2022/09/27
前回のコラムで太り過ぎているが故にイルカにガン無視されるという屈辱を味わった僕。
40歳も過ぎているので身体のことを考えると痩せるに越したことはありません。昔から「いつか痩せる、いつか痩せる」とは言ってましたが、なかなか実行に移してきませんでした。
今後も元気で長生きするために!そしてイルカの一件のような思いをもうしない為に!肉体改造を行おうと思います!
何事にもイメージは大切。そんな訳でまずは目指すべき肉体を探す為、手塚作品をリサーチ。
そして見つかった理想のボディがこちら!
明治初期の北海道を舞台にした作品『シュマリ』。主人公であるシュマリは和人でありながらアイヌの族長にシュマリという名前をもらった男。そのボディは男らしく、とっても逞しいものでした。
片手で木を切り倒し、
丸太を担ぐほどのパワフル!
ただ痩せるのではなく、このくらいワイルドで力強い男になりたい!目指すべき肉体は決まったので早速行動に移します!
実は以前、近所のジムに入会したことがあったのですが、なんと1年間の内、ジムに行ったのは最初の1回だけ。普通は辞める時って色々理由を聞かれたりしそうなもんですが、これまで通った回数を見て、何を言っても無駄だと悟ったのか、スタッフさんは特に何も言って来ませんでした。
自分で言うのもなんですが、僕はそのくらいダメな人間なんです。何か強制的な力が働かない限り、自身の力で痩せることはほぼ不可能。これは間違いありません...。
そこで僕が今回選んだのはみっちりパーソナルでダイエットをサポートしてくれる所。いわゆるライザップ的なアレです。
選んだ理由の一番はお金が高額なこと。新品のパソコンを買えるくらいのお値段です。この高いお金を払っていると言う既成事実が「痩せないとめちゃくちゃ損するじゃん」という気持ちを芽生えさせ、ダイエットを行う活力へと変わります。自分でもバカだと思うんですが、本当にそうでもしないと痩せられない所まで来てしまっているんです。
色々探してみるとライザップだけではなく、色んなパーソナルトレーニングが存在。どれだけ厳しくても構わない!とにかくマジで肉体改造をさせてくれる所を探した所、一人で経営しているウルトラパーソナルな場所を発見。トレーナーの経験も申し分ありません。「ここだ!」と早速予約し、体験トレーニングを受けてみることに。
当日、伺ってみると着いたのはマンションの一室。部屋を開けると笑顔で先生が出迎えてくれました。
先生の年齢はおそらく30代前半。ムキムキというよりは細マッチョという感じです。「とっても性格の良さそうな人だな〜」と思いました。部屋の中は音楽が流れ、アロマ?的な匂いが香ってきます。黙っていても自然とやる気が出てくる環境でした。そして部屋のど真ん中にはデカめのトレーニングマシンが設置されています。
まずは問診。普段何を食べているかなど事細かく聞かれます。ここで見栄を張ってウソをついても全く意味がないので包み隠さず答えました。
問診で先生から「どんな自分になりたいですか?」と聞かれたので、ここも包み隠さず、理想のボディを見せました。
ヤベー奴が来た。きっとそう思われたのでしょう。数秒間、時が止まり、オシャレなミュージックだけが流れていました。「このままでは入会を断られてしまうかもしれない...」。そう思った僕はすぐにコラムのことを説明。先生も理解してくれました。
そして問診後はいよいよトレーニング開始。まずはベンチプレスを行います。人生初のベンチプレス。10回行って1分休憩。これを3セット行います。
最後のセットでは腕を自力で上げることはできませんでした。しかし、先生曰く、出来る出来ないは問題ではなく、正しいフォームで限界まで出し切ることが大事なんだとか。
続いてはスクワット。
足を縦に開いてスクワット10回。そして足を入れ替えて、もう10回の計20回。これを先ほどと同様1分の休憩を挟んで3セット行います。
今まで全く運動をしてなかったからか、本当に地獄の辛さ!!2セット目で既にフラフラで、3セット目が終わったと同時にその場に倒れ込みました。
足がマジで自分の足ではないみたいです。動悸が止まらず、その場で10分位「う〜う〜」と唸りながら横になってました。予定時刻も過ぎたのでこのまま終わると思ったら...まさかの一言...。
先生「じゃあ最後のトレーニングをやりましょう!」
先生の顔を見ると、笑顔なのに目の奥が全然笑ってないことに気付いたんです。まるでビー玉のような目です。若干の恐怖に駆られた僕は言われるがままにトレーニングを行いました。
限界突破とはまさにこの事。最後のトレーニングの記憶は定かではありません。こうしてなんとか全てのトレーニングを終えた僕。そのまま入会の話に移ります。色々と説明されたんですが、疲れ過ぎて上の空。
期間は2ヶ月でお願いすることになりました。これから先、食べたもの全ての画像を先生に送ってアドバイスをもらいながら食事制限を行って行くんだそう...。先生が言うにはダイエットは食事7割、睡眠2割、運動1割だそうです。
果たして、今まで1度もダイエットに成功したことのないこの僕が本当に痩せることが出来るのか!? そしてシュマリのような強靭な肉体を手にすることは出来るのか!?
