マンガマンガ

ギャグ

クリヒロヒ

「ハロー・マンガ」(育英出版) 1946 第二輯掲載 うさぎの女の子を主人公にした1ページの小品です。 うさぎの女の子が拾ったクリをたき火で焼いていると、「ウマサウナ ウサギダナ」と、オオカミがやってきます。大ピンチのうさぎさん! とっさにクリをたき火に投げ入れると…。 酒井七馬(『新寶島』の原作者としても手塚...

虻須虎家

1956/04/15 『別冊キング』(講談社)掲載 ある紳士がプロポーズに訪れた家は「虻須虎家」。それぞれ前衛芸術をたしなむ家族にあいさつし、ついに「オブジ江さん」に花束を差し出しますが…。 「虻須虎」とは「アブストラクト・アート」(抽象芸術)のもじり。『別冊キング』は1924年に講談社(当時は大日本雄辯會講談...

アポロはなぜ酔っ拂ったか

四十六歳のサラリーマンが、ナイトクラブで「かぐや姫」と呼ばれる月のような美女に身も心も奪われて結婚した。だがその結婚は、彼と四人の息子たちを次々と不幸に陥れる結果となる。さてその非運と題名との関係は…。...

あんてな一家

1955/09/25-1956/09/16 「朝日新聞日曜版」(朝日新聞社) 連載日本でTVが普及し始めた時代にそれをテーマに新聞連載された四コママンガ(週一回掲載)。政府放出品の価格問題やペニシリン禍、X線障害の続出といった当時のニュースネタが織り込まれている。一家の父はヒゲオヤジ。...

異法人

1969/02/01 『文藝春秋 漫画読本 陽春特別号』(文藝春秋) 掲載 いかだで大海原を流される男が一人、10日ぶりに島を発見し、上陸します。すぐに人のよさそうな島の住人が現れ、泊るあてがないならうちへどうぞ、と親切に招き入れてくれます。住人が案内した先はなんの変哲もないマンション。ところが住人は男の目の前で...

宇宙から男が...

「週刊漫画サンデー」(実業之日本社) 1963/12/25号 掲載  ある日、街に降り立った煮込み鍋みたいな形の宇宙船。「私たちはF星から参りました。地球の皆さん、おつきあいをいたしましょう」と女性の声で呼びかけられた総理大臣以下要人たちはめかしこんでいそいそと集まりました。  宇宙船から顔を出したのは確かに女性...

宇宙サーカスがやってきた

1961/05『ボリショイサーカス パンフレット』 掲載 様々な星の芸人があつまる宇宙サーカス。その中には当然、地球人の芸人もいるわけです。彼の持ちネタは鉛筆を削って文字を書くこと。地球人からしたらなんてことのない芸(?)ですが、行く先々では結構受けて、男は悠々自適の生活を送っていました。しかし毎回鉛筆を削ってば...

大松右京のラプソディ

1973/08/15 『週刊漫画サンデー』 (実業之日本社) 掲載 どこに行っても超満員の狭い日本。ある日、フースケは海岸沿いにある観光ホテルに泊まりに行きますが、どの部屋も観光客でぎっしり、「ひとりで一部屋とるなんてずうずうしい!」と中居さんに嫌味を言われる始末。嫌気がさしてホテルを出て、神社に一夜の宿を借りよ...

お客さまは悪魔です

QQTV編成部の奮戦記。視聴率を見るたびブ然となるからブ長。見るとカーッとなって噛み付くからカ長。駅弁大学出身は駅前、東大卒はそのまま東大。見た目だけゴツいが内気なベンケイ。彼らの打ち出す珍企画は…?...

オバケ

「ハロー・マンガ」(育英出版) 1947 第七輯掲載 テング様に化けた何者かが、きつねさんを驚かそうと頑張っていますが、きつねさんは「コワイモンカ」と笑っています。さてこのオバケの正体は…? 酒井七馬(『新寶島』の原作者としても手塚治虫とかかわりの深い人物です)が主幹を勤め、育英出版が発行していた子供向けの雑誌...

おはよう! クスコ

タカオ、ヒナコ姉妹の家にペルーから伯母さんがやって来た。百万長者の未亡人でヘンなものばかり作る発明狂で、貫禄十分の体型の彼女の名はクスコ。やがてクスコは何故か魔法を使い始め、若い魔女リマもやって来て…。...

