1986/05/02-1987/06/12・1987/07/10-1987/09/18
1 第1部 ACT.1(講談社版手塚治虫漫画全集『ミッドナイト』第1巻 ACT.1)
1986/5/2 「週刊少年チャンピオン」
ミッドナイトのタクシーが警察の非常検問に止められる。近くで子どもが毒入りチョコレートをバラまいたというのだ。間もなくミッドナイトがそれらしき少年を見つけて問い詰めると、少年は、友だちとして可愛がっていた海鳥たちが、船がタレ流した重油によって死んでしまったため、船員に復讐しているのだと言った。バラまいた毒入りチョコレートは5つ。そのうち4個は警察が回収したが、あと1個は船員が拾っていったままだった。ミッドナイトは少年を連れてチョコレートを取り戻しに向かった。
2 ACT.2(第1巻 ACT.2)
1986/5/9 「週刊少年チャンピオン」
早朝4時半過ぎ。会社で宿直をしていた新入社員の青年が、社長から空港へ忘れ物の重要書類を届けるように命じられる。青年は書類を持ってミッドナイトのタクシーに乗ったが、途中で故障した車を見つける。それは急病の息子を病院へ連れて行く途中の母親だった。青年は先を急ぐからと一度は断わるが、どうしても無視できず、しかたなく母と子どもを乗せて病院を探しはじめた。しかし子どもを受け入れてくれる病院はなかなか見つからず、時間は刻々と過ぎていく。
3 ACT.3(第1巻 ACT.3)
1986/5/16 「週刊少年チャンピオン」
あるタクシー運転手がネコをはねてしまった。ミッドナイトはそのネコの傷の手当てをしてやり、ネコは行きつけのラーメン屋で飼われることになった。良く見るとそのネコは普通の家ネコではなく山猫だった。山猫は片足を失ったが、すっかり元気になり、ラーメン屋のマスコットになった。ところがそのころから、近所で小鳥や飼い犬が何者かに襲われる事件が頻発しはじめた。
4 ACT.4(第1巻 ACT.4)
1986/5/23 「週刊少年チャンピオン」
ある夜、ミッドナイトは金持ちそうな紳士を乗せた。実はその紳士は以前は泥棒であった。ところが盗みを働こうと押し入った貧しい家で10万円を差し出され、改心して必死で働き、事業に成功したのだという。そしてかつて押し入った家に10万円をくれたお礼にと言って大金を置きにきたのであった。しかしその話にうさん臭さを感じたミッドナイトは紳士の背広に盗聴器をしかけていた。そしてミッドナイトが暴いた真実とは……!?
5 ACT.5(第1巻 ACT.5)
1986/5/30 「週刊少年チャンピオン」
ミッドナイトは、盛り場で大人ぶっていた若い娘を乗せた。娘は厳しすぎる両親のしつけに反発し、大人の男に恋をして、学校帰りに化粧をし大人のふりをしては男と会っていたのだ。そんな世間知らずの娘に激しく怒るミッドナイトだったが、娘はまったく聞く耳を持たず、男の家へ向かうように告げた。そして……。
6 ACT.6(第1巻 ACT.6)
1986/6/6 「週刊少年チャンピオン」
深夜にミッドナイトの客となった少年は「信濃野方駅まで行ってくれ」と言った。それも最終列車が信濃野方駅に着く前に到着したいのだという。その目的を不審に思いながらも、金は持っていたため、ミッドナイトは少年を乗せて車を走らせた。ミッドナイトが道々少年から聞き出した話によると、その列車の乗客は少年の母親なのだという。そして少年は抱えていた大きな段ボール箱の中に、洋弓を隠し持っていた!
