作品の中でウランちゃんは「ロボッティング」というロボット向けの格闘技の選手として活躍します! 特集1でご紹介した「アトム ザ・ビギニング」にも、「ロボレス」というロボット格闘技が出てきましたね。
ウランちゃんは、『少年』の1960年8月号から9月号に掲載されました。
連載時のタイトルは「1/2人間」でした。
アトムの弟妹として作られたばかりのコバルトとウランは、街中や学校でもトラブルを起こしてばかり。ある日、ロボット同士が戦う「ロボッティング」という競技に、おてんばなウランが勝手に飛び入り参加して、相手を倒してしまいます。その後、正式な選手として登録されたウランは連戦連勝し、一躍人気者に。学校と試合のかけもちで大忙しのウランは「身体が2つに分かれるといいのに」と言いだします。それを聞いていたマッド・サイエンティストの雪杉博士は、身体を2つに分ける改造手術をウランにすすめるのですが…
このエピソードの見どころと言えば、まずはウランのおてんばぶりでしょう。そのおかげで悪い博士にだまされて改造され、身体の半分がバラバラに破壊されるなど、さんざんな目に遭ってしまいますが…。ウランの身体がタテに真っ二つに割れる姿や、試合相手から残酷なまでに破壊されるシーンは衝撃的で、印象度はバツグン。読者への自己紹介エピソードとしては、まず成功だと言えるでしょう。
また、アトムのお兄さんぶりも見どころの一つ。家の中ではもちろん、街中や学校でウランとコバルトの教育をするアトムの姿は、いつもよりさらに頼もしく見えます。なにせウランとコバルトのトラブルメーカーぶりときたら大変なもので、普通の感覚を持ったアトムがとても「優等生」に見えるのです。