カノコの應援團長

1950/12/15 「漫画と讀物」臨時増刊 オール傑作読切野球漫画特集(新生閣) 掲載学芸会で男役を演ずるカノコは、舞台衣裳用に兄の着物を強引に借りた。が、それは応援団長である兄の制服で、当日は野球の試合日。兄の友人たちが学芸会場に押しかけ、切羽詰まった彼らはカノコを兄に仕立ててしまう。...

ガムガムパンチ

なんにでもなる魔法のガムを使って、少年と少女がさまざまな冒険をする、幼年向けマンガです。ある日、パンチとピンコの兄妹のところにガムの神さまがあらわれ、なんでも作れる魔法のガムをくれました。ふたりは自分たちの好きなものを作ろうと、ガムをふくらましましたが、なかなかうまくいきません。そこで神さまは弟子のガムガムをよびよ...

我利バー公害記

1970/11/15 『赤旗』日曜版(日本共産党) 掲載 小人の国に流れ着いた、ややもっさりとした風貌のガリバーは、軍隊につかまって王の前に引き出され、「この国に忠誠をつくすなら船や車をうんとつくれ」と命じられます。「お安いご用で」と請け負ったガリバー、巨体を駆使して大働きしますが、そこには深刻な問題が…。 誰も...

カンパチ

気弱ないじめられっ子カンパチが、「どんな力でも出せる」お皿に水を入れ、頭に乗せれば大変身。優しいカッパのカッパコちゃんが貸してくれるのだ。だがカンパチは、次第に「お皿なしでも出来る」という自信を付ける。...

ぎっこちゃんまっこちゃん

1949/12 『ひかりのくに一年』(昭和出版株式会社) 掲載  秋も深まるおやまには、落ち葉や栗がたくさん落ちています。りすのぎっこちゃん、ねずみのまっこちゃんは、「おやまのおそうじしましょ」と、落ち葉掃除を始めます。そこにカンガルーさんがやってきたので、「てつだってよ」と、おなかのふくろでおちばを運んでもらう...

巨人と玩具

奇妙な大人のおもちゃ店の秘蔵自慢の品。それは、一億人のミニ人間たちが住むミニチュアの日本列島だった。客のフースケはマイクを握って音声でミニ人間たちとミニ日本国を操り、図に乗って無茶苦茶をやり始めるが…。...

苦情銀行

1969/12 「サンデー毎日読物専科」(毎日新聞社) 掲載ヒビの入った夫婦が関係修復のため出かけた旅行先で、苦情を吸い取ってくれると言う人形を人から貰った。それに向かい悪態をつくと確かに気分が晴れる。人形のことは口づてに広まり、量産・商品化の話が持ち込まれた。...

ぐっちゃん

マアチャンの野球帽に対し、このぐっちゃんのトレードマークはベレー。美女ミッチイ演ずるお母さん、のんびりやのお父さん、下宿の美術学生らと愉快な活躍を繰り広げる、ほのぼのムードも懐かしい四コママンガ。...

ゲーム

1971/07 「小説サンデー毎日」(毎日新聞社) 掲載手塚治虫自身が登場するエッセイ風の作品。作者自ら「フレドリック・ブラウン風の」と称する、ヒネリと皮肉の利いたオチがいかにも大人向けな、連作ショートショートのひとつです。ネタにしたのはマネージャー・H氏の競馬狂い。競馬といえば、今でももっともスタンダードな公営ギ...

ごめんねママ

ちいさなヤー坊は、いつも頭にツノが生えた「もうひとりのボク」に振り回される。ちょっとした騒ぎになってママを困らせ、最後に言うのが「ごめんねママ」。でもやさしいママにだっていた。「もうひとりのママ」が。...

狐聊

中国の燕の時代、建昌に住む若者迂闊(うかつ)は怠け者ゆえ匹夫井(ひっぴい)に身を落とす。彼は助けた狐の化身の美女たちを利用し、ひと儲けを企む。劇場で礼須(れず)の呆留能(ぽるの)芸術を演じさせたが…。...

サイテイ招待席(シリーズ)

裏路地に落ちていた生きものは、人間の身体の「あるもの」にそっくり。瞬く間に繁殖し、大ブームになるが…(「ペックスばんざい」)。手塚治虫がカンヅメのために訪れたひなびた雪山の宿には、おそるべき一家が住んでいて…(「怪談雪隠館」)。平々凡々な主人公・フースケや、時に作者自身が奇妙な状況に右往左往する「シチュエーション・...

