どついたれ

1979-80年

敗戦直後の大阪で、したたかに生きる若者たちを描いた未完の大河ドラマ。戦中戦後のリアルなエピソードが散りばめられた隠れた手塚治虫の自伝的作品です。

マンガ「どついたれ」より

マンガ「どついたれ」より

マンガ「どついたれ」より

【解説】

1979年、雑誌『ヤングジャンプ』に創刊号から連載された作品。

戦争末期から終戦直後にかけての大阪を舞台に、したたかに生きる人々の人生を描いた未完の大河ドラマである。

義侠心に篤いが生きるためには悪事も働く八尾のヒロやんと河内のトモやんのふたり。

マッカーサー殺害の野望に燃える戦災孤児・哲、元は金鵄勲章などを作るバッジ工場の御曹司だったが敗戦で無一文になり新たな商売を模索している葛城健二。

そしてマンガ家の卵・高塚修。

 

高塚修のモデルはもちろん手塚治虫自身だが、ヒロやん、トモやん、葛城健二の3人にもそれぞれモデルとなった実在の人物がおり、激動の戦後史の中で彼らによる壮大な人間ドラマが紡がれていくはずだったが、第2部を終えたところで休載されてそのまま未完となった。