写真と文/黒沢哲哉 地図と絵/つのがい
謎の招待状に誘われて、手塚治虫と手塚マンガの故郷を尋ねる虫さんぽ+(プラス)の旅! 今回から始まる新たな旅は、東京から再び遠く離れ、北へ1,500km、北海道の東端から物語が始まる。最初に向かったのはある有名な監獄だ。北海道で有名な監獄といえば、もうおわかりだろう。そこでひとりの少女が、死刑囚の心を動かした! 果たして今回はいったいどんな旅になるのだろうか!?
ふと目が覚めると、ぼくは自分の車の運転席に座っていた。車外はものすごい暴風雨だ。運転に疲れて仮眠をするつもりが、いつの間にか熟睡していたようだ。しかし何かが変だ。ついさっきまで東京の自宅にいたような気がするのだが......。
そうだ、今日ぼくは東京でタクシーに乗っていたんだ。本物のタクシーに乗って、手塚マンガ『ミッドナイト』の舞台を巡るさんぽをしていたはずだ。
・虫さんぽ+(プラス)ミッドナイト 東京タクシーさんぽ 第1話:早稲田で乗せた老女は幽霊だったのか!?
・虫さんぽ+(プラス)ミッドナイト 東京タクシーさんぽ 第2話:杉並から早稲田へ、時限爆弾を追え!?
・虫さんぽ+(プラス)ミッドナイト 東京タクシーさんぽ 第3話:ニセ警官はタクシーで庚申塚を目指す!!
そしてその旅が終わるころ、ぼくの手元に新たな招待状が届いたのだ。その招待状には、北海道のシルエットと、またしても新たな3つのキーワードが記されていた。
次のさんぽの舞台はまたしても北海道だというのか......。けれども北海道さんぽは昨年終えたはずなのだが──。そんなことを考えながらぼくは家に帰り眠りについた。
なのにここはどこだ!? ぼくはなぜ自分の車の中にいるんだ!?
ナビを見ると、現在地は北海道の東端、斜里郡斜里町と表示されている。そしてこの暴風雨──。
思い出した。ここは前回の北海道さんぽを終えたゴールの場所だ。北海道で3つのキーワードの謎をすべて解き、最後にたどりついたのがこの場所だったのだ。ここは「天に続く道」と呼ばれる人気の観光地である。
ということは......北海道さんぽの後、東京へ帰り『ミッドナイト』タクシーさんぽをした......あれはまさかすべてが夢だったというのだろうか!?
・虫さんぽ+(プラス) 北海道・道南-道東横断編 第1話:標高550メートルの山頂でヒグマに囲まれる!?
・虫さんぽ+(プラス)北海道・道南-道東横断編 第2話:北海道東端の駅で子グマとSLの物語に思いを馳せる!!
・虫さんぽ+(プラス)北海道・道南-道東横断編 第3話:財宝が隠されている神秘の湖はココだった!!
ちなみに「虫さんぽ」から「虫さんぽ+(プラス)」になってバックナンバーが探しにくくなったというご意見をいただきました。バックナンバーを読むには、各コラムのタイトルの下の、「虫さんぽ+」と書かれた灰色のボタンをタップすると、過去の「虫さんぽ+(プラス)」一覧が表示されます。ぜひご活用ください。
ものすごい暴風雨の中で目覚めてみると、そこは北海道の東の端だった!
車体が揺れるほどの暴風雨の中、新たな北海道さんぽはこうして始まった。
今いる「天に続く道」は道路区分で言うと国道334号線と244号線、通称、斜里国道となる。北海道斜里郡斜里町の朱円東(しゅえんひがし)地区から大栄地区まで、およそ18kmにわたり東西にひたすら一直線の道がのびている。その道を朱円東側の端から見ると、道の先端が地平線の果まで続いていて、まるでそのまま天へ駆け上っているように見えるのだ。
あいにくの暴風雨ではあるが、ぼくもSNS映えする写真を撮るべく車を降りて必死にカメラを構えた。そしてどうにかこうにか撮ったのがこの写真である。
嵐の中の「天に続く道」というのもそうそう見られないかもしれない。あまりうれしくはないが......