シカヘシ

「ハロー・マンガ」(育英出版) 1947 第四輯掲載 新年の書初めや羽子板に興じるおひげのお父さまとやんちゃなぼうやの風景を題材に描かれた四コママンガです。さて、いったい何が「シカヘシ」なのか…? 酒井七馬(『新寶島』の原作者としても手塚治虫とかかわりの深い人物です)が主幹を勤め、育英出版が発行していた子供向け...

品川心中

1966/05/11 「漫画サンデー」(実業之日本社) 掲載通りすがりの釣り人が、品川埋め立て地で拾ったロボットの頭に、原子力カーのエネルギーを注いで供養したところ、見る見るうちに蘇生。色っぽい美人に変身…という、未来の寄席での新バージョン『野ざらし』の一席。...

スター・ダスト

1965/06 「漫画読本」(文藝春秋新社) 掲載円盤が日本の団地に正体不明のガラクタのカタマリを置いて飛び去った。以後円盤は世界各地にしきりに飛来してそいつを置いて行く。ひと山の中にはひとつずつ宝石が入っており、人間の欲はそれを必ず探しては抜き取った。...

すっぽん物語

1970/02 「漫画読本」(文藝春秋) 掲載ある男の家に突然上がりこんできた男の鼻先には、おかしなすっぽんが食らいついていました。「権威とは何か?人生にとって権威なぞ無意味だ」とつぶやいた後、男が家主に思い切り鼻をぶつけると、なんとすっぽんは家主の鼻のほうへ移ってしまいます。やがて家に帰ってきた家族には、みっとも...

セクソダス

絶倫青年矢部コウジは、手術でしゃべる性器の持ち主となり、同様に施術されたストリッパー、東京ズロースと同棲。だが理性を持った彼らの性器は、互いの情欲を萎えさせた。二人は「セクソダス人間」となっていたのだ。...

雑巾と宝石

1957/01-12 「小説サロン」 (講談社)連載「雑巾と宝石」は、SF風味の、一風変わった設定による中編作品です。ある交通事故をきっかけに、映画スターの宝石之(たからいしゆき)と、雑誌社の女性事務員・象野キン子の2人は、車にぶつかるたびに美しい容姿と醜い容姿が入れ替わる体質になってしまったのです(ちなみに作品タ...

タイムマシンのみこと

1967/01/02 「アサヒ芸能」増刊号(徳間書店) 掲載妻と二人、平凡に暮らしていた原始人の男のもとに、ある日突然未来から観光会社がやってきた。いわく、「タイムマシン旅行」の観光スポットとして、男の家を使いたい、という…。ナンセンスSFギャグマンガです。...

探偵ブンチャン

「ハロー・マンガ」(育英出版) 1947 第七・八輯掲載 名探偵のブンチャン、虫メガネを片手に、ピンコちゃんのなくしものを探します。タイトルのコマを含めると8コマの構成で、2回の連載作品です。 酒井七馬(『新寶島』の原作者としても手塚治虫とかかわりの深い人物です)が主幹を勤め、育英出版が発行していた子供向けの雑...

ちらかしくん

1956/10 「幼年クラブ」(講談社) 掲載 まさちゃんは片付けが苦手。お母さんに片付けなさいと言われても、余計にちらかしてしまいます。片付けの途中で読んでいない本を見つけてしまって、つい読み耽ってしまいます。お風呂の中で、えいっと忍術であっという間に片付けられたらどんなに素敵だろう、と考えていたら、お父さんが...

珍イソップ物語 金のタマゴを生むメンドリ

報知新聞(報知新聞社) 1977年2月27日 掲載 会社が倒産し、失業したある紳士が会社の屋上から飛び降り自殺をしようとしたまさにその時、会社に祭られていたお稲荷さんから奇妙な男が飛び出てきた。「お前の娘をスターにしてやるから、それでお金を儲けるといい」という。 どうも男は神様らしい。ところが紳士の娘・ノン子にス...

さるかに合戦の真相

さるかに合戦の真相 1956/10 「おもしろブック」付録(集英社) 掲載 皆さんがよく知っている「さるかに合戦」――サルが蟹の親子の大切にしている柿の木から柿を盗み、抗議する蟹に青い実を投げつけて殺してしまったため、蟹の子どもに頼まれてやってきた助っ人3人…うすとハチと栗にさんざんな目にあわされる、というあの物...