7 ACT.7(第1巻 ACT.7)
1986/6/13 「週刊少年チャンピオン」
この夜、ミッドナイトの客になったのは不良学生だった。不良学生は廃屋で待つ弟に会いに来たのだ。学生は、弟に実家の金庫から金を盗んでここへ持ってくるように命じていた。しかし弟は金を持ってきていなかった。そこで兄が弟を激しく責めると、弟は窓から飛び降りてしまった!! 兄は成績優秀で両親に期待されている弟に嫉妬していたのだ。だが瀕死の弟を見た兄は目が醒め、弟の命を救いたいと心から願った。
8 ACT.8(第1巻 ACT.8)
1986/6/20 「週刊少年チャンピオン」
ミッドナイトは仕事中に重傷を負った刑事を拾った。話を聞くと、刑事は政府要人の暗殺をたくらむテロリストたちを追跡中だったのだという。しかもそのテロリストは刑事のふたりの子どもを人質にとっていた。ミッドナイトは仕方なくテロリストの車を追跡しはじめる。
9 ACT.9(第2巻 ACT.6)
1986/6/27 「週刊少年チャンピオン」
恋人を慕って上京してきた若い娘と、それを出迎えに来た青年を乗せたミッドナイト。しかし青年はしきりに彼女を故郷に帰したがっていた。実は青年は、ボクサーになることを目指して上京してきたのだが、つい先日、八百長試合にからむいざこざで先輩ボクサーがやくざの組長に殺された現場を目撃してしまい、組から命を狙われていたのである。しかしそんなこととは知らない娘は、帰ったふりをしてミッドナイトに青年のアパートへ向かうように言った。
10 ACT.10(第2巻 ACT.1)
1986/7/4 「週刊少年チャンピオン」
タクシー仲間の間で、ワセダ大学の裏通りに老婆の幽霊が出るというウワサが広がっていた。そして、たまたまその道を通りかかったミッドナイトがそこで老婆を乗せた。行き先は墓地。老婆はその墓地で首を吊って自殺をしようとしていたのだ。話を聞くと、幽霊の正体はやはりその老婆だった。老婆は、商社マンだったひとり息子が海外で死んでしまったために生きる希望を失い自殺をしようとしていたのだ。
11 ACT.11(第2巻 ACT.2)
1986/7/11 「週刊少年チャンピオン」
ミッドナイトは、自分が事故を起こして脳死状態にしてしまった少女マリを治してくれる医者を探し、無免許の天才外科医ブラック・ジャックの元を訪れた。ブラック・ジャックは、もし手術が失敗してマリが死んだら、マリの臓器を移植用にもらい受けるという条件で手術を引き受けた。そして手術は始まった。しかし……。
12 ACT.12
1986/7/18 「週刊少年チャンピオン」
13 ACT.13
1986/7/25 「週刊少年チャンピオン」
14 ACT.14(第2巻 ACT.3)
1986/8/1 「週刊少年チャンピオン」
東南アジアの小島から、40を過ぎた中年男が日本へやってきた。男を客として乗せたミッドナイトは、彼が自分の父親を探しに日本へ来たのだと聞かされる。男は太平洋戦争中に日本兵が現地の女性に生ませた戦争孤児だったのだ。しかし父の名前が金太郎ということ以外は何も知らず、その名前すらも「足柄山の金太郎」という歌詞を記憶しているだけで、信頼できるものかどうかも分からなかった。そして男はたちまち有り金を使い果たし、父を見つけられないまま帰国することになる。男を哀れに思ったミッドナイトは、偶然にも同じ金太郎という名前のラーメン屋の親父に、男の父のフリをしてくれないかと頼みこむ。
15 ACT.15(第6巻 ACT.7)
1986/8/8 「週刊少年チャンピオン」
