虫ん坊

コラム「手塚を知りたい放送作家」第4話:トキワ荘跡地と知らないおじさん

2019/03/22

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  • 第4話:トキワ荘跡地と知らないおじさん

今回やってきたのは...豊島区南長崎!
既にピンと来ている方もいると思います。ここには...そう!

漫画家の聖地と呼ばれ、手塚治虫先生を筆頭に藤子不二雄Ⓐ先生、藤子・F・不二雄先生、石森章太郎先生、赤塚不二夫先生など、錚々たる漫画家の先生たちが共に暮らし、切磋琢磨したあのトキワ荘があった場所なんです!

手塚治虫ファンの方々にとっては常識だと思いますが、手塚治虫先生が暮らしたのは昭和28年から29年にかけてとのこと。
一体どんなところで暮らし、漫画を生み出していたのか...。
手塚を知りたい放送作家としては、ここはやはり一度自分の目で見てみたい場所ですよね。

そんな訳で、新宿から大江戸線で12分。到着したのは「落合南長崎」駅。

すぐ横には豊島区のスポーツ施設、南長崎スポーツセンターがあります。建物の前には、寺田ヒロオ先生の代表作の野球漫画が飾られていました。

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続いてやってきたのは『南長崎ニコニコ商店街』。
スマホで場所を確認しつつ、いざトキワ荘の跡地へ向かいます!

目的地付近に到着。目の前には企業の社屋がありました。

しかし辺りを見回しても、あるはずのモニュメントが全く見つからない...

少し歩いて探してみるものの...

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違う荘が見つかる始末...

ぐるぐると周辺を探し回って...再び地図のポイントへ。
そしてようやく跡地のモニュメントを発見!
なかなか見つからなかったのも納得、なんとモニュメントは企業の敷地内にあったんです!

モニュメントの前には一人佇む男性の姿が。

スーツにコート...その出で立ちから推測するにおそらくサラリーマン...?

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この人もトキワ荘の跡地を見に来たのか?

それとも通りすがりでたまたま見ていただけ?

でもこんな奥まった場所...、目的がないと来ないよなぁ...などと思っていると、

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どうやらこの方も結構探し回った様子。

同じ困難に遭遇したというだけで不思議と仲間意識が芽生えます。

それはあちらも同じようで、すっかり意気投合。

他のトキワ荘スポットも一緒に見て回ることに!

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藤子不二雄先生のまんが家への軌跡が描かれている『まんが道』。

もちろんトキワ荘、そして手塚治虫先生もめちゃくちゃ出てきます。森上さんは是非一度この場所に来てみたかったんだとか。

なんとなくお互いの話をしながら歩いている内に、『南長崎花咲公園』に到着。
ここにもトキワ荘の漫画家さんのモニュメントがありました。

57歳と39歳のおじさん二人が写真をパシャパシャ。

そしてキャイキャイ盛り上がります。

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一人だとなんか小っ恥ずかしいですが、二人だと不思議と湧いてくる勇気。周りには子連れの主婦の方などもいましたが、お構いなしに撮りまくります。

今から35年前、老朽化のため取り壊されてしまったトキワ荘。
しかし来年の3月に、この『南長崎花咲公園』の裏に復元されるそうです。

トキワ荘の縁の品々を展示したり、漫画家の先生たちが住んでいた当時の部屋を再現するんだとか。これは見てみたいですね〜。

公園を後にし、向かったのはトキワ荘の跡地から徒歩1分くらいの場所にある中華料理店の『松葉』。『まんが道』にも度々登場するこの店のラーメンをトキワ荘の先生方は愛していたそうです。

そんな松葉は今も当時と変わらず営業されています。
これはもうラーメンを食べるっきゃないですよね!

名所を巡って地元のグルメを二人で堪能。もはやちょっとしたデートです。

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さて、この『松葉』。

『まんが道』では可愛い女性の店員さんがよく出前を配達してました。

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もしかしたら、あの子のモデルになった人がいるかもしれない...


そんな期待を抱きつつ、お店に入ると...

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海外の方だった。間違いなくモデルではない。

しかしながら、めちゃくちゃ優しい雰囲気のおばちゃんでした。

店内を見ると、著名な漫画家の先生たちのサインがたくさん。やはり漫画家の先生方にとってもトキワ荘は聖地なんだな〜と実感しました。

早速ラーメンを注文し、待っている間に...

ちぼり「森上さん。イラスト用に写真撮らせてもらっていいですか?」

森上 「どうぞ、どうぞ!」

パシャ

森上 「せっかくなんで、私も撮らせてもらっていいですか?」

ちぼり「どうぞ、どうぞ!」

パシャ

おじさん同士がお互いのソロ写真を撮り合うというこの光景。

他のお客さんの目にどう映っていたのかは知る由もありません。

話をしていく内に、森上さんとの共通点の多さにビックリ!
漫画好きに始まり、昔はバスケ部、奥さんが看護師などなど。もう打ち解け度はMAXです。最終的には...

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そして、頼んでいたラーメンが登場。

食べてみると...

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このラーメンを先生方が食べていたと思うと、美味しさも倍増です。
ラーメンを食べ終わると...

森上「いや〜、お陰様で楽しく過せました。ありがとうございます」

と言ってお会計の際、なんと森上さんがラーメンをご馳走してくれました!

ちぼり「いやいや、取材させてもらってるこっちが払うものですよ!」

などと、押し問答があったものの...、結局、ご馳走になってしまいました...。

森上さん、本当にありがとうございましたっ!!!

さて、こうして幕を閉じた今回の『トキワ荘、跡地巡り』。
漫画を愛し、出張帰りに聖地巡礼。なんというか、自分が57歳になった時、あんな人になれてたらいいなぁ〜と思えるお人でした。

...って、トキワ荘跡地巡りの話だったのに、気付いたら森上さんの話になっちゃってるー!


chibori04_profile.jpg藤原ちぼりchibori04_twicon.gif

1979年生まれ、岡山県出身。放送作家。

『サラリーマンNEO』、『となりのシムラ』、『落語 THE MOVIE』などの人気番組の他、テレビアニメ『貝社員』の脚本も担当。『特捜警察ジャンポリス』、『サンドウィッチマンの週刊ラジオジャンプ』など、漫画を題材にした番組にも携わっている。

バックナンバー

コラム「手塚を知りたい放送作家」プロローグ

コラム「手塚を知りたい放送作家」第1話

コラム「手塚を知りたい放送作家」第2話

コラム「手塚を知りたい放送作家」第3話


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