珍念と京チャン

京都の名刹にかわいくて小生意気でイタズラ好きの小僧さんあり。師はこれまた禅味溢れる素敵な和尚さん。買出し列車やDDT、TV時代以前のラジオドラマと、発表当時の時代色も期せずして盛り込まれた四コママンガ。...

1972/01 「小説サンデー毎日」(毎日新聞社) 掲載ある朝目覚めると会社員の頭にツノが生えていた。同時に性格は怖いもの知らずで凶暴に一変。家庭で通勤途中で会社で、当たるを幸い暴れまくる。ツノは長く伸び、医師はそれを珍しい皮膚病の「不満腫」と診断した。...

出ていけッ!

会社員下村風介のアパートの部屋に、突然見知らぬ全裸の男女が現れ生活を始めた。彼らに風介の姿は見えず声も聞こえない。風介が触ろうとしても、実体がなく腕が体を突き抜ける彼らは、十年後の世界の人間だった。...

テリヤ君

1956/09 「おもしろブック」付録(集英社) 掲載  犬のテリヤ君を主人公にした、4コマ漫画のシリーズです。いたって平凡な犬・テリヤ君。張り子の虎と張り合ったり、飼い主のボウヤと喧嘩をしたり、捨てられた「同志」を憐れんで、再飼育(?)先を探してあげたり。可愛らしい子犬というより、ちょっとやんちゃな少年のような...

電子夫人

1959/04/10-1960/10/10 「くらしの泉」(松下電器産業) 連載必ず家電製品がからむホームコメディ。電気コタツで感電するわよと脅し、電気カミソリを扱えばなぜか奥さんの美貌が無精ヒゲだらけとなる。…この作品の掲載誌が家電メーカーのPR誌。ほのぼのしたいい時代でした。...

という手紙がきた

1971/02/01 「ビッグコミック」増刊号(小学館)  掲載「もちろん奥さんには知られてないでしょうね」と男女の火遊びの楽しさを綴った手紙が懐にないことに気付いた手塚治虫は、大慌てで家へ戻った。すると妻は言う。手紙なら雑誌に掲載のため編集の人が持って行ったと…。...

どろんこ先生

中学校の教師・どろんこ先生はB中の名物教師です。気さくで気性はまっすぐ、でも勉強は苦手でかつてはけんかの達人だったという型破りな先生が引き起こす学園ドラマを、短編のオムニバスで描く読みきり連作。...

ドン・ドラキュラ

現代の日本へやってきた吸血鬼ドラキュラが巻き起こす騒動を描いたドタバタコメディです。東京都練馬区の住宅街の一角にある古い洋館に、ドラキュラ伯爵がトランシルヴァニアから移り住んできました。愛らしい中学生の娘のチョコラと、顔つきは怖いけれど心優しい使用人のイゴールも一緒です。ドラキュラ伯爵は、美しき処女の血を求めて夜な...

21せいきのフクちゃん

1986/11/07 第二回 隆一展にて初出。手塚治虫が「フクちゃん」をパロディした4コマ漫画。英字模様のハイカラな着物のおじいさんは実は…?

人間のせんぞ

1961/4/1 「別冊少年サンデー 春季号」(小学館) 掲載 「人間のせんぞは人間である」「いや、サルである」…ある科学サロンで激論が交わされています。「人間である」と言う老博士に抵抗しようと、「サルである」と主張する若手のアダム博士は、タイムマシンで前世紀に行って、確かに人間のせんぞがサルであることを証明する...

ヌーディアン列島

「一切合財教団」による宗教政権樹立で、人前でも全裸のままの生活スタイルが常識となった未来。女性の姿は服を着るほどにエロチックゆえ、着衣写真の〝エロ本〟を男たちは密かに収集する。そんな時代の悲喜劇を描く。...

のらくろもどき

初出:1984/02 『丸』(潮書房)掲載 田河水泡の『のらくろ』を、手塚治虫がパロディした作品。猛犬連隊に入隊したのらくろは、入隊早々偶然に手柄をたてまくるが、お腹がなかなか満たされない。...

日付健忘線

人生に疲れた男が、不思議な子どもと出会って、目には見えないがまたげばすべてを忘れ別人になれる「健忘線」の存在を教わった。さっそくまたいだ男は心機一転元気を出し、健忘線の効用をビジネス化し、成功するが…。...