深夜、ひとりの高校生の少年を乗せたミッドナイト。高校生はある友人の家へと向かった。そして友人を外へ呼び出すと、いきなり殴りつけた。実はその高校生と友人は、同じ野球部の仲間であり、今年初めて甲子園出場の夢をつかんだのだ。ところが、その友人が酒を飲んで急性アルコール中毒となり救急車で運ばれたことが新聞ざたとなり、彼の高校は甲子園出場辞退に追い込まれてしまったのだ。しかしミッドナイトは、少年がアルコール中毒になったのには何か理由があると睨んだ。そして……。
16 ACT.16(第2巻 ACT.4)
1986/8/15 「週刊少年チャンピオン」
不景気な夜。千葉の海岸まで足をのばしたミッドナイトは、真夜中の砂浜で、ひとり遊んでいる少年を見つける。ミッドナイトが少年に話しかけると、少年はひとりではなく、母と弟が目の前にいるのだと真顔で答えた。後日、ミッドナイトがその近所で事情を聞いてみると、3年前、その海岸の沖で旅客機の墜落事故があり、まだ見つかっていない遺体もあるのだという。少年はこの海へ死んだ母と弟に会いにきていたのだろうか。
17 ACT.17(第2巻 ACT.5)
1986/8/22 「週刊少年チャンピオン」
ミッドナイトは、夜明けまでに松本の山奥へ行ってほしいという青年を乗せた。話を聞くと、青年は死んだ父の遺した土地に、戦争中の宝が埋めてあったことが分かったため、それを掘り返しにいくのだという。しかしすでに土地は売り払ってしまった後であり、明日からはそこで開発工事が始まるため、今夜中に見つけださなければならない。青年は、ミッドナイトにも分け前をあげるから手伝ってほしいと言い、ふたりで山を掘り返しはじめた。
18 ACT.18(第3巻 ACT.1)
1986/8/29 「週刊少年チャンピオン」
その夜、ミッドナイトが乗せたのは、年老いた盲目の花火師だった。その男が指定した行き先は、人気(ひとけ)のない河原。やがてそこにやってきたのは、その花火師の若き日のライバルだった男であった。50年ぶりの再会を果たしたふたりは、これから自慢の花火を1発ずつ打ち上げ、その優劣を競うという。そしてミッドナイトにその審査員をやってほしいと願い出た。
19 ACT.19(第2巻 ACT.9)
1986/9/5 「週刊少年チャンピオン」
深夜のキヌタ公園で、毎晩、マラソンの練習をしている若い女性がいた。ミッドナイトは女性に物騒だからと忠告をするが、女性は耳を貸さずに練習を続ける。女性は女子マラソンの期待の新人選手で、近くサンディエゴ国際マラソンに参加するため練習に励んでいたのである。しかしミッドナイトが心配したとおり、パープルのシゲというタチの悪い暴走族がその女性に目をつけていた。そしてシゲは、事もあろうにミッドナイトに変装して女性を襲った!!
20 ACT.20
1986/9/12 「週刊少年チャンピオン」
21 ACT.21(第2巻 ACT.7)
1986/9/19 「週刊少年チャンピオン」
ある夜、ミッドナイトが客として乗せた女性が、車の中へ赤ん坊を捨てていってしまった。警察へ行きたくないミッドナイトは、ラーメン屋の親父に代わりに連れて行ってもらおうと、そこへ向かうことにした。途中、踏切にさしかかる直前で、いきなり赤ん坊が泣きだしたため、ミッドナイトは車を停止させた。すると、その目の前を列車が猛スピードで通過していった。踏切が故障していて警報が鳴らず、遮断機も降りなかったのだ。もし赤ん坊が泣いていなければミッドナイトの車は列車と激突していたに違いない。ミッドナイトは赤ん坊にふしぎな愛情を覚えると共に、捨てた母親に対して強い怒りを覚えた。そして……。
22 ACT.22(第6巻 ACT.9)
