『ブラック・ジャック』シリーズの主人公であるハードボイルドな外科医で自らも医師である手塚治虫のある意味では分身とも言えるでしょう。彼が問いかけ続ける「生命とは何か」あるいは「人としての幸福はどこにあるのか」という疑問こそが、手塚マンガのテーマでありありました。そのわりには「(最初に描き始めた時は)あの向こう傷はおろか、顔の色が違う点や時代遅れの蝶ネクタイにマントのいでたちだったり、なぜ大金をとるのにあんなオンボロ小屋に住んでいるのか? ということなんか、これっばかりも理由を考えなかったのです」(『漫画全集 18巻』あとがき)と手塚治虫自身が語っているように、役柄同様、本人の生い立ちも恵まれているとは言えないのが可哀相ではあります。とはいえ、アトムと並ぶ人気キャラクターに育ったのですから、とても幸せな役者人生だとも言えるでしょう。
1973年ブラック・ジャック
1975年鉄腕アトム /アトム二世 (科学省)
1975年ずんべら (医師)
1976年四谷快談 (医師)
1976年火の鳥・望郷編 (フォックス)
1976年ミッドナイト
1979年ドン・ドラキュラ
1979年NEC広告
1979年手塚治虫アメリカ漫画を語る
1981年七色いんこ /修善寺物語
1982年七色いんこ /俺たちは天使じゃない
1983年1983年にはこんなことがおこる
1984年夢のくるま未来のくるま