清朝末期、義和団娘子軍で戦った姫三娘は山東省の農民出身。決して美人ではないけれど、持ち前のタフさで義和団の敗北後も北京から上海に逃れ、そこで章炳麟門下の愛国活動家の少年王太白と出会う。三娘の飾らない魅力に徐々に惹かれていた太白だが、清朝の役人にとらわれ、拷問に屈して心に傷を負ってしまう。太白と三娘はともにお尋ね者と...
1953/04-11 「少年画報」(少年画報社) 連載エドモン・ロスタン原作の「シラノ・ド・ベルジュラック」を痛快にマンガ化した作品。剣豪にして詩人、音楽家、多才な怪傑・シラノ・ド・ベルジュラック。巨大な鼻がトレードマークだが、幼友達でパリ一の美女・ロクサーヌに恋をした途端、この鼻がコンプレックスに。一方ロクサーヌ...
資産家札貫家の家長・礼蔵は、資産を増やすために一家全員で冷凍睡眠をすることにした。ところが札貫家が眠りについた後、冷凍睡眠は法律で禁じられることになる。彼らの眠る屋敷はいつしか、「ガラス屋敷」と呼ばれ、忌み嫌われるようになった。交代で起きたり眠ったり、を繰り返していた一族は、兄弟・親子の年齢が逆転したり、長年の冷凍...
アマゾン奥地でピューマに育てられた「山猫少年」は、ブラジル滞在中の普通野刑事に引き取られて「牙人」と命名され、日本で暮らすことに。牙人は野生動物の能力を用い事件を解決する。普通野の娘並子は彼を愛し始める。...
ひとりの商社マンの姿を通して、日本人とは何かを問う社会派サスペンスです。南米リド共和国の商業都市カニヴァリアに、日本の大手商社・江戸商事の支社があり、そこへ新しい支社長・日本 人(ひもとひとし)が赴任してくることになりました。日本(ひもと)は本社の藪下専務から目をかけられていたための、異例の出世でした。ところが、妻...
この作品は、隠れた手塚治虫の自伝的作品です。 稀代のストーリー・テラー手塚治虫は、たくさんのフィクションを生み出す一方で、折に触れて自分の半生をマンガにしています。『紙の砦』や『ゴッドファーザーの息子』など、明らかに自伝とわかる作品もあれば、『モンモン山が泣いてるよ』のように、フィクションとない交ぜになったもの、ま...
手塚治虫による「ファウスト」の3度目のマンガ化です。1970年2月、東京にほど近いN市のNG大学で、50年間研究に打ち込んできた一ノ関教授は、いまだに宇宙の真理が究明できないことに絶望し、自殺しようとしていました。そこへ魔女メフィストが現われ、新しい生命と新しい人生を与えてほしいという一ノ関教授の願いを聞きいれます...
悪魔の申し子・ロックが、奇獣ウェコを利用して、再び悪魔の計画を遂行するという怪奇犯罪ドラマです。死んだと思っていた悪魔の少年・間久部緑郎、通称ロックは、実は生きていました。そのロックが、台湾の奥地でウェコという動物を手に入れ、日本へ舞い戻ってきたのです。ウェコとは、動物の血を吸って生きるネコのような姿の動物で、自分...
1954/07-1955/05 「漫画少年」(学童社) 連載手塚治虫のライフワーク『火の鳥』の、未完となった幻の第1作です。2世紀後半の神話時代の日本。溶岩の火事から火の鳥の卵を救った少年イザ・ナギは、お礼に火の鳥の生き血をもらいます。火の鳥の血を飲んで、3000年の生命をもったイザ・ナギと妹のイザ・ナミは、火の鳥...
1960/03-09 「ひとみ」(秋田書店) 連載石から生まれたサルのビコは、内気な泣き虫だが、優しいおねえさんザルのリンリンに力づけられサルたちの王に。仙術を学び孫悟空となって、天国で大暴れするが…。『ぼくの孫悟空』の姉妹編、少女マンガ版『西遊記』。...
ドイツの作曲家・ルードゥイヒ・ヴァン・ベートーヴェンの半生を描いた伝記マンガです。ドイツのボンで生まれたベートーヴェンは、音楽家の父ヨハンの期待と教育を受けて早くから楽才を発揮し、6歳のときの演奏は新聞記事になるほどでした。しかし、そんな彼を見たクロイツシュタイン公爵の息子・フランツは、ベートーヴェンの耳を棒でなぐ...
時空をこえて存在する超生命体・火の鳥を狂言回しに、過去と未来を交互に描きながら、テーマである「生と死」「輪廻転生」という哲学的な問題を深くえぐる、手塚治虫の代表作にしてライフワークとなった作品です。そこには手塚治虫の歴史観から、遠い未来への予測的な視点のみならず、宇宙とは何か、といったスケールの大きな問への挑戦を...
1955/06 『少女の友』(実業之日本社) 掲載
嵐の夜に、ニューヨークのとある美術館にすばらしい乙女の石像が届けられました。石像はスコットランドの森にある古い池から引き揚げられたものです。石像はその夜、生きかえって美少女・パパイヤとなり、ブルックリンに住むトリス・エスミランを訪ねて行ってしまいます。
いっぽ...