虫ん坊

コラム「手塚を知りたい放送作家」最終話:ありがとうございました!

2024/04/05

chibori57_title01.jpg最終話:ありがとうございました!



ついに来てしまいました、最終回。何を書こうかな〜と思っていたらyoutubeでふと目に飛び込んで来たのが実写の「ミッドナイト」の予告。


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実際に動画を見てみると、再生数はなんと脅威の2200万回オーバー!

とんでもなく回っていますね。マンガのミッドナイトは見たことがなかったのですが、せっかくなのであえて作品は見ないまま、動画を視聴してみました。

三池崇史監督でカメラは全てiPhone 15 Proだそうで。色んな意味でワクワクしますね。


動画を見て思ったことは、iPhoneでここまで撮れるんだ!ということ。まんまとAppleの思惑通りになっているみたいで癪ですが素直に驚きました。

画質はどうなんだろう?と思ってましたが、こういう画作りと思えば全然気にならないレベル。普通に作品を楽しむことが出来ました。iPhone 恐るべし...。そのうちこれ一つさえあれば全てが事足りる日も来るんじゃ無いでしょうか。


なんでミッドナイトを取り上げたんだろう?と思いましたが、格闘にカーアクションなどド派手なシーンが盛りだくさんで、きっとカメラの性能を伝えるにはうってつけの作品だったんでしょうね。


主人公のミッドナイトを含む、登場人物の現代離れした衣装も逆に世界観を確立していて良かった!あとは何が良いって車がカッコイイ!


一番の見せ所である車のギミックは一切ふざけているわけではないのに、あまりの凄さに笑ってしまいました。動画鑑賞後、原作が気になって読んだんですが、やはりすごかったです。


なんなら動画はまだ控えめな方だったのかも。ギミックを使った、とんでもないカーアクションシーンがいっぱいありました。

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これを動画でやられていたら笑い転げていたかもしれません。「ミッドナイト」の連載が始まったのが1986年。38年の時を経てようやくこの車のギミックが表現できる時代になったのかもしれませんね。

今回の実写の「ミッドナイト」を見て思ったのですが、まだまだ手塚作品には

映像化したら面白そうなものがたくさんあります。


そこで僕が今までに読んだ手塚作品の中からこれを実写にすれば面白いのでは...!? と、いうものをご紹介したいと思います。



まず一番に思いつくのは「ノーマン」!


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数ある手塚作品の中でもお気に入りのSF作品です。実写化に向いているポイントは敵であり、色んな人物に変身できる能力を持つゲルダン星人の存在。

実写で見た時に、この能力はより脅威に映る気がしますね。

そしてやはり壮大な世界観!手塚先生の発想力がふんだんに詰め込まれているSFならではの描写が実写でどのように表現されるか、考えただけでワクワクします!

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その他、SF作品だけあって様々な見た目のキャラクターが揃っているところも

実写版が見てみたくなる要因の一つです。

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ノーマン王子の髪型もどうなるか見てみたいですね!

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続いて実写化に向いていると思う手塚作品は...「地球を呑む」!

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これに関しては向いているというよりも見てみたいという気持ち。

男を狂わせるほど妖艶な魅力を持つ、絶世の美女ゼフィルス。

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そんな女性をどの女優さんが演じるのか...とっても気になります!

自分の勝手なイメージは若い頃の加賀まりこさん。今の女優さんだと誰だろう...、榮倉奈々さんとかが合いそうな気もします!

謎の女性ゼフィルスと7人の娘たち。物語が進むにつれて明かになっていく驚きの展開は実写化でも人の心を鷲掴みにするに違いありません。

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そして家族を裏切り、一途な恋に走るミルダの姿は感動を生むこと間違いなし。ミステリーとラブロマンスが合わさった「地球を呑む」。是非実写化が見てみたいです!

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これからも先もきっと何かしらの手塚作品が実写化されていくんでしょうね。楽しみ〜!この2作が実写化されること切に願っています!



さてさて、そろそろ終わりに近づいて参りました。



5年間このコラムを連載させてもらい、結構な数の作品を取り上げてはいると思うんですが、おそらく全体の5分の1すらも取り上げられていないのではないでしょうか。


改めて、恐ろしい作品数...。「手塚を知りたい」という気持ちから始めたこのコラムですが5年の月日を経て、たしかに知識は以前よりも増えましたが、知れば知るほど、手塚先生のデカさ。

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戦時中も漫画を描き、赤本、雑誌連載、そしてアニメへ。

ご存知の通り、漫画文化の創世記を切り拓いた方ですが、なるべくしてなった人だったんだなぁと思い知らされました。

絶えることなく作品を生み続け、さらに後世に引き継がれる名作をいくつも残してるって...。そりゃ神様って言われるわ!


そんな面もありつつ、負けず嫌いなところや嫉妬しちゃうところなど、神様と呼ばれている一方で人間味溢れる性格に親近感も覚えました。


創作業を生業にしている自分にとって、こうして手塚先生について知る機会を得られたことはとても貴重でありがたい体験でした。

僕も今年でもう45歳。ここで得たことを心に刻み、これからの人生をミッドナイトのようにかっ飛ばしていきたいと思います!

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それでは今回が最後ということで、妻からも皆さんに一言ご挨拶です。


妻「夫の無茶振りから始まったこのコラムの挿絵が、まさか57回も続くなんて当時は想像もしませんでした。ただの素人の絵を暖かく見守って頂き、感謝しかありません。


夫が締め切りギリギリで原稿を出してくることに怒りを覚えたことも何度かありましたが、今となっては良い思い出です。


関係者、読者の皆様、本当にありがとうございました。」


以上、妻から頂いたご挨拶でした。最後の最後でクレーム入ってる〜!

妻よ...、迷惑をかけてゴメンなさい...。


残念ながら今回でコラムは終わってしまいますが、今後もコンプリート目指して、手塚作品を見続けたいと思います!

それでは、また皆さんにお会いできる日を楽しみにしています!

今まで本当に...


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藤原ちぼりchibori10_twicon.gif

1979年生まれ、岡山県出身。放送作家。

『サラリーマンNEO』、『となりのシムラ』、『落語 THE MOVIE』などの人気番組の他、テレビアニメ『貝社員』の脚本も担当。『特捜警察ジャンポリス』、『サンドウィッチマンの週刊ラジオジャンプ』など、漫画を題材にした番組にも携わっている。

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