1986/9/26 「週刊少年チャンピオン」
ある道路のS字カーブに大きなケヤキの古木があた。そこではこれまでに何件もの交通事故が起き、何人もの死人が出ていた。そのため人はそこを「魔のカーブ」と呼んでいた。ミッドナイトがその場所を調べると、そこは個人の土地の中に作られた私道であり、地主の男がわざと事故を起こしやすいように作ったカーブだった。男は25年前、無謀運転の車に妻と子どもを殺され、その復讐が目的だったのである。
23 ACT.23(第2巻 ACT.8)
1986/10/3 「週刊少年チャンピオン」
ミッドナイトは、都会の真ん中で残飯をあさるタヌキの親子を見つけ、掃除婦のおばさんがその世話をしていることを知る。タヌキは近くにある廃ビルに住みつき、おばさんから残飯をもらって生活していた。しかし、タクシー仲間から、そのビルはいつ崩れるかわからない危険なビルであることを聞いたミッドナイトは不安になる。おばさんがタヌキにエサをあげようと入ったときにビルが崩れたら……。胸さわぎを覚えたミッドナイトは廃ビルへと急いだ。すると……。
24 ACT.24(第4巻 ACT.4)
1986/10/10 「週刊少年チャンピオン」
今夜のミッドナイトの客は幼い少女だった。少女は、まるで大人の男のような口調で話し、向かった先は廃屋となった古い洋館だった。やがてそこに彼女の両親と心霊学者が到着し、事の真相が明らかになる。少女は、50年前にこの屋敷に住んでいた軍人の生まれ変わりだと信じこんでいるのだという。
25 ACT.25(第3巻 ACT.2)
1986/10/17 「週刊少年チャンピオン」
ミッドナイトは、植物人間となっているマリの心臓が止まったという知らせを聞いて病院へ駆けつけた。間もなく彼女の心臓はまた動き出したものの、気がつくと、病院の前に停めてあった愛車が盗まれていた。ミッドナイトは、その直前に病院を出たシンナー中毒の患者が怪しいとにらんで、夜の盛り場へその男を探しに向かう。
26 ACT.26(第3巻 ACT.3)
1986/10/24 「週刊少年チャンピオン」
世界的な脳死の専門家、リーゼンバーグ教授が国際会議に出席するために来日しているという話を聞き、ミッドナイトは、教授にマリを診察してもらおうと会議の席上へ乗りこんだ。しかし教授はミッドナイトの願いをきっぱりと断わった。教授は大の日本人嫌いだったのだ。その後、ミッドナイトは教授を知る人物から、リーゼンバーグ教授がなぜ日本人嫌いになったのかを聞かされた。その理由とは……。
27 ACT.27(第3巻 ACT.4)
1986/10/31 「週刊少年チャンピオン」
ミッドナイトの必死の願いが届き、脳死の世界的権威・リーゼンバーグ教授にマリを診察してもらえることになった。そこへ、顔に無数の傷がある外国人の男が現われた。男は、リーゼンバーグ教授は、第2次世界大戦当時、ナチス・ドイツの御用医師であり、ポーランドの強制収容所で、ナチスドイツの命令に従って悪魔の生体実験をしていたのだと言った。教授もそれを認め、診察する5時間の間だけ待ってほしいと願い出た。
28 ACT.28(第3巻 ACT.5)
1986/11/7 「週刊少年チャンピオン」
この日の客は、成田空港まで行ってほしいという中国残留孤児の中年婦人だった。婦人は、母が危篤だという知らせを受けて中国へ急ぎ帰国するのだという。ところがギリギリで到着した空港では、無常にも中国行き飛行機は欠航となっていた。明日の便に乗ったのでは母親の死に間に合わない。ミッドナイトはあるアイデアを思いつき、空港ロビーからNHKの報道局に電話をかけた!!
