2020/04/28
みなさん体調はいかがでしょうか?
コロナが猛威を振るい、緊急事態宣言も発令されるなど、とんでもない事態になってますね...。まさかこんなことが起こるなんて想像もしませんでした。
僕も1ヶ月前とは全く違う生活を送っています。
まず、番組の会議が全てテレワークに切り替わりました。収録に関してもタレントさんが自宅からテレビ電話で出演するリモート収録などが行われています。
最初の方は慣れないテレワークに対する照れがみんなあったんですが...
たった数週間でもうみんな何の感情も消え失せ、当たり前のようにテレワークをやっています。慣れってすごいですね。明らかに寝起きの人もいたりなど、これはこれで中々面白いです。
時勢的にも、このコラムでコロナに触れるのはどうかな...と思ったんですが、自分にも何か伝えられることがあるのではないか、という思いから今回はこのテーマで書かせてもらうことにしました。
今年はうちの長女が幼稚園を卒園して、小学校へ入学する年。
しかしながら今回のコロナのせいで卒園式にも入場制限がかかって参加できず...、さらに小学校の入学式も延期に...。その他、楽しみにしていたイベントもことごとく白紙になりました。勿論、これは僕だけに限ったことではなく皆さんもそうだと思います。
なのでまずはそんな思いを込めて、コロナに一発かましたいと思います。
(※本物のアトムのお尻にも二連式のマシンガンが格納されているよ)
嫁もかなりご立腹だった為、筆が乗り、想定よりも多くかましてしまいました。
さて本題です。日を追うごとに感染者も増え、国内の感染者は遂に1万人を超えました。そんな中、現在の状況下でコロナを抑える手段としてもっとも有効なのが"STAY HOME"。家から外に出ないことです。
政府から不要不急の外出を控えるように言われていますが、この"不要不急"という言葉が曲者で人によっては「家にいなきゃ!」って思う人もいれば「外に出るのは禁止じゃないんでしょ?」と思う人がいたり、受け取り方が違うんです。
先日どうしても外出する必要があり、久しぶりに車で出かけてみると...
もちろんやむを得ず働いてる方々もいるとは思うんですが、中には明らかにそうじゃないだろ...って人もいたり...。その様子を見たときに「こんな感じでこの先、コロナは収まっていくんだろうか...」と正直不安になりました。
飲食業界やエンタメ業界も壊滅寸前。今まさに倒産の危機に陥っている会社もたくさんあります。お世話になっている所で実際に潰れてしまった会社も...。
本当に1日も早く終息して欲しい。心からそう思います。
手塚作品にも感染症について扱っている作品があります。
それが『陽だまりの樹』。
幕末を舞台に描かれている作品で、二人いる主人公の一人は蘭方医の手塚良庵。
手塚治虫先生の実際のひいおじいさんです。作中でも医師として様々な怪我や病気と向き合うのですが、中でも良庵が己の無力さを痛烈に感じていたのが、感染症のコレラとの戦いでした。
恐ろしいスピードで人から人へと感染していくコレラ。
長崎から始まったその疫病はみるみると広がっていき、やがて江戸をもその毒牙にかけます。
原因不明の疫病に恐怖する人々。巷には様々なデマが流れ、それに踊らされた人たちで江戸中が大混乱に。
コレラがどんな病かも分からない良庵は己の無力さを悔やみました。
作中で描かれていたデマや人々の行動はコロナに侵されている今の状況と非常に似ていました。ただ圧倒的に違う部分があります。それは良庵を含む日本の医師たちがコレラの知識がなかったことに対し、僕たちはコロナウイルスのことを知っているという点です。
飛沫感染と接触感染。人が密集する場所は避ける。
これが分かっているだけで天と地ほどの差があります。
日本で複数回流行したと言われているコレラ。
ある文献によると、3回目の大流行の際には日本全国で56万人の感染者が出て、江戸だけで7万5千人もの死者が出たとされています。
コロナがそんな数になる訳はもちろんないと思っています。医療技術も進歩しているし、なによりどうすれば感染しないかを知っているから。
だから、不要不急の外出は控えて"STAY HOME"。
今は耐えましょう。
たくさんの芸能人が家での過ごし方を紹介していたり、公演が出来なくなった役者さんたちがリモートで劇団を立ち上げたり、ライブハウスが配信したり、色んな人たちが家でも楽しめるコンテンツを作ってます。
テレビもそう。様々な縛りの中で最高のものを作ろうとみんな知恵を絞っています。どんなジャンルかは分かりませんが、きっとあなたが楽しいと思えるものがきっと見つかるはずです!
なんか説教くさい内容になってしまい申し訳ないですが、なんとかこの危機をみんなで力を合わせて乗り切れたらと思います。
外に出られるようになったらこのコラムでも色んな取材をして回りたいですね!その日を楽しみに今は手塚作品を読んでおきたいと思います。
それでは最後に話題の「アマビエ」を嫁に描いてもらい、コラムを締めくくりたいと思います。ちなみにアマビエとは最近SNSなどで拡散されている妖怪のことで、「疫病が流行った時、その姿を描いて広めれば沈静化する」という伝承が残っている妖怪です。実際に江戸時代で疫病が流行った時にもアマビエを描いた瓦版が世に出回ったんだとか。
はい!そんな訳で嫁が描いた渾身のアマビエがこちら!!!
去れ!コロナよ!
1979年生まれ、岡山県出身。放送作家。
『サラリーマンNEO』、『となりのシムラ』、『落語 THE MOVIE』などの人気番組の他、テレビアニメ『貝社員』の脚本も担当。『特捜警察ジャンポリス』、『サンドウィッチマンの週刊ラジオジャンプ』など、漫画を題材にした番組にも携わっている。
バックナンバー
コラム「手塚を知りたい放送作家」第2話:ゴールデン街と静寂と
コラム「手塚を知りたい放送作家」第3話:振り返れば奴がいるとかいないとか
コラム「手塚を知りたい放送作家」第4話:トキワ荘跡地と知らないおじさん
コラム「手塚を知りたい放送作家」第5話:百鬼丸みたいになりたくて
コラム「手塚を知りたい放送作家」第6話:妻の支えってハンパない
コラム「手塚を知りたい放送作家」第7話:手塚グルメに舌鼓
コラム「手塚を知りたい放送作家」第8話:アトムってやっぱりすごい
コラム「手塚を知りたい放送作家」第9話:手塚にあった怖い話
コラム「手塚を知りたい放送作家」第10話:漫画家の先生にインタビュー...のはずだったんですが...
コラム「手塚を知りたい放送作家」第11話:渋谷で見つけたアトムの謎
コラム「手塚を知りたい放送作家」第12話:『マンガの描き方』を見て描いたマンガ
コラム「手塚を知りたい放送作家」第13話:痛みで学んだ手塚治虫
コラム「手塚を知りたい放送作家」第14話:第1回 手塚でバズってるツイートGP