ずぶ濡れになって車へ戻ったぼくは、気を取り直し、「天に続く道」を西へ向かって出発した。
なぜ西へ向かうのかと言えば、招待状がぼくを西へと誘っているからだ。「天に続く道」は、我ら虫さんぽ+(プラス)隊にとっては「手塚スポットへ続く道」なのだ!!
ぼくの推理が正しければ、ここから約1時間ほどで最初の手塚スポットへ到着する予定だ。
嵐もおさまってきた中、JR釧網本線と並んで走る海沿いの道をドライブしていると、小さな駅舎の前に観光バスが駐まっているのが見えた。「北浜駅」だ。"オホーツク海に一番近い駅"あるいは"流氷の見える駅"として知られる場所だ。ぼくも立ち寄ってあたりを見回すと、どこかで見覚えがある風景の気がする。
じつはここは1965年公開の東映映画『網走番外地』のロケ地になった場所だったのだ。映画の冒頭、高倉健演じる橘真一ら受刑者の乗った列車が網走駅へと到着する。その網走駅として使われたのがここ北浜駅だったのだ。ここで列車を降りた健さんたちは、零下20度の極寒の中、なんと屋根のないトラックの荷台に乗せられて網走刑務所へと向かったのである。
我ら虫さんぽ+(プラス)隊がこれから目指す場所も、健さんが向かったのと同じ方向のような気がする......。
JR釧網本線の「北浜駅」。どこかで見た風景だと思ったら、網走刑務所を一躍有名にした"あの映画"のロケ地だったとは!
北浜駅から車で走ること20分、到着したのは、やはり健さんたちが連れて行かれたのと同じ場所(?)、すなわち網走監獄だった!!
手塚マンガの中で網走刑務所が出てくるのは1970年に雑誌『週刊少年チャンピオン』に連載された性教育マンガ『やけっぱちのマリア』である。
この物語に出てくる少女マリアは、じつは肉体を持たない幽霊で、普段は主人公の少年"やけっぱち"こと焼野矢八の父親が作った等身大のアダルト人形に取り憑いているという、かなりぶっ飛んだ設定のキャラクターである。
そのマリアが学園の女ボスを敵に回したために小包に入れられ、網走刑務所へと送られてしまった。その小包には「死刑囚のだれかに慰問にあげてください」という手紙が添えられていた。こうして網走刑務所を舞台に、マリアの恐怖の物語が始まるのだ。
ちなみに手塚先生が1970年代当時、なぜ『やけっぱちのマリア』のようなハチャメチャな設定のマンガを突然描いたのか、その背景については過去のコラムで深堀りしていますので、興味のある方はぜひそちらも併せてお読みください。
・手塚マンガあの日あの時 第11回:破廉恥マンガ旋風の中で
「博物館 網走監獄」
開館時間/5-9月 8:30-18:00、10月-4月 9:00-17:00、
料金(各税別)大人1,000円、大学・高校生700円、小・中学生500円、
問い合わせ:0152-43-4101
博物館 網走監獄を紹介してくださった公益財団法人 網走監獄保存財団 常務理事の配島淳さん
ということで、ぼくが今いるのは「博物館 網走監獄」の前である。
博物館 網走監獄は1983年7月に開館した。明治時代に作られた網走監獄(現・網走刑務所)の歴史的な建造物群をここへ移築復原、あるいは再現建築した25棟の建物が、169,264平方メートルという広大な敷地の中に点在する野外歴史博物館である。
ここでやけっぱちのマリアや高倉健さんも入った本物の監獄の中が見学できるのだ、ぜひ行かねばならないだろう。
ちなみに現在も刑務所として稼働している実際の「網走刑務所」はここから数キロの場所にあり、もちろん外観のみだが見学は可能なので後ほど訪ねる予定だ。
「博物館 網走監獄」へ入ると、ぼくを出迎えてくれたのは公益財団法人 網走監獄保存財団の常務理事の配島淳さんである。
配島さんにご挨拶をし、この博物館の見どころを尋ねたところ、こんな答えが返ってきた。
「中央の見張所を軸にして5方向へ放射状に広がっている舎房は、重要文化財にもなっていて圧巻です。また細部にいろいろと監獄ならではの工夫がほどこしてありますので、そのあたりもよく見てみてください」
「中は大変広いのでがんばって回ってください」
配島さんにそう励まされ、ぼくはひとりで館内を歩き出した。まず向かったのは配島さんが言っていた舎房だ。
『やけっぱちのマリア』の中で、網走刑務所に届いたマリアを入れた小包は、所長の判断で凶悪な死刑囚1313号に贈られることになった。
これは刑の執行が近い1313号にマリアを贈れば、彼の心に最後にわずかでも人間的な心が芽生えるのではないかという所長の目論見によるもので、実際に1313号の態度は大きく変わっていくのだが、マリアの同居人であるやけっぱちにとっては、彼女を死刑囚と同居させるなど絶対に許せない!!
