登サンが無理矢理登らせようとして、「あとで、おかあさんになってあげるから」って言うと、写楽は「いまじゃなきゃいやだ」ってゴネる。この時の写楽の顔が最高なんですよ!」
田中「ほんの2ページなんですけどね、あそこは手塚先生やるな、と思いましたね(笑)」
森「そう。それで和登サンが覚悟を決めて、スウェットの上着をたくし上げる。顔を赤らめながら、無言で……。写楽が赤子のように胸に吸い付いていると、和登サンが、「キミって、あんがいいやらしいのね」って言う。いったいこのふたりは、こんな山道で何をやってるんだ!?って(笑)」
田中「手塚先生、ここは楽しんで描いたんでしょうね」
森「『三つ目がとおる』と同時期連載の『ブラック・ジャック』はストイックでヒューマンな話で、やはり同時期の『ブッダ』は奥深い宗教の話でしたから、おそらく、そういう“お遊び”をふんだんに入れられるのが『三つ目がとおる』だったんでしょうね。で、そんな手塚先生の遊び心や、たまった鬱憤を大きな広い心で受けとめてくれていたのが、和登サンというキャラクターだったんだろうと思います。
ただ、手塚先生がうまいのは、ああいうシーンを単に、ちょっと変態っぽいエッチシーンにしないところです。直後に、写楽がまだうだうだと歩かないもんだから、和登サンが鬼のようにブチ切れて怒鳴る。そういうところで、バランスを取っている。このふたりの絶妙な関係性が面白いんですよ」
それでは最後に、まとめと言いますか、現時点での感想と今後の抱負を聞かせていただけますか?
森「そうですね。やはりコラージュ作業がやってみて思ったより大変だったということが、ぼくも田中さんも、スタッフ全員が身に染みているというのが率直なところですね。刊行ペースについても、いろいろ検討したんですが、毎月ではなく隔月刊にして本当に良かったと、今は思っています(笑)。あとは、クオリティやノリを維持したまま、全8巻を無事完結したいと思うばかりです。
なので、そういう内なる気持ちと共に、読者の皆様にも、『ぜひお見限りなく、最後までお付き合いください』という願いを込めて、第1巻巻末の図説の最後に、『航海は、今、始まったばかりである。』……と書いたんです」
確かにあの一文にはおふたりの決意が読み取れました。今後の続刊がますます楽しみです。ぜひ素晴らしいシリーズになることを期待しています。森さん、田中さん、本日はありがとうございました!!
次回は、ぼく・黒沢が現在、小学館クリエイティブで複刻出版の準備をしている『カラー完全版 ふしぎな少年』製作の舞台裏をご紹介します。雑誌を原本として複刻する際の苦労、石山透によるテレビドラマ「ふしぎな少年」シナリオ第1話の探索秘話、そしてそれを完全採録するまでのいきさつなど、ふだんは見えない出版の裏側を大公開いたします。次回のコラムにもぜひお付き合いください!!
取材協力/復刊ドットコム、手塚プロ資料室(順不同、敬称略)