29 ACT.29(第3巻 ACT.6)
1986/11/14 「週刊少年チャンピオン」
客待ちをしている間につい居眠りをしてしまったミッドナイトは、自分自身を客として乗せる夢を見た。客となったミッドナイトが指定した行き先は、茨城県尻軽村にあるミッドナイトの父が眠る墓地であった。ミッドナイトは父の墓石の前で、自分の少年時代を回想する。飲んだくれの父とのふたりだけの生活。その荒んだ生活の中で、ミッドナイトは次第にグレていったのである。そして父の死んだ日も、ミッドナイトは悪友たちと徹夜で麻雀をやっていた……。
30 ACT.30(第3巻 ACT.7)
1986/11/21 「週刊少年チャンピオン」
その日、ミッドナイトが乗せた貧相な男は、死んだ女房の形見の着物を質入れに行くところだった。男は元小学校の教師であり、自分の教え子がノーベル賞を受賞した祝賀会に招かれていた。だが、長患いした女房のために金を使い果たしどん底の極貧生活をしていたために礼服のひとつもなかったのである。そこで男は、教え子に恥をかかせないために、大切な女房の形見を質に入れることにしたのであった。
31 -32 ACT.31-32(第3巻 ACT.8)
1986/11/28-1986/12/05 「週刊少年チャンピオン」
ミッドナイトは、ひょんなことから、生意気ではねっ返りな若い女性トラックドライバー・鵲カエデと知り合う。彼女は、死んだ父の跡を継いでカササギ運輸の社長となったのだが、ライバルの悪徳運送会社・北陽急便から、再三に渡って嫌がらせを受けていた。そしてこの日も、北陽急便の差し向けた殺し屋が、カエデを事故死に見せかけて殺そうとしていた。それを知ったミッドナイトは、あわてて彼女のトラックを追うが……。
32 ACT.33(第4巻 ACT.1)
1986/12/12 「週刊少年チャンピオン」
ミッドナイトは、ひとりの童話作家を客として乗せた。作家の行き先は、彼がまだ無名だったころに、同じ児童文学を志す仲間と共に暮らしていたアパートの跡地だった。今は立派なビルが建つその場所に集まったのは、当時の彼の3人の仲間だった。しかしその童話作家には、その場所は懐かしさと共に暗い思い出の場所でもあった。15年前、彼がようやく作家として評価され始めた矢先、彼の部屋から身に覚えのない大量の麻薬が見つかり、彼は投獄されてしまったのである。その話を聞いたミッドナイトは、彼を無実の罪に陥れた真犯人を見ぬいた!!
33 ACT.34(第4巻 ACT.5)
1987/1/1 「週刊少年チャンピオン」
ミッドナイトは深夜のハイウェイを運転中、猟銃で射殺された犬の死体を発見する。飼い主が見つかったら渡そうと、何気なくその首輪を持って飲み屋へ入ったミッドナイトは、そこで偶然にも犬の飼い主だったという水商売の中年女性と知り合う。女性は、夫と息子を捨て、男と駆け落ちしてこの町へ流れついていたのだという。彼女は、今は自分のしたことを深く悔いていた。するとそこへ、死んだはずの犬に案内されたといって彼女の息子が現われた。
34 ACT.35
1987/1/9 「週刊少年チャンピオン」
35 ACT.36(第4巻 ACT.2)
1987/1/16 「週刊少年チャンピオン」
クリスマスの夜、ミッドナイトは、ふとしたことから浮浪者の老人と知り合った。老人はミッドナイトからもらったケーキを食べ終えると「お礼に私の体をあげよう」と言い残して死んだ。その直後、マリの病院へ行ったミッドナイトは、マリの心臓が停止したことを告げられる。マリの遺体はブラック・ジャックの元へ運ばれていた。ブラック・ジャックは、マリを救うためには、死んだばかりの人間の心臓が必要だと言う。そこでミッドナイトは先ほどの老人のことを思い出した!!
36 ACT.37(第4巻 ACT.3)
1987/1/23 「週刊少年チャンピオン」
正月の深夜、ミッドナイトは制服を着た警官を客として拾った。警官はミッドナイトに拳銃を突きつけ、公衆電話から電話をかけさせ、ひとりの男を呼び出すように命じた。実はその男は、交番を襲って警官を射ち制服と拳銃を奪ってきたニセ警官だったのだ。やがて電話で呼び出された男が公園にやってきた……。
37 ACT.38(第4巻 ACT.6)
1987/1/30 「週刊少年チャンピオン」
