モンモン山が泣いてるよ

1979年

内気な少年シゲルはモンモン山で白ヘビの化身を名乗る青年と出会い心を通わせますが、戦争の勃発とともに青年は姿を消してしまいます。手塚自身の少年時代をモデルにしたノスタルジックな短編作品です。

マンガ「モンモン山が泣いてるよ」より

マンガ「モンモン山が泣いてるよ」より

マンガ「モンモン山が泣いてるよ」より

【解説】

1979年、雑誌『月刊少年ジャンプ』に発表された読み切り作品。

時代は昭和11年。

内気で友だちの少ない小学校4年生のシゲルは、モンモン山の蛇神社で白ヘビの化身と称する謎の青年と知り合った。

青年はシゲルに木登りを教えてくれ、ポプラ相撲で悪ガキ連中にも勝てる強いポプラをくれた。やがて戦争が始まると、青年は山からぱったりと姿を消してしまった。

風のうわさでは青年は憲兵にひっぱられ戦場へ行かされたということだったが……。

 

物語の舞台となっているモンモン山は手塚が少年時代を過ごした宝塚の実家の裏山=御殿山をそのままイメージしている。

そこは当時手塚が昆虫採集に明け暮れた思い出の山であり、山の中腹には手塚が蛇神社と名付けたお稲荷さんが住宅地に囲まれて今もひっそりと祀られている。