虫ん坊

コラム「手塚を知りたい放送作家」第32話:手塚キャラでテレビスタッフオールスターを考えてみた

2021/08/30

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第32話:手塚キャラでテレビスタッフオールスターを考えてみた



テレビは色んなスタッフが協力しあって一つの番組を作り出しています。

それぞれに役割があり、仕事内容も違ってきます。今回はそんなテレビのスタッフが、もしも手塚キャラだったら?僕的な理想のテレビ番組スタッフを手塚のキャラクターで決めていきたいと思います!

まずはテレビ番組に携わる主なスタッフとその役割を説明します。


【演出】

番組の舵取り役。内容面を取り仕切る総監督。


【プロデューサー】

予算面やキャスティングなどを取り仕切る


【アシスタントプロデューサー】

通称AP。プロデューサー業務の補佐を行う。現場ではタレント周りのケアなども。


【ディレクター】

番組のVTRやコーナー企画を担当し、実際に撮影や編集作業も行う。演出同様、内容に直結する部分なので経験やセンスが問われるポジション。


【アシスタントディレクター】

通称AD。ディレクターの補佐役として番組業務を多岐に渡ってお手伝い。

お弁当の発注からリハーサルの代役など、とにかく色んな仕事がある。


【作家】

番組に必要なアイデアを出す。台本を書いたり、ナレーションを書いたりなども。演出やディレクターさんの相談役でもある。現場よりも会議が主戦場。



他にもカメラマンさんや美術さん、メイクさんなど、もっと色んな職種の人もいらっしゃいますが、今回は僕が普段からよく接する上記の人たちで考えてきたいと思います!それでは手塚のキャラクターをそれぞれのポジションにハメていきましょう!

まずは「演出」から。僕が選ぶ演出は...百鬼丸

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演出というポジションは確固たる自分のプランを持っていないといけません。

ブレない心というものが非常に大切になってきます。

自分の身体を取り返すため、ひたむきに進んでいく百鬼丸の行動力と決断力は演出にふさわしいと言えるでしょう。

演出は責任を負う立場でもあるので、矢面に立たされる人物。当然ながら打たれ強さも必要になります。逆境に身を置く百鬼丸の精神力も評価のポイントでした。


腕っぷしが強いのも良いですね。荒くれ者の多いテレビ業界。それを束ねるには力強さも必要なはず!


あとは、ぶっきらぼうな百鬼丸がたまに見せるどろろへの優しさは演出に通じるものがあるなと。厳しさだけでなく、たまに見せるADさんへの優しさがなどが感じられる人の方が良いチームになる気がします。


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続いては「プロデューサー」。僕が選ぶプロデューサーは...ブラック・ジャックです!

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プロデューサーは番組制作に必要不可欠な予算を扱う立場。お金を多く取ろうとする姿勢は非常に大事!そういった意味でブラック・ジャックはプロデューサーに向いていると思いました。名医ならぬ、名プロデューサー。あのPの番組は数字が取れる!みたいな噂も業界では好まれそうだし。


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さらに中身にガッツリと関わる演出と違い、プロデューサーは番組を一歩引いた目で見ることも重要です。どこか悪い部分はないか...、ブラック・ジャックなら冷静に指摘してくれるに違いありません。


不安な点があるとすれば、対外的なコミュニケーションでしょうか。

プロデューサーはタレント事務所ともよくやり取りをするので人当たりの良さが必要。ブラック・ジャックがそこを上手くできるのかは少し疑問ではありますが、兎にも角にも少しでも多い予算の確保。コミュニケーションはAPさんに任せると割り切りました。



続いては「アシスタントプロデューサー」です。

僕の選んだAPは...和登 千代子

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APさんはプロデューサー業務の実働隊としてバリバリ動くので和登さんのようなチャキチャキした女性はぴったりだと思います!

