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虫ん坊 2014年12月号 オススメデゴンス!:『鉄腕アトム』より 「地上最大のロボットの巻」

 今月は、舞台化が決定しました『PLUTO』の元となった作品、『鉄腕アトム』より「地上最大のロボットの巻」をご紹介いたします!

 『鉄腕アトム』の中でも一番人気のエピソード、舞台『PLUTO』の予習に読んでみてはいかがでしょうか?



解説:

 (手塚治虫 1958年8月25日 光文社刊 「鉄腕アトム」4 より)

 

 アトムはもう足かけ十年ちかく書いています。わたしの作品の代表のように言われています。でも、アトムをさいしょ書きはじめたときはまさかこんなにつづくとは思いませんでしたし、またアトム自身、物語の主役ではなかったのです。

 「ジャングル大帝」をM誌に連載しているとき、光文社の『少年』の編集長の金井さんから、なにか冒険科学ものを書いてほしいとご注文がありました。それで、さいしょ原子力と未来の世界をあつかった「アトム大陸」という連載をかんがえたのですが、金井さんにお見せしたら、むずかしすぎるとのこと。それまで単行本をおもにかいていたわたしにとって、雑誌の読者は、どうも勝手がちがうようでこまりました。

 (中略)

 おもったとおり、さいしょにかいた「アトム大使」はふくざつすぎて、よくすじがわからないというひょうばんでした。それで、つぎに「鉄腕アトム」というタイトルで、アトムをあらためてかつやくさせることになりました。…

 (後略)



読みどころ:


虫ん坊 2014年12月号 オススメデゴンス!:『鉄腕アトム』より 「地上最大のロボットの巻」

 『鉄腕アトム』の全エピソードの中で、もっとも有名で、人気があるのが、この『地上最大のロボット』です。特に敵役として登場したプルートウは、その圧倒的な存在感で、単なる「1エピソードの悪役ロボット」以上の人気を獲得し、ファンの間では手塚ワールドの人気スターの一人として認知されています。



虫ん坊 2014年12月号 オススメデゴンス!:『鉄腕アトム』より 「地上最大のロボットの巻」

 地球上で最強のロボットとなるため作られたロボット・プルートウ。彼は、主人であるサルタンの命令で、世界で最高とよばれる7体のロボット達に次々と戦いを挑んでいきます。もちろんその中にわれらがアトムもキチンと含まれているのがファンとしては嬉しいのですが、アトム以外の6体のロボット達も実に個性的に描きわけられていて、それぞれがゲスト出演するだけで6つのエピソードが作れるのではないか、と思えるほど。このエピソードによって「アトムは世界でベスト7に入る優秀なロボットとして有名」「世界にはパワーだけならアトムを凌ぐロボットがいる」など、『鉄腕アトム』の作品世界におけるロボットの位置付け・ランク付けがさらに明確になり、思わず読者も「僕達の代表選手」としてアトムを応援してしまいます。

 



虫ん坊 2014年12月号 オススメデゴンス!:『鉄腕アトム』より 「地上最大のロボットの巻」

 また、世界中のロボットとプルートウのバトルはもちろん、プルートウとウランの恋愛感情にも似たやりとり、天馬博士の再登場、アトムのパワーアップ改造など、読者(特に少年)のワクワクするような要素がタップリと詰め込まれています。そして人間の都合により、戦うためだけに生まれてきたプルートウの哀しい宿命は、科学の発達を間違った方向に使用する悲劇を、テーマとして読者にわかりやすく訴えかけてきます。

 



虫ん坊 2014年12月号 オススメデゴンス!:『鉄腕アトム』より 「地上最大のロボットの巻」

 とにかく、アトムを語る上で絶対にはずせないエピソードの1つですので、これから手塚マニアへの道を目指そうという方は、この『地上最大のロボット』に登場するロボット達の中から"お気に入りの1体"を選んでおいても損はないでしょう。

 







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