2019/08/22
いや〜8月です。今年の暑さはヤバいですね...。
猛暑真っ只中いうことで、今回はゾクゾクっと涼しくなる手塚作品をご紹介したいと思います。
『鉄腕アトム』を始めとした、ハートフルな作品の一方で、手塚治虫先生は70年代を中心に人間のダークサイドな部分を浮き彫りにした作品も描かれていました。
そういった一連の作品は、一部マニアの間でこう呼ばれているんです...。
そんな黒手塚作品の中でも、手塚治虫先生が自らが「嫌いな作品」として語る作品があります。それが『アラバスター』。
恐ろしい話ですよね。
ちなみにこの『アラバスター』が連載されていたのは1970年から71年。
人種差別など、際どい部分に切り込んでいる作品ということもあり、単行本化の際には、主人公の設定が黒人男性から顔に痣のあるハーフの男性に変わるなど、手塚先生自ら200ページにわたる改稿をされたそうです。
しかし昨年の2018年12月、本作品が連載時の設定や構成の状態に近い
「アラバスター オリジナル版」が刊行されたそうです。
時代が変わることで、表現に対する周りの見え方も大きく変化します。
差別は無くさなくてはいけないものですが、作品に込められたメッセージを当時の内容で感じることも、重要な気がしますね。
さてさて、最後は僕の家でほんとに起こった怖い話で締めたいと思います。
ある日の夜...仕事から帰ると僕の机の上に5歳(当時)の娘からの手紙が置かれていました。
ひらがなを書けるようになった娘からのお手紙。
仕事の疲れもぶっとびます。
中を開けると...予想だにしなかった恐ろしい言葉が僕の目に飛び込んできました。
娘のお手紙に「請求書在中」。
こんなにミスマッチな組み合わせがあるでしょうか。
子育てはお金がかかると言いますが、まさかこんな形で感じることになろうとは...。きっと嫁が仕組んだイタズラだと思い、手紙を見せて問いただすと...
大爆笑。
どうやらほんとに知らなかったらしく、本気の大爆笑。
娘に聞いてみたところ、たまたま「請求書在中」のスタンプを見つけ、
手紙に押したそうです。(もちろん言葉の意味なんて分からずに)
恐ろしい...。
でもお金には困らない子に育ってくれそうなので、よしとしましょう!
1979年生まれ、岡山県出身。放送作家。
『サラリーマンNEO』、『となりのシムラ』、『落語 THE MOVIE』などの人気番組の他、テレビアニメ『貝社員』の脚本も担当。『特捜警察ジャンポリス』、『サンドウィッチマンの週刊ラジオジャンプ』など、漫画を題材にした番組にも携わっている。
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コラム「手塚を知りたい放送作家」第7話
コラム「手塚を知りたい放送作家」第8話