虫ん坊

新連載コラム「手塚を知りたい放送作家」プロローグ

2018/11/03

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初めまして。放送作家の藤原ちぼりと申します。

この度、ご縁あって『手塚プロダクション』でエッセイを書かせて頂けることになりました。

まずはプロローグと致しまして、自己紹介を兼ねて、ここに至るまでの経緯を

ご紹介したいと思います。


2017年の12月半ば。

吉祥寺のおでん屋さんで、僕と手塚プロのつるさん、そして手塚プロでバイト中の学さんという3人で飲んでました。


学さんは現在俳優をやっているのですが、元々はマセキ芸能社に所属していた

『ツィンテル』というお笑い芸人さん。僕はこのツィンテルのライブを放送作家として、ちょこちょこ手伝っていたのでよく知る間柄です。そしてつるさんは手塚プロで働く学さんの上司。


そんな関係性から、これまでもつるさんを通して手塚プロでお仕事をさせて頂くこともありました。
(知る人ぞ知る幻の動画コンテンツ『ブラック・ジャンク』)


3人で飲んでると、つるさんから

「ちぼりさん、手塚プロのホームページが今度リニューアルするんですけど、

 もしよかったらそこで記事を書いてみませんか?」とお誘いを受けました。


え〜!なに〜!? このスッと誘うこの感じ〜!


むむむ...。

ムチャクチャ嬉しいけど、これ...自分が書いていいのか...?と、悩みました。

何故なら、恥ずかしながら僕の手塚作品に関する知識はほぼ皆無。

『鉄腕アトム』、『ブラック・ジャック』、『リボンの騎士』など、

誰もが知るような作品しか知りません。そんな奴が手塚で記事を書く...?

手塚ファンの逆鱗に触れるのでは...? 不安がよぎります。


しかし一方で、知らないからこそ書けることもあるんじゃないか...?とも思いました。手塚治虫先生がお亡くなりになって29年。若い人の中には手塚マンガに触れていない人もいるだろうし、僕と同じように知識の少ない人もいるはずです。ひょっとしたらそんな人に、もう少し手塚を知ってもらうきっかけになるのでは...。


結局、謹んでお受けすることにし、その日は帰宅。

早速嫁に報告しました。


ちぼり「手塚プロで記事を書くことになった!」

嫁  「えぇ〜!?」


嫁はほとんど漫画を読みません。

それでも流石に手塚治虫先生がどれほど偉大な人かは知っていました。


そこからどんなことを書こうか悩む日々。それはもうめちゃくちゃ悩みました。お正月、田舎に帰ってる間、みんながおせちを食べてる間も、子供たちがお年玉をもらっている間も悩みに悩んで出た答えが...、


『手塚に関する色んなことを自分らしく書いていこう!』という、

超漠然としたものでした。


しかし、秘策もありました。記事の中に挿絵を入れようと考えたんです。

記事の中に登場する人などを、ちょっと手塚キャラに寄せた感じのイラストにする。そうすることで記事も読みやすくなるし、楽しんでもらえるのでは!?


そう信じてやまなかった僕の暴走はここから始まります。


僕は全く絵が描けません。もちろんイラストを外注する予算もない。

そこで僕が打った一手は..."嫁に描いてもらう"でした。

嫁は漫画を描いていた訳でも、手塚に詳しい訳でもありません。

狂気の沙汰です。戸惑う嫁をよそに僕は言いました。


ちぼり「よ〜し! まずは試しにうちの娘をウランちゃん風に描いてみて!」


渋る嫁をなんとか説得。そして出来上がったのが...




ちぼり嫁イラスト.jpg


みなさん、いかがでしょうか?


これを見た僕は「すごいじゃん!描けるじゃん!」と、

嫁を褒めちぎり、興奮状態ですぐさま手塚プロに、


『手塚に関する色んなことを自分らしく書いていこうと思います!』

というウルトラ漠然としたテーマと共に、この薄〜いイラストを送ったんです。


どうですか? 怖くないですか?

この文を書いている今も、当時を思い出し、軽い震えが起こっています。

勇気と無謀は違います。みなさんも大きな決断をする時は一度冷静になり、

自分を見つめ直してからにして下さい。


すぐにつるさんから「一回打ち合わせしましょうか」と、連絡がありました。

そしてつるさんと学さんを交えてのランチミーティング。

嫁の描いた絵を見せながら、自分の考えを説明していると、学さんが口を開きます。


学「記事の内容はまだ分かるとして、これイラストいります?」


この時点で僕はまだ自分の過ちに気付いていなかったので、

イラストを載せることのメリットを必死で訴えます。

ランチを食べつつ、再び学さんが言いました。


学「これイラストいるかな〜?」


記事の展開などを話す間も、ちょくちょくイラストの是非を問う学さん。

僕は心の中で思いました。


「この人、バイトなのにめっちゃ言う!!!」


しかし、しばらくして疑問が湧いてきました。

「...あれ、このイラストいる...のかな?」


考えれば考えるほどその疑問は大きくなります。

小さかった学さんも心なしか大きく見えてきました。


つるさんに聞きます。


ちぼり 「イラストいいですよね?」

つるさん「...ハハ...、いいんじゃないですか?ちぼりさんがやりたいことやればいいと思いますよ!」


...ハッ! ...この感じ...、気を遣っていらっしゃる!


家に帰り、嫁に聞きます。


ちぼり「ねぇ、挿絵っていると思う?」

嫁  「いらないし、手塚プロに対してこれを描く私の気持ちを考えて」


...なるほどな...と。


そしておでん屋で話を受けてから、およそ11ヶ月...。

2018年11月、遂に手塚プロダクションのホームページがリニューアル、

本格的にエッセイがスタートする運びとなりました。

これからどんな内容になるかも全く未定ですが、手塚の魅力を自分なりに

お伝えしていければと思います。どうぞよろしくお願いします!




藤原ちぼりchibori_twicon.gif

1979年生まれ、岡山県出身。放送作家。

『サラリーマンNEO』、『となりのシムラ』、『落語 THE MOVIE』などの人気番組の他、テレビアニメ『貝社員』の脚本も担当。『特捜警察ジャンポリス』、『サンドウィッチマンの週刊ラジオジャンプ』など、漫画を題材にした番組にも携わっている。


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