虫ん坊

コラム「手塚を知りたい放送作家」第21話:中野ブロードウェイで見つけた『鉄腕アトム』

2020/08/25

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第21話:中野ブロードウェイで見つけた『鉄腕アトム』



鉄腕アトムの誕生から約70数年...。

数え切れない程のアトムグッズが誕生し、人々を楽しませてきました。

そこで今回の企画は!




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ちぼり「鉄腕アトム、お宝探しゲーム〜!」

娘  「イエェ〜!!!」



お宝グッズの宝庫である中野ブロードウェイで、

どちらがより多くのアトムグッズを探すことが出来るのか!?

娘と対決します!

娘に本日の意気込みを聞いてみると...




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自信満々。

しかし、こちらも負けるわけにはいきません。

真剣勝負なので大人気ゼロでいきたいと思います。

ゲームのルールは以下のとおり。

  1. お店に入ってアトムグッズを見つけたら即座に報告
  2. 先に見つけた方が1ポイントをゲット!
  3. 最終的なポイント数で勝敗を決定



それでは早速ゲームスタート!

中野ブロードウェイの中に入ってみると...

娘「はい!見っけ〜!!!」

ちぼり「え!?」

娘が指差す方向を見てみると...なんとアトムのポスターが...!




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完全に油断していました...。



「でもあれグッズじゃないし〜、ポスターだし〜。てかまだお店じゃないし〜」という言葉が一瞬頭をよぎりましたが、流石に卑劣過ぎて子どもの人格形成に悪影響を及ぼしそうなので言うのは止めました。そんな訳で開始早々1対0です。



しかもこのポスター、中野ブロードウェイ内のいたる所に貼ってあります。

そしてポスターに書いてある「アトムの足は女の子の足...」という文字。



正直、全然知らなかったのでシンプルに「...え?そうなの...?」と、驚いてしまいました。調べてみると...



ニョーカという女の子のロボットの足だったんですね。

アニメ2部の最終回で明らかになる、なんとも悲しい物語...。


chibori21_ATOM80_52.jpg鉄腕アトム(1980)第52話「アトムの初恋」より


このコラムを書いていると、今までぼんやりとしか知らなかった手塚作品のキャラをパズルのピースのようにハメ込んでいく感覚があります。これがなんというか、とっても楽しい。この情報を知れただけでここに来た甲斐がありました。



それにしてもアトムのブーツって脱げたんだ...。赤い足だと思ってた...。



さぁ、対決に戻りましょう。

ブロードウェイの中には新旧のグッズを扱うたくさんのお店があります。

とりあえず目に付いた所に入ってみると...。



娘「パパ!あった!」



流石はアトム、やっぱりありますね〜。

さらに他のお店を回るとかなりの数が出てきました。



娘「見つけた!」

ちぼり「あった!」

娘「はい、もう一個!」

娘「みっけ〜!」



娘、絶好調。




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ぐぬぬぬぬ...。普段はとっても可愛らしいのになんて腹の立つ顔なのでしょう。

気がつけば10対5のダブルスコア。

それにしてもアトムグッズが多くて、ポイントを数えるのが大変になってきました。

そんな中、あるお店で店主の方に話しかけられました。

「アトム!アトム!」と言いながら店内を練り歩く親子。どうやら相当なアトム好きに見えたみたいで...




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まるでヤバイ物でも取り扱うかのように、ヒソヒソとアトムを勧められました。

なにやら今日入ったばかりのアトムがあるそうで、ショーケースから取り出して見せてくれました。




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相当なアトム通と勘違いされているみたいなので、なんとなく通を演じて対応します。

お値段2万円。なかなかの値段にビックリ。

やはりこういうものって高いんですね〜。

その他にも色んなアトムがありました。

「ブリキ製のアトムのおもちゃ」や「ソフビのアトム人形」、「手塚治虫生誕90周年の記念フィギュア」、「昔の雑誌の付録に付いていたアトムの漫画」などなど。そして極め付けは...




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95万円もするアトムの人形!

これだけたくさんアトムを見ていると、自分も欲しくなってきてしまい、

いくつか購入。せっかくなので今回買ったアトムグッズを紹介したいと思います。




●アトムキャットのソフビ人形


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以前、コラムで書いてから好きになったアトムキャットです。

可愛いですよね〜。発見したと同時に思わず買ってしまいました。



●ポケットサイズの飛び出す絵本

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アトムの誕生秘話を題材にしたミニ絵本です。

結構古い物みたいですが、とても綺麗な状態でした!

今回様々なアトムグッズの数々を目にして、アトムが長い間、如何に愛されてきた作品であったかがよく分かりました。ブリキやソフビ、フィギュアに至るまで。様々な時代を経ておもちゃの形が変わりゆく中、常にグッズが作られ続けている。こんな作品はなかなかないだろうな〜と。これから先も色んな新しいアトムのおもちゃと出会ってみたいですね。

さぁ、そんなこんなで楽しい時間は過ぎ、娘との勝負は大差で僕の負け...。

敗因は"勝ちたいという執念"、これに尽きると思います。店に入るなり目をギラギラさせてアトムを探す娘は勝利への意欲が僕と段違いでした。

娘に賞品の意味も込めて、「お店の中で欲しいものある?」と聞いてみると...

娘「ガチャガチャがしたい!」

お店にはガチャガチャの中身が山のように置かれてあるのに、ガチャガチャをする方がいいみたい。子どもって中身よりガチャガチャする行為とカプセルを開けるワクワクの方が魅力的なんだな〜と、妙に勉強になった瞬間でした。

最後はアトムとは全く関係ありませんが、今回の企画中に偶然出会い、衝動買いしてしまった商品をお見せして、今回のコラムを締めくくりたいと思います。




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わ〜お!ケンちゃんシール!

大事にしま〜す!




藤原ちぼりchibori10_twicon.gif

1979年生まれ、岡山県出身。放送作家。

『サラリーマンNEO』、『となりのシムラ』、『落語 THE MOVIE』などの人気番組の他、テレビアニメ『貝社員』の脚本も担当。『特捜警察ジャンポリス』、『サンドウィッチマンの週刊ラジオジャンプ』など、漫画を題材にした番組にも携わっている。

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