やけっぱちは貯金をはたいて夜行列車に飛び乗り、網走刑務所へと向かったのだった。
『やけっぱちのマリア』より、学園の女ボス率いるタテヨコの会にひとりで殴り込みをかけたマリア。しかし戦いに敗れ、小包として網走刑務所へ送られてしまった!
※以下、中トビラの画像を除くマンガ本編画像はすべて講談社版手塚治虫漫画全集より
博物館 網走監獄の正門からまっすぐ東へ向かって歩いていくと、やがて正面に舎房の入り口が見えてくる。
中へ入るとひんやりとした空気と静寂があたりを包んでいる。平日のお昼前、しかもつい先ほどまで暴風雨だったので見学者が少ないこともあるだろう。何となく建物全体に張り詰めた空気が広がっているような気がする。
舎房は中央の見張所を車軸(ハブ)としてそこから放射状に5つの舎房がのびており、見張所からすべての房舎の廊下が見渡せる構造となっている。
地上からの写真だけだとその規模感がつかみにくいけど、舎房は北から順番に第一舎、第二舎と名付けられていて、第一、三、五舎は長さが58.2m、第二舎と四舎は72.7mもあるという。
建物のあちこちに看守や囚人のマネキン人形が立っていて、当時の様子がリアルに再現されている。
面白いのは、向かい合った部屋の囚人同士がコミュニケーションが取れないように、木製の格子の断面が菱形になっていて、正面が見えないような構造になっていたことだ。
ほかにも、複雑な動かし方をしないと開けられないドアのロック機構など、随所に様々な工夫が凝らされていた。ただし囚人の人権についてはほぼ無視されているというのも昔の刑務所ならではのものだろう。
これが配島さんが言われていた監獄ならではの工夫だったのだ!
網走刑務所の正門、通称「赤レンガ門」を再現したもの。マネキンの看守に緊張しつつ、いよいよここをくぐって見学開始だ
舎房の入り口へ到着。マリアや健さんがいた雰囲気が感じられるだろうか......
舎房へ入ってすぐの場所にあるのが八角形の中央見張所。この中へ入ってみると、確かに5本の通路すべてがひと目で見渡せる
舎房は第四舎に80房と第五舎に20房の独居房があって、それ以外は126房の雑居房がある
雑居房の中の風景。おっと失礼、囚人たちは現在食事中だったようだ
マリアは凶悪な死刑囚1313号への慰問品として届けられてしまった
博物館の中には、現在の網走刑務所を再現した部屋の展示もあるが、網走刑務所の全面改修が始まったのは1973年だというから、マリアが送られた網走刑務所はさっき見た舎房のイメージに近いということだろうか。
ちなみに訪問前に『やけっぱちのマリア』を読んで予習をしてくださっていた配島さんは、このように言っておられた。
「『やけっぱちのマリア』に出てくる網走刑務所は、昔の網走監獄とも今の網走刑務所ともかなりかけ離れたイメージですね。恐らくですが、手塚先生は実際の網走刑務所の資料を見て描かれたわけではなく、むしろ映画の『網走番外地』などのイメージを参考に描かれたんだと思います。ちょうど『網走番外地』シリーズが大ヒットしていた時期ですからね。当時は網走刑務所と言えば、ほとんどの人があの映画を思い浮かべた時代だったんです」
※黒沢注:映画『網走番外地』シリーズは1965年の第1作から1972年の最終作『新網走番外地 嵐呼ぶダンプ仁義 』まで全18作が作られた。
網走監獄で明治45年ごろに使われていたという独立型独居房。寒い冬にこんなところへ閉じ込められたらきっと耐えられないでしょうね。鉄格子の鍵は、ちょっと見てもどうやって開けるのか分からない凝った仕組みになっている
その監獄の鍵開けを体験できるレプリカがあった。試してみたけどやっぱり難しい!
