虫ん坊

コラム「手塚を知りたい放送作家」第12話:『マンガの描き方』を見て描いたマンガ

2019/11/25

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第12話:『マンガの描き方』を見て描いたマンガ



手塚先生の『マンガの描き方』という本を買ってみました。




この『マンガの描き方』を見た後で絵を描くと一体どんな変化があるのか?

はじまりはそんな他愛もない企画でした。

このコラムの挿絵を描いてるのは嫁なので、まずは嫁に読んでもらうことに。

...数日後...

ちぼり「読んだ? 俺も読みたいからそろそろ見せて」

嫁が差し出した本には、、、


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付箋がいっぱい!

ちぼり「どうしたのこれ...?」

嫁「この本はあなたこそ読むべき本だと思う」

ちぼり「...え?」

一体、どういうことなのか...?

とにかく読んでみることに!



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この『マンガの描き方』は全三章で構成されていて、

第一章が「絵をつくる」

第二章が「案(アイデア)をつくる」

第三章が「漫画をつくる」という内容になっている。


実際に読んでみて嫁に言われた意味がよ〜く分かった。

どれくらいかというと、本を読み終わった後の嫁との会話が一文字で成立するほどに。


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正直なところ、読む前はただのHOW TO本だと思ってました。

いや...実際、マンガの描き方に関するHOW TO本なんだけど、

なんというか...、この本を読んで僕が一番に感じたのは手塚先生の漫画に対する愛と情熱でした。

手塚先生が培ってきたマンガの描き方や考え方を教えてくれているんですが...その一つ一つから"どうやったら上手く描けるか?"、"もっと面白くするためにはどうすればよいか?"という試行錯誤の様子が見えてくるんです。

上辺のテクニックなんかじゃなく、"めちゃくちゃ向き合って辿り着いた答え"という感じ。その全てに手塚先生の経験、そして血が流れている。

そしてテクニックだけでなく、要所要所で作家としての心構えみたいなものがちょくちょく入ってくる。これがまぁ、刺さるのなんのって...。


この本を通して先生が言っているのは「漫画家でご飯を食べるのは決して楽ではない」ということ。


先生は本の中で漫画家を目指す人たちへ、こう語っています。


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これって正論ですが、すごく難しいことだと思うんですよ。"描きたい"と"描く"ことは全然違う。さらに"描き続ける"となると、一種の才能も必要になってくる気もします。まぁそれがプロってことだと思うんですが。


HOW TO本なんだけど、多分、厳しい漫画の世界にビビっちゃう人もいるんじゃないでしょうか。でも先生はそういう心構えや覚悟も包み隠さず書いてくれてる。ある意味これこそ超リアルなHOW TOですね。


だからこそ、この本を読んでいると、まるで手塚先生から自分に問いかけられている様な気持ちになってくるんですよね。


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...って。

マンガの描き方というか、業界問わずプロとしての性根の部分にも大きな影響を与えてくれる本だと思いました。


この『マンガの描き方』は1977年に出版されたものの文庫版。

つまり手塚先生がこれを書いたのは今から42年前。もちろん今の時代から見ると、古いと感じてしまう部分もあるが、"キャラクターの作り方"や"マンガの表現"、"顔の描き方"など、今見ても参考になる部分はめちゃくちゃ多かったです。嫁が主に付箋を貼っていたのも第1章の「絵をつくる」の部分でした。


そして第1章で他にも気になったのが「人間は人それぞれ、必ずなにかの動物に似ている」というもの。果たして本当なんでしょうか?


せっかくなので嫁に描いてもらいましょう!




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藤原家4人を動物にしてみると...



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たしかに似ている気がする...(性格含めて)

身体のでっかい人はみんなクマっぽい気もするけど。


この本で僕が一番驚いたのが第二章の「案(アイデア)をつくる」という部分。

絵の書き方を教えている本は無数にあるけど、話の考え方についても合わせて書いてる本ってあんまりないんじゃないでしょうか。


話を展開ごとに行き当たりばったりで考えていく演繹法、そしてオチを決めて、そこに向かう様に話を作っていく帰納法の解説などなど。


自分も職業柄、コントを考えることが多いんですが物語の生み出し方っていう点においてはマンガもコントもほとんど一緒なんだな〜と気付かされました。


いや〜、最初は気軽な気持ちで買いましたが、結果的にものすごく勉強させてもらいました。これから漫画家を目指そうという人は読んでおいて絶対損はない本だと思います!




そういえば、嫁がリビングに置いていたこの本を娘(6歳)が見て、絵を描いたそうです。



これが『マンガの描き方』を見る前の娘の絵。



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そして『マンガの描き方』を見た後の娘の絵。



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めちゃくちゃ上達してる! 描写がだいぶリアルに!

と思ったら、本を見ながら手塚先生の絵を模写して描いたからだそうです。


なんだ、ビックリした〜。


...にしても格段に上手くなってる。絵がど下手くそな僕の画力は近いうち娘に抜かされるでしょうね。


悔しいけど、そんな成長が嬉しい!


藤原ちぼりchibori10_twicon.gif

1979年生まれ、岡山県出身。放送作家。

『サラリーマンNEO』、『となりのシムラ』、『落語 THE MOVIE』などの人気番組の他、テレビアニメ『貝社員』の脚本も担当。『特捜警察ジャンポリス』、『サンドウィッチマンの週刊ラジオジャンプ』など、漫画を題材にした番組にも携わっている。

バックナンバー

コラム「手塚を知りたい放送作家」プロローグ

コラム「手塚を知りたい放送作家」第1話

コラム「手塚を知りたい放送作家」第2話

コラム「手塚を知りたい放送作家」第3話

コラム「手塚を知りたい放送作家」第4話

コラム「手塚を知りたい放送作家」第5話

コラム「手塚を知りたい放送作家」第6話

コラム「手塚を知りたい放送作家」第7話

コラム「手塚を知りたい放送作家」第8話


コラム「手塚を知りたい放送作家」第9話

コラム「手塚を知りたい放送作家」第10話


コラム「手塚を知りたい放送作家」第11話


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