ある霧深い夜、ミッドナイトがタクシーで河原を走っていると、いきなり自分の後をつけてくる車がいることに気づく。ミッドナイトはその車を振り切ろうとスピードを上げるが、つけてくる車は全く離れない。後日、客となった男にその話をすると、男は、それはリーマン空間という時間の断層によるものだと語った。そしてミッドナイトの車を後ろからつけてきた車というのは、時間のブレによって数秒後の自分自身の姿が見えていたと言うのである。
38 ACT.39
1987/2/6 「週刊少年チャンピオン」
39 ACT.40(第4巻 ACT.9)
1987/2/13 「週刊少年チャンピオン」
東京から札幌まで客を乗せて来たミッドナイトは、雪祭り会場で、偶然、カササギ運輸の女社長・鵲カエデと再会する。しかしその直後、ミッドナイトは偽札犯人の仲間と見られて警察に逮捕されてしまう。東京から乗せた客が偽札使いの常習犯だったのだ。しかしその窮地を救ってくれたのはカエデだった。カエデはミッドナイトを自分の会社の社員だと言って、身元保証人になってくれたのである。そして……。
40 ACT.41(第6巻 ACT.8)
1987/2/20 「週刊少年チャンピオン」
スーパーで食べ物を買っては恋人の住むマンションへと向かう青年。ミッドナイトは、しばしばその青年を客として乗せるようになった。ところがふとしたことから、青年の恋人だった女性は、もう5ヵ月も前に死んでいたということを知る。青年は、恋人の死を認められず、彼女の部屋でずっと無為な時間を過ごしていたのだ。ところがある日、その部屋に空き巣が入り、部屋が荒されてしまった。ショックを受けた青年に、ミッドナイトは……。
41 ACT.42
1987/2/27 「週刊少年チャンピオン」
42 ACT.43(第4巻 ACT.8)
1987/3/6 「週刊少年チャンピオン」
ある日、ミッドナイトの元へ昔の暴走族時代の仲間がやってきて、ライバルグループのボス・蛭沢がミッドナイトの命を狙っていると忠告する。一方、ミッドナイトは別の問題も抱えていた。それは愛車のトランクにハクセキレイという野鳥が巣を作ってしまったことだった。巣の中で卵を暖めている親鳥を追い出すわけにもいかず、ミッドナイトは、昼間はトランクを開けておき、夜は安全運転をすることで対処することにした。しかしそんな折、乗務を終えて車庫へ戻ったミッドナイトを蛭沢が待ち伏せしていた。
43 ACT.44(第4巻 ACT.7)
1987/3/13 「週刊少年チャンピオン」
その夜、ミッドナイトが乗せたのは幼い少女だった。少女に行き先を尋ねると、少女は無言でメモ帳に「助けて 中野 清風荘 木村みつ子」と書いて示した。不審に思いながらもそこへ向かってみると、同名の女性は確かに住んでいたが7年前に病死していたことが分かる。そして少女は、その死んだ女の娘で、今は別の家庭に引き取られて暮らしているという。しかしなぜ彼女はそんなメモを書き、ここへ来ようとしたのだろうか……。
44 ACT.45(第5巻 ACT.1)
1987/3/20 「週刊少年チャンピオン」
この夜の客は、帽子を深くかぶり、大きなマスクで顔を隠した女性だった。彼女はこれから泥棒に入るという。そして向かった先は老人ホームの経営者宅だった。実は彼女はその老人ホームで働く介護員であり、経営者はホームの金を横領し老人ホームをつぶすと言い出したのだった。そこで彼女は経営者が着服した金を盗み出すことにしたのだという。それを聞いたミッドナイトは、何の気まぐれか、彼女に力を貸すことにした。
45 ACT.46(第5巻 ACT.5)
1987/3/27 「週刊少年チャンピオン」
ミッドナイトは、重傷を負った血まみれのチンピラやくざを乗せた。まだあどけなさの残るその男は、組長から、敵対する組織の幹部を3~4人殺してきたら50万円くれると言われ、馬鹿正直にそれを実行してきたのだった。男はその50万円を田舎で暮らす母親に送るつもりでいた。ミッドナイトは男を組まで送り届けたが、組長は最初から、男に50万円など渡すつもりはなかった。そして……。
46 ACT.47(第6巻 ACT.1)
1987/4/3 「週刊少年チャンピオン」