そのころ、やけっぱちは夜行列車で北海道を目指していた。アバシリ~~というアナウンスには高倉健の似顔絵が描かれ、サッポロ~~というアナウンスには三船敏郎の似顔絵が。これはこのマンガの連載当時、三船敏郎がサッポロビールのCMに出演していたからだ
続いて2010年に完成したという監獄歴史館へと向かう。ここは網走監獄の歴史が映像や貴重な写真、資料展示などで立体的に学べる施設だ
監獄歴史館の中に、現在の網走刑務所を再現したコーナがあった。今の施設はかなり快適そうで、かつての人権無視の時代とは隔世の感がある
「網走刑務所と映画」というコーナーには映画『網走番外地』のポスターが並ぶ。これ以外にも、網走刑務所や網走市が舞台となった映画は意外と多いらしい
明治時代の囚人護送の様子をマネキンで再現。囚人は刑務所の外を歩くとき、必ずこのように顔まで覆う編み笠をかぶせられた。この囚人服と編み笠を自分で着られるコーナーもあったぞ
リアリティあふれる展示品の数々。当時の刑務所での生活が目に浮かんでくるようだ
博物館 網走監獄の案内パンフレットより、全施設のイラストマップ。これがねえ、ものすごく広いんですよ!
(c)博物館 網走監獄
博物館 網走監獄の敷地は驚くほど広いので今回は超駆け足の見学となってしまったが、そろそろ次の目的地へと向かわなければならない。
もっとじっくり見学されたい方は少なくとも3~4時間以上の時間をとっておくとよいでしょう。館内の食堂では囚人に出される監獄食を再現した定食も食べられるそうなので、お昼もここで食べれば囚人気分満点である。
ということでぼくは配島さんにお礼を述べて博物館 網走監獄を後にした。配島さん、ありがとうございます!!
続いて向かうのは、現在も稼働中の「網走刑務所」だ。小高い丘の上にある「博物館 網走監獄」からは約4km、車で10分の距離である。ゆるやかな下り坂をおりていくとやがてJR石北本線の踏切に出る。その踏切を渡ると正面に流れている川が網走川である。
その川に架かる鏡橋という白いコンクリート製の橋を渡ると、その対岸に建っているのが「網走刑務所」だ。
鏡橋の向こうの左手に、高いレンガ塀で囲まれた刑務所の建物が見えてくる。映画『網走番外地』で網走刑務所を最初に紹介する場面で映し出されたのも、まさにこの橋の上から見た光景だった。
『やけっぱちのマリア』では、やけっぱちがやっとここへ到着するも、なんと刑務所の中では、これからまさに1313号とマリアの結婚式が行われようとしているところだった!
しかもやけっぱちがそのことに怒って暴れたために牢屋へブチ込まれている間に、1313号はマリアを連れて脱獄してしまったのだ!!
鏡橋から先は関係者以外の車の乗り入れが禁止されているが、橋の手前の三眺河畔公園という小さな公園に無料駐車場があるので車をそこへ置いて徒歩で対岸へ渡るのがいいだろう。
レンガ塀に沿って奥へ進んでいくと、博物館 網走監獄でも見た網走刑務所正門の本物がある。現在は正門としては使われていないのか、看守もおらず鉄格子の門はピッタリと閉じられていた。門の中の左右には哨舎(しょうしゃ)と呼ばれる2つの小部屋があって、そこには一般の人も入って見学ができる網走刑務所を紹介するプチ展示コーナーが設けられていた。
ただし一般人が観光できるのはこの門までだ。ここからおよそ20メートルほど先には現在の刑務所の出入り口があり、2人の看守が立っていて、カメラを持ってうろつくぼくの方をずっと見守っていた。
そしてカメラを看守の方へ向けたところ、たちまち大声で「こっちは撮らないでくださーい!!」と注意されてしまった。
皆さんも見学に行かれる際は静かに慎ましく行きましょう。
死刑囚1313号は刑務所内でマリアと結婚式を挙げることになる。だが所長がマリアに入れ墨を入れることを許さなかったため1313号は激怒し大暴れ、マリアを連れて脱獄してしまった!
