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ストーリー・解説

「週刊漫画サンデー」(実業之日本社) 1963/12/25号 掲載

 ある日、街に降り立った煮込み鍋みたいな形の宇宙船。「私たちはF星から参りました。地球の皆さん、おつきあいをいたしましょう」と女性の声で呼びかけられた総理大臣以下要人たちはめかしこんでいそいそと集まりました。
 宇宙船から顔を出したのは確かに女性型ですが、中年女性ばかり。すこしがっかりした街の名士たちが見たものは一昔前の家電のようなものばかり。「所詮は女のつくるもの」とバカにしながら帰ろうとしたところ、宇宙船の奥に1人の美男子を見つけました。
 F星人いわくかれは「品種改良を重ねた結果」の色男。どうやらF星では、男性は女性の愛玩物にすぎないようです。
 総理はF星人の男性に地球の女性たちを取られるのでは、と心配し、バリケードを張るなどして遠ざけようとしますが、好奇心や疑心にかられた女性たちが宇宙船を一目見ようと集まり、大騒ぎになります。万策尽きた大臣が思いついたアイディアとは…

 掲載当時の1963年は、徐々に女性の社会進出が目立ち始めてはいるものの、まだ男女の職務には差があって当然、女は家庭に入って当然、という価値観の時代です(なにしろ男女雇用機会均等法の制定が1985年と20年以上もあとのことになるのです)。しかし、そんな「所帯じみた」女性たちがこのまま引き下がっていてはストーリーとしても意外性がなくて面白くない。
 そういう痛快な「大人のユーモア」のこもった作品です。


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