次回は...
予想外の食事内容に...
まさかのアクシデントが大発生!
そしてフィナーレへ...!
一体何キロ痩せているのか...、乞うご期待です!
1979年生まれ、岡山県出身。放送作家。
『サラリーマンNEO』、『となりのシムラ』、『落語 THE MOVIE』などの人気番組の他、テレビアニメ『貝社員』の脚本も担当。『特捜警察ジャンポリス』、『サンドウィッチマンの週刊ラジオジャンプ』など、漫画を題材にした番組にも携わっている。
バックナンバー
コラム「手塚を知りたい放送作家」第2話:ゴールデン街と静寂と
コラム「手塚を知りたい放送作家」第3話:振り返れば奴がいるとかいないとか
コラム「手塚を知りたい放送作家」第4話:トキワ荘跡地と知らないおじさん
コラム「手塚を知りたい放送作家」第5話:百鬼丸みたいになりたくて
コラム「手塚を知りたい放送作家」第6話:妻の支えってハンパない
コラム「手塚を知りたい放送作家」第7話:手塚グルメに舌鼓
コラム「手塚を知りたい放送作家」第8話:アトムってやっぱりすごい
コラム「手塚を知りたい放送作家」第9話:手塚にあった怖い話
コラム「手塚を知りたい放送作家」第10話:漫画家の先生にインタビュー...のはずだったんですが...
コラム「手塚を知りたい放送作家」第11話:渋谷で見つけたアトムの謎
コラム「手塚を知りたい放送作家」第12話:『マンガの描き方』を見て描いたマンガ
コラム「手塚を知りたい放送作家」第13話:痛みで学んだ手塚治虫
コラム「手塚を知りたい放送作家」第14話:第1回 手塚でバズってるツイートGP
コラム「手塚を知りたい放送作家」第15話:手塚先生の缶詰の聖地で缶詰してみた
コラム「手塚を知りたい放送作家」第16話:家から一歩も動かず手塚旅行に行ってみた
コラム「手塚を知りたい放送作家」第17話:STAY HOME
コラム「手塚を知りたい放送作家」第18話:子どもに手塚マンガを読ませてみたら......
コラム「手塚を知りたい放送作家」第19話:手塚を彩るミュージック
コラム「手塚を知りたい放送作家」第20話:ファミコンの『鉄腕アトム』をやってみた
コラム「手塚を知りたい放送作家」第21話:中野ブロードウェイで見つけた『鉄腕アトム』
コラム「手塚を知りたい放送作家」第22話:歴史マニアに聞いた手塚光盛
コラム「手塚を知りたい放送作家」第23話:ベレー帽をかぶってみた
コラム「手塚を知りたい放送作家」第24話:ブッダを読んで悟りを開こう!
コラム「手塚を知りたい放送作家」第25話:手塚治虫の逃亡劇のように
コラム「手塚を知りたい放送作家」第26話:手塚治虫の感染症マンガ特集
コラム「手塚を知りたい放送作家」第27話:「ガラスの城の記録」を自分なりに完結させてみた
コラム「手塚を知りたい放送作家」第28話:手塚でテレビの企画書を書いてみた
コラム「手塚を知りたい放送作家」第29話:特撮革命!マグマ大使
コラム「手塚を知りたい放送作家」第30話:続・マグマ大使!ミニチュアの世界で出会った最小の男
コラム「手塚を知りたい放送作家」第31話:『やけっぱちのマリア』を読んでジェンダーを考える
コラム「手塚を知りたい放送作家」第32話:手塚キャラでテレビスタッフオールスターを考えてみた
コラム「手塚を知りたい放送作家」第33話:催眠術で手塚先生になりました
コラム「手塚を知りたい放送作家」第34話:私はどついたれで痩せました
コラム「手塚を知りたい放送作家」第35話:手塚をテレビで流すまで①
コラム「手塚を知りたい放送作家」第36話:忍術を初めて使った日
コラム「手塚を知りたい放送作家」第37話:手塚をテレビでな流すまで②
コラム「手塚を知りたい放送作家」第38話:アトムの馬力を分析
コラム「手塚を知りたい放送作家」第39話:七色いんこになれるかな?
コラム「手塚を知りたい放送作家」第40話:海のトリトンのようにイルカに乗ってみたい!