アクション映画を観ていると、このチンピラ、よく見かける顔だなあ、と思うような人がいますよね。決して主人公の向こうを張る敵役としてはキャスティングされないけれど、その敵役の手下といった役柄を演じさせたらスクリーンの片隅でキラッと個性を輝かせる。このキャラクターはそんな役者です。とはいえモデルとなったのは主演映画だってちゃんとあるアメリカ俳優リチャード・ウイドマークですから、彼だって場所さえ与えられれば堂々の主演を演じられたでしょう。しかし『アトム』以降、彼の魅力を最大限に発揮するステージはついに作られることはありませんでした。それでも彼は登場すればそのシーンを圧倒する個性の輝きを失いません。こういう役者がじつは映画でも手塚ワールドでもいちばん重宝がられるのです。ハリウッド映画『死の接吻』以来の、あのウィドマークの有名な「ハイエナ笑い」も、彼の持ち芸のひとつです。
1955年鉄腕アトム /電光人間
1956年鉄腕アトム /アトラス
1957年複眼魔人 (電車の乗客)
1963年鉄腕アトム /悪魔の風船
1964年鉄腕アトム /悪役たちのロボット
1965年W3(ワンダースリー) (ハードボイルド商会)
1967年鉄腕アトム /顔のないロボット
1970年聖女懐妊 (特殊刑務所からの脱走者)
1973年ブラック・ジャック /人間鳥 (人力飛行コンクール観客)
1974年ブラック・ジャック /鬼子母神の息子 (誘拐グループ)
1974年ブラック・ジャック /目撃者 (爆弾犯人)
1975年ブラック・ジャック /宝島 (ブラック・ジャック誘拐グループ)
1976年ブラック・ジャック /昭和新山 (患者)
1977年ブラック・ジャック /助っ人 (医師)
1977年ブラック・ジャック /銃創 (強盗)
1980年鉄腕アトム /アトム対アトラス
1980年鉄腕アトム /子ぞうプーラ
1981年七色いんこ /ハムレット
1981年七色いんこ /ピーターパン (麻薬密輸団)