今月のオススメデゴンスでご紹介する作品は『ファウスト』。 6月に公演されるミュージカル『ファウスト 〜愛の剣士たち〜』の原案となる3作品のうち、最初に描かれた作品です。
多数の日本語訳書が出版されているゲーテの戯曲「ファウスト」ですが、わかりやすく描かれているこの漫画版から試してみてはいかがでしょうか?
今月もたくさんの投稿、ありがとうございます!
ゴールデンウィーク、みなさんはどこかへ出かける予定がおありでしょうか? まだ決まってないよという方、たまには出かけず家でのんびり手塚キャラを描く…なんて、いかがでしょう?
特集1の『ファウスト』舞台化についてのモトイキシゲキさんへのインタビューの中で、「手塚治虫は『ファウスト』を3度漫画化している」というお話が登場しましたが、それぞれの発表年を比べてみると、
『ファウスト』1950年
『百物語』1971年
『ネオ・ファウスト』1988年
おー、なんとほぼ20年周期。しかも、『ネオ・ファウスト』第1部のメインの舞台は1960年代後半から1970年代で、『百物語』が発表された当時ぐらいの時期なのです。偶然の一致ではありますが、なんだか興味深い。
『ファウスト』と『百物語』だと物語のラストもぜんぜん違っていて、そのころの手塚治虫の心境を反映しているのでしょうか。作家自身の思想のみならず、時代風潮なども作品に影響を与えていると思いますので、そういう視点で各作品を読み比べてみるのも面白いと思います!
ちなみに画像は『ネオ・ファウスト』より。1970年2月を起点に一度折り返した一ノ関教授の人生を考えると、この「バブル経済」の予言はさすがに出来ないはずで、これは手塚治虫らしい時事ネタのお遊びですよね。バブルとその後の日本を知っている「未来人」の私たちにとってはにやり、とできる箇所のひとつです。
『ネオ・ファウスト』はどんなラストが用意されていたものか、とっても気になります!
そんな「20年周期」に無理やりこじつけますが、手塚治虫記念館はことしで20周年! 開館当時おぎゃあと生まれた人が、今年成人式、というのはなんだかすごいことですよね! ぜひ、成人を迎えた記念館にも遊びに来てくださいね!
いとう