アリと巨人

1961年

戦争孤児のふたりが新聞記者とヤクザになり、それぞれの人生をたどる姿が描かれています。静岡空襲の記憶が背景となっています。

 マンガ「アリと巨人」より

 マンガ「アリと巨人」より

マンガ「アリと巨人」より

【解説】

舞台は静岡。

戦争で孤児となったマサやんとムギやんというふたりの少年がいた。

やがてひとりは新聞記者となり、ひとりはヤクザになる。

戦後の厳しい時代をもがくように生きるふたりの人生が陰になり日向になって交錯する。

 

タイトルの"アリと巨人"というのは「人間はアリのように無力で弱い存在であるが、自分はいつか強い巨人になってやる」というムギやんの言葉から来ている。

作中に出てくる空襲は1945年6月19日深夜にあった静岡大空襲をイメージしたものと思われる。

標的となったのは静岡市内にあった三菱重工の航空機工場などで、およそ2000人近い死者が出た。