シリーズ
「ファンシーフリー」は"気楽に、気ままに"という程度の意味で、ディズニーの長編アニメーション「ファン・アンド・ファンシー・フリー」からとられたもの。時にマンガ、時に絵物語と様々な形式で描き分けられる大人向けのマンガ版ショート・ショートSFです。
ある農夫の家に突如現れた「ふえるコロッケ」。食べても食べても増えるそれは実は...(「炎症」)
遭難中の宇宙ロケットが不時着した惑星には、思った通りの「もの」そっくりの植物が出現し...(「緑の果て」)
気軽に読める短さながら、ぴりりと皮肉とアイディアの効いた、SFの楽しみにあふれた短編作品集です。
01,ゼンソクの男 1963/02 「SFマガジン」(早川書房)
02,うしろの正面 1963/04 「SFマガジン」(早川書房)
03,炎症 1963/05 「SFマガジン」(早川書房)
04,そこに指が 1963/06 「SFマガジン」(早川書房)
05-07,緑の果て 1963/07〜09 「SFマガジン」(早川書房)
08,七日目 1963/10 「SFマガジン」(早川書房)
09,一寸の虫 1963/11 「SFマガジン」(早川書房)
10-11,ガリバー旅行記 1963/12・1964/02 「SFマガジン」(早川書房)
12,昨日と明日の私(「24時間まえの男」に改題) 1964/03 「SFマガジン」(早川書房)
「SFマガジン」の創刊者でもある福島正実氏は漫画に「ある種の偏見」を持っており、めったに誌上に漫画を掲載しなかったのですが、手塚治虫は福島編集長時代の「SFマガジン」に、「鳥人大系」とこの「SFファンシーフリー」を連載しています。
手塚治虫はSF作家クラブのメンバーとして、当時としてはマンガ家でただ一人名を連ねており、会合場所でもある新宿の台湾料理屋「山珍居」などで仲間たちとSF談義を戦わせていました。