色んなことが器用に出来る点なども、様々な業務のあるAPさんにはうってつけ。姉御肌な所も最高です。激務が多いテレビ業界。疲弊したADさんに缶コーヒーとか買ってくれて「どうした?元気ないぞ」言ってくれる気がします。

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チーム全員の状態もしっかしと把握して対応してくれそう。その美貌も相まって戦場に咲いた一輪の花になってくれるでしょう。


そしてAPさんはタレントさんを始め、人とのコミュニケーション能力も高くなくてはいけません。クセの強い局員さんや強面マネージャーさんなど色んな人がいる業界で全員と上手く接していかなくてはいけません。


三つ目状態の写楽とさえも上手にやり合え、バンソーコー状態の写楽を優しい愛で包み込む。どんな性格が相手でも上手に扱える和登さんしかAPは考えられません!



さぁ、続いては「ディレクター」です。

僕が選んだディレクターは...マグマ

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ディレクターは番組作りの要。コーナーやVTRを制作する張本人です。とにかく面白いものを作るセンスが必要。型にはまったものを作るDより、新たな何かを生み出してくれそうな人が良いと思います。そういった意味ではロケット人であるマグマは地球人では考えもつかなそうな奇想天外な企画を生み出してくれそうな期待感があります。マグマの作った企画、面白そうな気がしませんか?

そして時には上の言うことを無視して、自分が面白いと思うものに直走るような気骨のある人が理想かなと思います。外見からして硬そうなマグマはちょっとやそっとじゃブレない鋼の心を持っていそうな気がしました。


あと単純に徹夜などの厳しい労働環境にも耐えうる精神と肉体が必要です。ダメージを受けたら土に入って身体を癒すことができるマグマならどれだけ疲弊してもきっと頑張ってくれるのではないでしょうか。


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その他、ディレクターは日頃からネタを見つけられるようにアンテナを張って置く必要もあると思います。そういう点からも頭に角のあるマグマは日頃からアンテナ張ってそうだなと。完全にイメージの話ですが。




次は「アシスタントディレクター」

僕が選んだADは...ピノコです!


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色んな仕事をこなす必要があるADさん。ブラック・ジャックの助手をしているとはいえ、色々と拙さの残るピノコにそれが可能なのか、という懸念は当然あると思います。しかし、僕が思うにピノコくらい愛嬌があって天真爛漫なADさんがいてくれた方が番組全体が明るくなるのではないかなと!

ミスは誰だって起こすもの。もしピノコがミスしても僕にはこんな可愛らしい子を怒ることは出来ません。そして当の本人も、たとえ誰かに怒られたとしても...。


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それを受け流せるハートの強さも持ち合わせていると思います。

そして番組Pにブラック・ジャックを入れているので、相性的な面でもピノコがいてくれた方が円滑になる気がしました!



そして最後は「作家」です。

僕が選んだ理想の作家は...手塚治虫

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そもそも手塚先生を入れるはありなのか?とも思いましたが、手塚キャラクターの中から選ぶという今回の企画を考えた時に、多数の作品に出演している手塚治虫も立派な手塚キャラクターの一つだなと。そうなってくるとアイデアという点において右に出る物はいないので必然的にこうなった次第です。

以前、手塚先生のインタビュー映像を見た時に「アイデアはバーゲンセールするほどある」と言っていたので作家としてこれほど頼りになる人はいないと思います。はっきりと自分の意見を言ってくれる気がするので、悩んでいる演出やディレクターにとっても良い相談相手になりそうだなと思いました。


ただ、番組の出来について自分の納得のゆくものになるまで認めないと思うので、きっと演出とバトルすることになるんだろうなぁ〜という予感もしますね。


以上が手塚キャラクターの中から選んだ、僕の理想のテレビスタッフでした!

どうでしょう、こうして見ると面白い企画が生まれそうだと思いませんか?



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今回キャラクターを振り返って、本当に多彩な登場人物がいっぱいだなーと改めて思いました。ちなみに今回は僕が読んだことのある作品の中からの選出なので今後、もっとピッタリと思うキャラが出てくるかもしれません。


まだまだ見れていない作品もたくさんあるので、新たな手塚キャラクターとの出会いが楽しみです!




藤原ちぼりchibori10_twicon.gif

1979年生まれ、岡山県出身。放送作家。

『サラリーマンNEO』、『となりのシムラ』、『落語 THE MOVIE』などの人気番組の他、テレビアニメ『貝社員』の脚本も担当。『特捜警察ジャンポリス』、『サンドウィッチマンの週刊ラジオジャンプ』など、漫画を題材にした番組にも携わっている。

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