人身御供

1976/08/01 『ビッグコミック増刊号』(小学館) 掲載 課長に呼び出されたある日のフースケ、すっかり舞い上がって地に足がついていません。なんと、大取引先であるマッキーロ社のネーチャン副社長の専属の接待役を仰せつかり、異例の抜擢に有頂天なのです。そこに社長が現れて、課長となにやら意味深なニヤニヤ笑い。フース...

1970/06 「小説サンデー毎日」(毎日新聞社) 掲載芥川龍之介の小説「蜘蛛の糸」の手塚版パロディ!?大人向けのシニカルなギャグ短編です。ある朝極楽の蓮池のまわりを歩かれていたお釈迦様は、下界のひどい汚れように気付かれて、世直しを行う時期と判断された。そのために使う道具は非科学的なクモの糸などではなく、深層心理を...

ぴんぴん生ちゃん

名前のとおりイキがいい、はつらつっ子が主役のホームコメディ。ツルピカの坊主頭の彼こそ、実はヒョウタンツギよりヒゲオヤジよりキャリアの長い、最古の手塚キャラクター。お兄さん役で手塚治虫自身も出演している。...

フースケ風雲録

時は幕末。平凡な百姓フースケは、有名になりたくてたまらぬビョーキのため放浪の旅に出た。そしてホモで麻薬中毒の清水次郎長や、明治の世まで生き延びて新鮮組農場の主となる近藤勇のもとで、おかしな活躍を展開する。...

マアチャンの日記帳

小学校入学前のマアチャンを主人公にした、新聞連載の4コマ漫画です。陽気でやんちゃなマアチャンと、友だちのトンチャンがくりひろげる騒動を描いています。マアチャンは、お父さんからアイウエオを習うより、進駐軍の米兵からABCを習いたがるといったテーマの話が何度も出てくるなど、終戦直後という時代を濃厚に反映しています。...

負け女郎

南の島で玉砕した日本軍で、ただ一人生き残った男が出会ったのは、負けの女神だった!負けの女神に一目ぼれした男はその後…シモネタと風刺の効いたギャグ短編です。

マノン・レスコオ

『歌劇』(宝塚歌劇団) 1947年4月号 掲載 オペラ「マノン・レスコー」を元ネタにした8コマ作品。絶世の美女・マノンを追いかける奇妙な男…部下までつかって彼女を捕らえるが、その目的は…? 「マノン・レスコー」はプッチーニのオペラが有名ですが、宝塚歌劇団でも1947年、淡島千景、南悠子、他月組による公演がありまし...

やじうまマーチ

転校生は半分人間・半分馬 やじうま族のやじのうまたろうくん。珍しい出来事があると、ついやじうましに行ってしまう小学生。お父さんもお母さんもやじうま族で、珍しいことに目がない。うまたろうにはやじうま癖の他にも、嘘を言うと本当のことになるというやっかいな能力があり、この能力が大騒動を巻き起こす!...

よろめき動物記

馬を語れば円盤が出現し、なまずを語れば地球が爆発(!)、蛾を語ればブスタレントが美女に変身。「女」なんて章もありますゾ。マンガ精神横溢、奇天烈にして各禽獣虫魚の真髄を突く動物記。とくと熟読玩味されたし!...

わかっちゃいるけどむずかしい

神奈川新聞(神奈川新聞社) 1976年1月1日 掲載 ヒゲオヤジの家に、彼の友達という男がやってきた。なんでも、戦争中と同じ生活をずーっと今まで続けている男だという。ヒゲオヤジいわく、「今年はひきしめの年」。節約の知恵を学ぶために招いたそうだが…。 いつの時代でも、「昔はよかった」「昔は何でも知恵や工夫でのりきっ...

わが名は百科

1964/09 「漫画読本」(文藝春秋新社) 掲載マン丸株式会社の新入社員百科は、仕事は楽々人の何十倍もこなし、女の子には大もての凄い奴。実は会社が人間と入れ替えようと計画するロボットの試作品だった。その彼が社員たちから信任され労組委員長となって…。...

笑う男

1971/10 「小説サンデー毎日」(毎日新聞社) 掲載三十五歳の会社員W氏は音楽を聞くと笑いが止まらなくなる奇病の持ち主。子ども時分の終戦の日に、米軍が流す音楽を防空壕の中で聞いて以来のことだった。社長の告別式が音楽葬だったため、彼は左遷の憂き目にあう。...