深夜、ミッドナイトは刑務所の塀の外で、囚人服の男を拾った。男は脱獄ではないと言い、金も持っていた。行き先を尋ねると、夜空に低く輝いている1つの星を指差して「あの星をめざして走ってくれ」と言う。男はミッドナイトに自分の身の上を語りだす。自分はタクシー強盗をやって死刑を宣告されたが、クリスチャンだった母の教えを受け継ぎ、他の死刑囚たちの心を救ってやったことから、神に許され出所することができたのだと……。そして星の真下に着いたとき、男は……。
47 ACT.48(第6巻 ACT.2)
1987/4/10 「週刊少年チャンピオン」
あるバイオリン造りの名手が心筋梗塞で倒れた。医者は男に絶対安静を言い渡したが、男はひとりの名バイオリニストと3年前に約束したバイオリンを完成させなければならないと言って、医者や家族の制止を振り切ってバイオリンの製作を続ける。そして約束の4月1日、男は完成したバイオリンを抱えて、ミッドナイトのタクシーに乗った。
48 ACT.49(第6巻 ACT.3)
1987/4/24 「週刊少年チャンピオン」
ミッドナイトは、客として乗せた善良そうな青年が、実はカタギの人間ではないことを見抜いていた。そして案の定、男は、某国の秘密工作員だった。男は、今回の仕事を最後にしてアメリカへ亡命するつもりでいた。ところがそのことを知った某国は、その男の上司であり、かつ男の実の父親である工作員に、男を殺すことを命じた。
49 ACT.50(第5巻 ACT.7)
1987/5/1 「週刊少年チャンピオン」
ひとりの老タクシードライバーが車を降りることになった。ミッドナイトが、記念に何か運転手仲間からプレゼントして欲しいものはないかと老人に尋ねると、老人はあるコンビニで働いている、ひとりの女子高生と話がしたいと言い出した。その女子高生は、老人がかつて若い頃に生き別れた女性にそっくりだというのである。ミッドナイトはその話を女子高生に持ちかけ了承を得かけるが、そこに女子高生の母親と祖母が現われ、そんなことはさせられないと断わられてしまう。
50 ACT.51(第5巻 ACT.2)
1987/5/8 「週刊少年チャンピオン」
ミッドナイトは、雑誌社の若いカメラマンを乗せた。彼は、皇居近くの人工池で暮らすカルガモの写真を撮り続けている、カルガモ番のカメラマンだった。自分の仕事に誇りを持てないカメラマンに、ミッドナイトは、宅地開発に追われながらも必死で生きるノラ猫の親子の生活を見せてやる。それに感動したカメラマンは、ノラ猫たちに向かって夢中でシャッターを切った。ところが、そんな彼の目の前で、子猫がトラックに轢き殺されてしまった。
51 ACT.52
1987/5/15 「週刊少年チャンピオン」
52 ACT.53
1987/5/22 「週刊少年チャンピオン」
53 ACT.54
1987/5/29 「週刊少年チャンピオン」
54 ACT.55(第5巻 ACT.8)
1987/6/5 「週刊少年チャンピオン」
ミッドナイトがタクシー強盗に襲われた夜、こんどは見知らぬ女性からの置き手紙に招かれてある法律事務所へ行ってみると、当の女性が、首にナイフを突き立てられて殺されていた。あわてて自分のアパートへ逃げ帰ったミッドナイトの元へ、今度は若い女性が現われた。その若い女性こそがミッドナイトに拳銃を突きつけたタクシー強盗であった。そして彼女は、自分はミッドナイトの叔母だと語った。実はミッドナイトはブラジル生まれで、ミッドナイトが父と信じていた飲んだくれの男は育ての親なのだという。そして……。
55 ACT.56(第5巻 ACT.9)
1987/6/12 「週刊少年チャンピオン」
マリの心臓が止まったという電話を受けたミッドナイトは、車を飛ばして病院へ向かった。ところがその途中、ガス爆発に巻きこまれ、瀕死の重傷を負ってしまう。マリのことが心配なミッドナイトは、それでも病院を抜け出してマリの元へと向かった。だが、その途中でまたも命を狙われるミッドナイト。実はガス爆発も事故ではなく、ミッドナイトを殺そうとするある人物の仕業で、そもそもマリの心臓が止まったということさえもウソだったのだ。傷口が開き大量に血を失ったミッドナイトは、すぐにでも輸血が必要な状態となったが、調べてみると、彼の血液型はPk型という特殊な血液型であることが分かった!!