網走川に架かる鏡橋を渡って網走刑務所へと向かう。ここから先は一般車両立入禁止だ。鏡橋という橋の名前には「鏡のような川面を見て、おのれを振り返り、自らの襟を正すべし」という意味が込められているという。ちなみに博物館 網走監獄のチケット売り場前には、昔の鏡橋を復元した橋が架かっている
鏡橋の上から見た網走刑務所。映画『網走番外地』の網走刑務所の場面もこの風景から始まる
大正14年に作られたという網走刑務所の正門「レンガ門」。95年の風雪に耐えた門からはさすがに歴史の重みが感じられます
さて、マリアを連れて網走刑務所を脱獄した1313号は森の中へと逃げ込んだ。やけっぱちがようやくそれに追いついてマリアを奪還しようとするものの、そこへ野生のクマが出現し......と、この後はぜひマンガを読んでみてください。
ということでぼくも、網走刑務所の周辺で1313号が逃げ込んだ山道に似た風景を探してみた。しかし早春のこの季節、さんぽ中にぼく自身が本物のクマに遭遇してしまう可能性も大いにある。そこで今回はあらかじめアウトドアショップであるものを購入しておいた。
それは、携帯用の熊よけベルと熊撃退スプレーである。ベルは歩く体の揺れに併せてチリーン、チリーンという高音の音を出し、クマにこちらの存在を知らせるもの。熊撃退スプレーは刺激性の薬剤を噴射するスプレーで、もし実際にクマに襲われた際に相手に向かって噴霧して撃退するというものだ。
両方とも試したことがないからどれだけ効果があるのかはわからないが、手ぶらで歩くよりは安心......だと思うことにした。
しかし実際は幸いなことにクマに遭遇することはなく、無事にこの日のさんぽを終えたのだった。
やけっぱちは、脱獄した1313号とマリアを追って北海道の山林を駆け回る
早春の山には雪が残る。道路から少し奥へ入ると人の気配はまったくなくなる。いつクマが出てきてもおかしくない空気感が漂っていて、カメラを構える際にもつい後ろが気になってしまう
ということで事前にアウトドアショップで購入して持参した熊よけベル(左)と熊撃退スプレー。効果のほどは不明だが見た目はなかなか頼もしい
やけっぱちは1313号の元から何とかマリアを助け出した。だが1313号はなおも2人を追ってくる。そこで2人が逃げ込んだのは炭焼きの窯だった
こちらは博物館 網走監獄に展示されている登り窯の復元模型。明治時代、受刑者は刑務作業として、こうした登り窯で煉瓦の製造を行っていたという
やけっぱちと13号が揉み合っているところへ巨大なヒグマが現われた! 果たしてこの結末は......!?
嵐の中で始まった今回の北海道虫さんぽ+(プラス)。1日の旅を終えて行き着いたのはとある道の駅だった。ここでしばしの休息を取り、また明日の冒険へと旅立とう
ということで3つのキーワードのうち1つの謎が溶けた。「走」は網走刑務所の「走」だったのである!
新しく始まった北海道編第2弾、次回、その第2話で我われ虫さんぽ+(プラス)隊が向かうのはいったいどんな手塚マンガの舞台となった場所なのか!? 次回もまたぜひご一緒いたしましょう!!
今月のおまけは雑誌連載当時のトビラ絵2点。これら各話のトビラ絵は過去の単行本ではカットされていたが、2019年に復刊ドットコムから刊行された『やけっぱちのマリア〈オリジナル版〉』で初収録された
取材協力/博物館 網走監獄
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虫さんぽ+(プラス)
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