われ泣きぬれて島と

海で入水自殺を図った男が死ねずに孤島に泳ぎ着いた。寝ようとすると無人の島に砂の枕とフトンが出現。島は彼の腹が減れば海の魚を、酒を欲すれば木の実から〝カクテル〟を与える。島は彼を愛し彼もその思いに応えた。...

怪談雪隠館

冬の温泉郷へ向かっていた手塚治虫は、鉄道事故と豪雪が重なったため、止むなくタクシーを下り、徒歩で近くの宿にたどり着く。手塚の住所を聞いた主人は自分も東京にいたと言って青山と多摩の墓地の住所を口にした。...

くるします・いぶ

聖なる国にも学園闘争の嵐が吹き荒れた時代、「日本のクリスマスはダラクした営利主義」と怒った若き学徒サンタたちは東京で大暴れしてロクでもないプレゼントをばらまく。会社員フースケに贈られたのは奇妙な馬だった。...

げてもの

丹波の殿様の家臣、平凡な城勤めの下村風介は、げてもの食いが趣味の主君のお相伴役を命ぜられた。涙と脂汗を流して、彼は必死で飲み込む。殿様がすすめる「うじの照り焼き」や「イモ虫入りオタマジャクシの煮付け」を。...

敷金ナシ!

敷金ナシ、しかも驚くべき低家賃…どうせひどい物件ではと思いつつ、会社員フースケが見たそれは素晴らしい豪邸。しかもその家は彼を気に入って強制的に住まわせ、〝愛の交歓〟を要求し、訪れる女性に嫉妬して追い払いさえした。...

占性術入門

平凡な会社員フースケが、行楽先でふとしたことから床をともにした山中の女性は、性行為により相手の運勢を読み取る屈伸流占性術の免許皆伝だった。彼女と結婚したフースケは、百発百中の占いに大いに助けられるが…。...

どんけつ紳士

ドンケツ殿下が大阪の万国博覧会を訪れていた時、母国ではクーデターが発生。殿下には日本まで秘密警察の追っ手がかかる。殿下は会社員フースケのアパートの部屋に、五十人の家族と逃げ込み、そこに亡命政権を置いた。...

ペックスばんざい

会社員フースケは、男の切られたイチモツと見紛う珍獣ペックスを銀座で発見した。そのオスに続き程なく女性のカタチのメスも出現。妙に愛嬌がありきれい好き掃除好きのペックスは、猛烈な勢いで繁殖し首都に満ち溢れる。...

無能商事株式会社

下村フースケは、大会社勤めの自他ともに認める無能社員。ところがその彼もがかすんでしまうゴーケツ南似茂千太郎(なにもせんたろう)が登場。千太郎の胸に刻まれたMのマークの秘密が、フースケを新たな人生へ誘う。...

月に吠える女たち

月の光が何倍も強くなる異変により、世の女という女が欲情して男たちを犯し始めた。さらに暴行傷害を働き、殺して食うことさえする。その時も、ただひとり童貞の会社員フースケだけは襲われず女たちは見向きもしない。...

成功のあまきかおり

女が男より大きく強く賢く、倍も稼ぐ時代。妻のむごい扱いに涙する夫が、女を惹きつける薬の実験台になった。男はしきりに放屁するようになり、そのガスの香りが女を魅了。それを嗅いだ女の大群に追い駆け回される。...

ひょうたんなまず危機一発

1965/01/03 「サンデー毎日」(毎日新聞社) 掲載命の危機をヒゲオヤジに救われた兵野丹吾(ひょうのたんご)博士は、己の意に反し何者かに体を操られていた。彼の謎を追うビッグXはアトムと対決することに…。手塚ヒーローオールスターキャストで描くパロディ編。...

アトム二世

1975/09 『文芸春秋デラックス』(文藝春秋社)掲載1966年に放送終了したテレビアニメ『鉄腕アトム』の最終回で描かれた、地球を救うために核爆発抑制装置とともに太陽に飛び込んだアトムのその後のエピソード。 アトムの無事を信じ、交信を待っていたお茶の水博士のもとに、なんとアトムから無事を知らせる信号が届く。アトム...

アトムの初恋

1969/03 「ビッグコミック」(小学館)掲載ベンチに座るアトムと美女ロボットは、互いに惹かれあい… 1ページだけのショートショート・ギャグ作品。

観客がいっぱい

1960/06 『スクリーン』(近代映画社)にて初出。映画を映すスクリーン氏が楽しみにしている観客側のささやかなドラマの例をご紹介。名画のタイトルをもじって、映画館によくある風景が描かれる。...