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ストーリー

ひとりの商社マンの姿を通して、日本人とは何かを問う社会派サスペンスです。南米リド共和国の商業都市カニヴァリアに、日本の大手商社・江戸商事の支社があり、そこへ新しい支社長・日本 人(ひもとひとし)が赴任してくることになりました。日本(ひもと)は本社の藪下専務から目をかけられていたための、異例の出世でした。ところが、妻と娘を連れて赴任して間もなく、藪下専務が女性問題で突然辞任してしまったため、日本(ひもと)も、カニヴァリアから、政情不安なサンタルナ共和国のエセカルタに左遷させられてしまいました。エセカルタでは、政府軍とゲリラが毎日のように市街戦を展開していました。日本(ひもと)は大使館の資料から、ゲリラの本拠地フエゴ州のモンテトンボ山にエレクトロニクスの部品に欠かせない希少金属=レアメタルの鉱床が眠っていることを発見します。そして日本(ひもと)は、ゲリラの首領ホセ・ガルチアと交渉してレアメタルを日本に輸出することに成功します。ところが成功も束の間、政府軍がゲリラを制圧したため、日本はエセカルタを脱出する羽目になってしまいました。(未完)

解説

1987/08/10-1989/01/25 「ビッグコミック」(小学館) 連載

手塚治虫の遺作のひとつです。グリンゴはスペイン語で「よそもの」という意味です。手塚治虫は、雑誌「ビッグコミック」には、その創刊以来、手塚マンガの新境地を開拓するような意欲的な作品を多く発表してきました。そしてこの作品でも、「日本人のアイデンティティとは何か」を商社マン・日本(ひもと)の姿を通して描こうとしていたのです。マンガ表現の面でも新しい試みにチャレンジしており、枠線を引くのに定規を使わずにフリーハンドの柔らかい線を使い、また、連載中のトビラ絵は、『シュマリ』の時と同じように、つなげるとひとつの話ができあがる仕組みになっていました。主人公の日本が巻き込まれるゲリラによる誘拐事件は、1986年11月にフィリピンで起きた、日本人商社マンの誘拐事件がモデルになっていますが、その被害者であった若王子信行氏が、手塚治虫と同じ1989年2月9日に亡くなられたのは不思議な偶然です。

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  • グリンゴ (1)
  • グリンゴ (2)
  • グリンゴ (3)

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