56 第2部 SCENE.1(第5巻 ACT.3)
1987/7/10 「週刊少年チャンピオン」
来日したプロテニス界のスーパースター、マイケル・ハットン。ミッドナイトが彼を乗せて向かった先は、厚木基地近くのみすぼらしい家だった。そこにはハットンの実の弟が住んでいた。実はハットンは、かつてベトナム難民であり、その頃に強盗傷害事件を起こしていた。しかしその時、弟が兄をかばって逮捕されたのだった。その後、兄は過去を捨て、アメリカへ渡ってプロテニス選手となって大成功をおさめたのである。この日、ハットンがこの家を訪れた目的は、自分の過去を知る弟の口をふさぐためだった!
57 SCENE.2(第5巻 ACT.4)
1987/7/17 「週刊少年チャンピオン」
ミッドナイトは、スーパーで箱入りのクッキーを買った母親と幼い子どもを乗せた。実はその母親とその夫は過激派のテロリストで、クッキーの箱に爆弾を仕掛けて無差別殺人を企んでいたのだ。ところが翌日、子どもが爆弾入りのクッキーの箱を持ち出して街へ出てしまった。ミッドナイトは、テレビで、爆弾テロの予告電話が警視庁などにかかってきたというニュースを見て、すぐにクッキーを買った親子を思い出し、子どもの命が危ないと直感した。そして街へ飛び出して子どもを探し始めたのだが……。
58 SCENE.3(第5巻 ACT.6)
1987/7/24 「週刊少年チャンピオン」
ミッドナイトは、カササギ運輸のカエデから悩み事の相談を受ける。このところ夜になるとカエデの目の前に決まって白いヘビが現われるというのである。医者に診察してもらったところ、カエデは緊張と疲労が重なり、ストレスから幻覚を見ているのだという。ミッドナイトは、その幻覚を追い払うために一計を案じた。
59 SCENE.4(第6巻 ACT.4)
1987/7/31 「週刊少年チャンピオン」
この夜、ミッドナイトが乗せたのは、別れ話が決まり妻の実家へと向かう家族だった。別れたくないという子どもたち。しかし夫婦の関係は完全に修復不可能なまでにこじれていた。そのとき、車が突然、踏切の真上で止まってしまった。ドアも開かず車から逃げ出すこともできない。そして時刻表を見ると10分後にはその踏切を電車が通過することがわかった。ミッドナイトは、全員で車を揺らしその振動で踏切から脱出しようと提案する。
60 SCENE.5(第6巻 ACT.6)
1987/8/7 「週刊少年チャンピオン」
ミッドナイトは、警察に追われて逃げてきたサギ師の青年を乗せた。サギ師はミッドナイトに、自分の生まれ故郷である栃木県の楢崎村へ行くようにと告げた。楢崎村はかつてダムの底に沈んだ村だったのだが、このところの水不足によって再び村が姿を現わしたのだという。サギ師は自分の実家の寺の縁の下に残してきた安物の仏像を拾い集め、それでまたサギを働くつもりだったのだ。ところがダムに着いてみると、そこには同じくニュースを聞いて集まってきた、大勢の懐かしい村人たちの姿があった。
61 SCENE.6(第6巻 ACT.5)
1987/8/14 「週刊少年チャンピオン」
雨の夜、板橋区の墓地脇のカーブで人身事故があり、その附近にヒトダマが出るというウワサがタクシー仲間の間で広まっていた。そんな折、ミッドナイトは超自然現象の研究をしているという男を乗せた。男は、ヒトダマなどは完全に科学で解明できると自信たっぷりに断言する。そして問題のカーブへと向かった男は、そこに出るヒトダマの原理を見事に解き明かしてみせた。だが、そのとき……。
62 SCENE.7
1987/8/21 「週刊少年チャンピオン」
63 SCENE.8
1987/8/28 「週刊少年チャンピオン」
64 SCENE.9
1987/9/4 「週刊少年チャンピオン」
65 SCENE.10
1987/9/11 「週刊少年チャンピオン」
66 SCENE.11
1987/9/18 「週刊少年チャンピオン」